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【プロレス・今日の出来事】10月11日

1997年10月11日 KRS・東京ドーム「PRIDE.1」
『高田延彦VSヒクソン・グレイシー』

もちろん、高田が7月に手術を受けたというニュースでは心配したし、最近の柔術大会での活躍は喜ばしく、凄いこと…だと思っているのを前提に。

 あの日、プロレスは死んだ…
 確実に、死んだのだ……

この時の高田は、試合前からヒクソンとグレイシー柔術の幻想に呑まれていた気がする。たしかに、それほどヒクソンの殺気はドームに充満するほど凄まじいものであったが、あの時…マルコ・ファスから付け焼的に柔術を学ぶのではなく、たとえ技術体系のようなものがなくともこれまでの経験を武器に闘うべきだった。

「高田、深夜の新日道場で猪木と極秘特訓 藤原も合流」
「ゴッチ来日、秘策を伝授」
「前田、高田に全面協力 ヒクソンと対戦経験のある山本宜久をスパーリングパートナーに」

ヒクソンの山籠もりに対抗して、たとえ東スポ用のネタであっても良かったから、そんなプロレス幻想を膨らませてくれれば、たとえ負けたとしてもプロレスファンとして、もう少し高田に乗れていた気がする。

 だが
 永遠に「死と再生」を繰り返すのが
 プロレスという魔物

それから2か月後の1997年12月21日。
「プロレスラーは、本当は強いんです」という言葉により、プロレスは再生へと向かい始める。

余談。この時オレの隣の席は、見るからにヤンキーそのものの20才前後のヤツだった。メンドくさそうだなと思いながら試合が進み、黒澤浩樹の試合中に「これ、ルールはどうなってるんですか?」と話し掛けられ、実際当時の運営はDSE前身のKRSという初めての運営だったことあり進行の不手際も目立ち、同じような疑問を感じていたオレは「いや…わからねえよな」と、ごく自然に答えていた。そして必死に高田を応援し、敗北した時はオレと同じようにガックリと肩を落としていた…すげーいいヤツだったことも思い出した。

プロレス・今日の出来事10月11日 END

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