マンガ原作『ヨコハマ・トレンチタウンロック』第３話「幻のメダリスト」②

あらすじ

みなと街ヨコハマ。ショッピングストリート・元町の川の向こう側…ハマのディープゾーン"トレンチタウン"の古びた雑居ビル『川向(かわむかい)探偵社』。川を渡りやって来る依頼者の奇妙な依頼の数々…。“ヨコハマ・トレンチタウン”に、レゲエ・ビートが鳴り響く…!!
事務所に現れた旧知のTVマンから、"幻のメダリスト"を探してほしい…との依頼。

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登場人物

所長…川向探偵社・所長

村木…川向探偵社・調査員

メグミ…川向探偵社・事務員

依頼者…テレビ関東(通称・テレ関)の売れっ子プロデューサー・宅間

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第３話「幻のメダリスト」②

横浜スタジアム、そしてトレンチタウン…。
川向探偵社。
事務所内ー
メグミが座る席に所長と村木…宅間はすでにいない。
所長「メグミちゃん…早速だが、PCでモリタしてくれ」
メグミ「モリタ…？」
所長「おっと!?ケンサクか…がはは！」
疲れ気味の村木、タメ息…。
村木「ふう…」
メグミ「名前は？」
所長「源…だ」
メグミ「源…？」
所長「違う…源だ」
メグミ「？」
所長「みなもとに田んぼの田で…源田」
メグミ「なんだ…源田か」
所長「源田光雄…だ」
PCのキーボードを叩くメグミ。
メグミ「ゲンダミツオ…」
モニター画面を見て。
メグミ「う～ん、wikiにも出てないし…公式戦の記録が出てくる程度ね」
所長「うむ…今どきネット検索などオレでも出来る」
　　「そんなもんで簡単に見つかれば、ヤツも依頼してこねえわな」
　　「ここからが"プロ"の仕事…ってもんだぜ」
所長席に戻る所長。固定電話の受話器を手にする。
所長を見る村木。
ナレーション(以下N)・ 村木の声｟…例の、ネットワーク？｠
対岸の元町を見ながら、電話で話す所長。
やがて受話器を置いて。
所長「おい村木…明日、浅草に行ってくれ」
村木「浅草…ですか？」
所長「浅草でジムをやっている知り合いがいる…」
メグミ「事務？アタシと同じじゃん…」
所長「娘が女子レスリング元日本代表で…」
　　「さらには…昔の仲間に、レスリング出身者もいる」
　　「ファイヤー沢口…元プロレスラー」
村木「…」

ーーー

東京・浅草ー
浅草寺・雷門前にたたずむ村木。
字幕・村木の声｟久々の浅草からは、"インバウンド"のニオイがした…｠
歩き出す村木。
字幕・村木の声｟かつて…日本の団体旅行客が、海外各地でヒンシュクを買っていたのを思い出した｠

「村木君…所長は元気か！キミは燃えてるか～っ」
浅草・ファイヤー沢口ジムー
タンクトップ姿の会長・沢口がポージングで出迎える。
沢口の気合におびえる村木。
村木「は、はい…」
沢口「大きな声で！」
直立不動。
村木「はいっ!!」
N・村木の声(ゴールデンタイムのプロレスを通ってきたオレは)
　　　　　　(この人が、メディアで見る…奇声をあげるだけのヘンなオッサン)
　　　　　　(…ではないことを知っている)
沢口に話を聞く村木のカット。
N・村木の声(そして…実際に会うと、そのパブリックイメージも)
　　　　　　(決して間違いではない)
沢口の娘・町子、笑顔で登場。
N・村木の声(その娘さんも、また…)
爆笑する村木と沢口父娘。
沢口「わっはっは！」
N・村木の声(…つまり、二人のあのキャラは演じているのではなく)
　　　　　　(裏表がない天然…いや、ピュアなのだ)
夜。浅草六区、東洋館前を歩く村木。
字幕・村木｟だが、尋ね人…源田光雄の情報はなく｠
　　　　　｟何人かのレスリング関係者を紹介されただけに終わった…｠

『ヨコハマ・トレンチタウンロック』
第３話「幻のメダリスト」つづく

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