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創立記念日に向けた話
10月26日(土)御殿場西高等学校の第58回目となる創立記念日を迎えました。それに伴い、前日には全校集会を開き、創立の経緯、これまで大切にしてきた御殿場西高校の学校のあり方について、生徒、教職員に向けて話をさせていただきました。
1960年代半ば、この北駿地区はベビーブームの影響で、1学年1500人を超える生徒で溢れていました。地区内にあったのは御殿場南高校と御殿場高校の2校のみ。それぞれ1学年の受け入れ定員は400人と300人ということで、半数以上の生徒たちが、裾野や沼津、あるいは神奈川県の高校へと電車で通わなくてはなりませんでした。1学年700人以上✖️3学年ということは合計2000人以上が毎日電車を使うということになり、当時の御殿場線の混雑具合を「殺人的」と新聞では表現しています。「地元の子は地元で学んでもらいたい」という強い願いが地域から溢れていました。
そこで立ち上がったのが、勝間田芳麿先生でした。地域からの願いに応えるため、新しく北駿地区に学校を設立するという熱い気持ちで出来たのがこの御殿場西高校です。地域のための学校であるということを表すために、校名には「御殿場」を入れて「御殿場西高校」となりました。当時、このぐみ沢地区は森と畑しかなく、周囲には本当に何もない状況でした。まさにゼロからのスタートとなりましたが、1966年10月26日、校舎建築に向けて「くわ」が入り、御殿場西高校は産声を上げることとなりました。「誠実で、良識と豊かな心を持ち、実行力があり、地域に貢献できる人材を輩出する」という建学の精神のもと、269名の第1期生を迎え、地域に根ざした教育を実践していくことになります。地域の未来を創っていくようなそんな人を一人でも多く輩出してく学校になっていくために、生徒と先生たちで歴史と伝統を築いていきました。1995年にはオーストラリアにカーディニア・インターナショナル・カレッジを創立し、国際理解教育が加速していきます。長期留学制度だけでなく、グローバルな学びをすべての生徒にという思いから、全生徒を海外修学旅行でホームステイ体験させるなど、全国に先駆けた実践を行ってきました。課外活動における生徒たちの活躍も顕著で、特に部活動では、野球部の甲子園出場、空手道部の全国優勝に加え、近年ではホッケー部、陸上競技部、卓球部、柔道部、サッカー部、男女バスケットボール部といった運動部、吹奏楽部、ダンス部、茶道部といった文化部も熱心に活躍しています。
本校の校章は「ふじいばら」です。「ふじいばら」は富士山の周辺だけにみられる植物。白さは「誠実さ」を、お互いに支え合いながら共に生きる姿は「友愛」を、厳しい環境の中でも力強く花を咲かせる姿は「勇気」をそれぞれ象徴しています。御殿場西高校が、ゼロからのスタートであったこと、地域に根差した学校であること、さまざまなチャレンジをしつづけていることが、まさにこの「ふじいばら」に象徴される本校の「誠実・友愛・勇気」の表れなのだと思います。1万6千人を超える卒業生たちが、この北駿地区、あるいは県内外、さらには世界を舞台に活躍しています。それは決して学力が高いから、偏差値の高い大学に進学したからということではありません。創立からずっと大切にされている御殿場西高校らしさ、御殿場西高校の魂が受け継がれているからなのだと思います。それは生徒たちが築いてくれたものであると同時に、本校を長年支えてくれた教職員の皆さん、保護者の皆さん、卒業生の皆さん、そして地域の皆さんの理解と協力があってこそです。これからも、御殿場西高校に関わるすべての方々に応援される学校になることを目指していきたいと思います。
令和6年度10月25日(金)
御殿場西高等学校 校長 勝間田貴宏