【マンガ原作】『令和地獄ブラザーズ・帰国編』「VOL.2 テレビのヤツら」
あらすじ
権藤左近は、「サイバーコア・ネットワーク」CEOを務め、現在は子会社の「サイバーコアエンジン」でロボット開発に力を入れている。女優・早瀬綾乃と交際中。ある日…30年前、行方不明になった兄の右近と、その友人・牛山をテレビの中で発見する。
登場人物
権藤左近…30年前、金のインゴッドを売却した資金でベンチャー企業「サイバーコアシステム」を設立。以後数々の企業を買収子会社化、グループ企業「サイバーコア・ネットワーク」を築き、CEOを務める。現在は子会社の「サイバーコアエンジン」でロボット開発に力を入れている。
早瀬綾乃…左近と交際している女優。性格は天然。都内のタワマンに住み、ネコを飼っている。趣味はピアノ。
権藤右近…左近の兄。30年前から行方不明。
牛山…右近の親友。右近と共に行方不明。
「VOL.2 テレビのヤツら」
※タイトル画面
駅伝での牛山と、それを追い掛ける右近の姿…より鮮明になっている。
タイトル
『令和地獄ブラザーズ・帰国編』
「VOL.2 テレビのヤツら」
ーーーーー
東京・世田谷区ー
テレビスタジオ外観。
メイク室、メイク中の綾乃。
傍らに置いたスマホが振動。
スマホ画面に、(サコちゃん)の表示。
綾乃、スマホを操作して。
綾乃「もしもし…どしたの、サコちゃん」
「今日、撮影だって言ったじゃん」
「何かあった?」
横浜・みなとみらいー
左近のオフィス。
左近「ヨンテレに、知り合いはいるか?」
綾乃「ヨンテレ…!?」
「…もちろん、いないことはないけど」
「ドラマのプロデューサーとかでいいの?」
左近「バラエティでは?」
綾乃「アタシ…天然とか言われてるでしょ」
「番宣以外…バラエティは、事務所でNG」
左近「…」
綾乃「あ…でも、正月特番のショーテンだけは別」
「あれに出ると、ウチの婆ちゃんが喜ぶから」
左近「それでいい…ショーテンのプロデューサーを紹介してくれ」
綾乃「わかった…あとでLINE送る」
「けど…本当にどうしたの、サコちゃん」
「大喜利やりたいの?」
左近「何でもない…ありがとう」
《ピッ》とスマホを操作する左近…通話終了。
左近の手に、駅伝での牛山と、それを追い掛ける右近の画像。
左近の声(キャプチャー画像を拡大・修正して、より鮮明に…)
窓際に佇む左近。
左近「…」
横浜ベイブリッジが見える。
左近の声(兄貴と牛山さんに…間違いない)
窓際の左近。
左近の声(ま、まさか…)
(生きていたとは…!!)
左近、慟哭。
左近「う…うお~~~っ!」
ーーーーー
東京・汐留。
ヨンテレビ・本社社屋ー
ロビー。左近と綾乃、綾乃の女性マネージャーが座っている。
そこに、「ショーテン」プロデューサー・須田が登場。
字幕⦅長寿番組「ショーテン」プロデューサー・須田⦆
須田「ほ、ほお~…巷を賑わす、噂のカップルが揃ってご登場とは」
左近「か、彼女は…あくまで仲介者という位置づけで」
須田「今をときめくIT業界の風雲児・権藤さんが」
「一介のテレビ屋ごときに、なんの用です?」
「まさか、交際報道への圧力だったりして…」
左近「い、いえ…今日は、個人的なお願いがあって伺いました」
須田「…個人的なお願い!?」
左近、綾乃とマネージャーに。
左近「すまん…キミたちは席を外してくれ」
綾乃「え~!?私に聞かせられない話なの…」
左近「あとで必ず説明する…本当に、個人的な話なんだ」
綾乃「わかった…サコちゃんを信じる」
左近「ありがとう…」
綾乃「私たちの恋愛は…フツーの恋愛とは違うもんね」
退席する綾乃とマネージャー。
綾乃「じゃまたね…須田ちゃん」
須田「今年も、ショーテン特番よろしくね…早瀬さん」
綾乃を見送ると、左近に。
須田「で、なんです…個人的なお願いというのは?」
左近「じ、実は…」
駅伝の画像を見せる左近。
驚く須田。
スマホで話す須田。
男がもう一人登場…ヨンテレプロデューサー・宅間。
字幕⦅人気番組「地球の果てまで飛んでイK!」プロデューサー・宅間⦆
左近に紹介する須田。
宅間着席。
左近と、須田、宅間が向かい合う。
宅間「なるほど、そんなことが…」
須田、興奮気味に。
須田「う~ん…これはいけますよ」
「IT業界の風雲児・権藤左近が」
「行方不明の兄と30年ぶりに涙の再会!」
「そこに女優・早瀬綾乃が絡めば、ゴールデンの特番でもいける!!」
左近「…」
須田「どうでしょう、権藤さん!」
「捜索費用、権藤さんの旅費はもちろん」
「お兄さんたちの帰国費用など…」
「全ての費用をこちらで負担します」
「早速、企画を進めましょう…!!」
左近「そんな話は、していない…」
須田「…?」
左近、立ち上がり激怒。
左近「オレは…感動コ×キの餌食にはならない!」
左近…そんな想像を振り払い。
左近「い、いや…兄とその友人は」
「とても放送に耐えうるキャラクターではなく…」
「ほぼ放送禁止で…炎上案件になる危険も」
《えっ…!?》と、驚く須田と宅間。
ーーーーー
都内港区・タワーマンション…。
綾乃の部屋ー
ネコがくつろいでいる。
綾乃、ネコを撫でながらスマホで話している。
綾乃「え~っ!サコちゃんにお兄さんが、いたの~!?」
横浜みなとみらい・タワーマンション。
左近の部屋ー
左近、椅子に座り夜景を見ながら。
左近「ああ、死んだとばかり思っていたが…」
「…間違いなく兄貴だ」
「テレビのヤツらに、取材日時と場所を聞いた」
「明日、早速…現地に飛ぶ!」
ーーーーー
空港ー
駐機する旅客機。
※ラストコマ
旅客機の窓から、左近の顔。
左近の声(待ってろよ…兄貴)
「VOL.2 テレビのヤツら」END
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