【マンガ原作】『令和地獄ブラザーズReturns』VOL.6 リサイクル
あらすじ
権藤右近は、30年前に行方不明…だったが、右近とその友人・牛山は、とある南の島で生存していた(映画『ハード・コア』より)。ある日、弟の左近がテレビの中で発見し、外国人…ウー・コン・ゴンド、ウー・シイ・ヤマのウー兄弟として日本に帰国する。平成では"自爆"で人生を清算するしかなかった二人…令和の世の中に「令和地獄ブラザーズ」の居場所はあるのか!?
登場人物
権藤右近…主人公。30年前、行方不明になっていたが、南の島で生存。外国人…ウー・コン・ゴンドとして令和の日本に帰国し、弟・左近の会社のトイレ掃除で生計をたてている。
牛山…右近の親友。ウー・シイ・ヤマとして右近と共に帰国。右近と一緒にトイレ掃除をしている。
権藤左近…右近の弟。元エリート商社マン。30年前に発掘した金のインゴッドを売却し、その資金で「サイバーコア・ネットワーク」を設立。現在CEOを務めている。
吉田クンのお父さん…牛山の友だち、柴犬・吉田クンの飼い主。"金城会頭"のような容姿。
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『令和地獄ブラザーズReturns』VOL.6 リサイクル
※タイトル画面
室内で自転車を漕ぐ右近(『VOL.3クリスマス外伝・令和編』より)。
字幕かぶせて。
字幕⦅加速せよ…!⦆
タイトル『令和地獄ブラザーズReturns』
『VOL.6 リサイクル』
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年末の買い出し客で賑わう、横浜橋商店街…。
横浜某所・住宅街ー
二人掛かりで洋服ダンスを運ぶ、右近と牛山。
右近「…!」
牛山「えええっ!」
電柱の横に、"粗大ごみ"のシールが貼られたタンスを置く。
右近「ふ~っ…任務完了だ」
牛山「えええ」
右近「いいか牛山…」
「粗大ごみとはいえ」
「勝手に持って行くのは…違法だからな」
「気を付けるんだぞ」
右近を指差す牛山。
牛山「えええ…ウ、ウコンさん!」
知らんふりで口笛を吹く右近。
右近「…」
吉田家ー
縁側に座る右近と牛山、吉田父。
牛山の足元で柴犬・吉田クンがじゃれ、遊ぼうと誘っている。
牛山「えええ…よ、吉田クン!」
吉田父、お茶をすすり。
吉田父「ほお…リサイクルショップ?」
右近「はい…服やバッグを買い取ってもらえます」
「そういう所に頼んだ方が早くて楽かと…」
吉田父「う~む…そういう所は苦手でね」
「…実は以前、いらなくなった趣味の釣り道具を持ち込み」
「トラブルになったことがある」
右近「…」
吉田父「しょせん処分するものだ」
「二足三文で買い取られるのは承知の上…」
※吉田父の回想
リサイクルショップ。『ハード・コア 平成地獄ブラザーズ』より…"金城会頭"のような吉田父が、釣り竿を日本刀のように構えて。
吉田父「はっ」
「きえ~~っ!」
「…この不届き者~っ!!」
※回想終わる
吉田父、立ち上がり拳を握りしめ。
吉田父「だ、だが…不正は許せん!」
右近「…」
吉田父「お金の問題ではない…」
「…その曲がった性根が気に入らんと言うのだ!!」
その気合に押され、思わず後ずさりする右近と牛山。
右近の声(ゲ、ゲゲッ)
牛山「えええ…」
吉田父、気を取り直し座り、お茶をすする。
吉田父「それ以来…そのテの店は信用しない」
右近「は、はあ…何があったのか、わかりませんが」
「おそらく…リアルなエピソードなのでしょう」
吉田父「だが…キミたちが持って行くというのなら」
「全然かまわん…差し上げるよ」
右近「…!?」
なぜか反応する牛山。
牛山「!」
吉田父「今日のお礼というワケではないが」
「売ったお金も…すべてキミたちのもので良い」
目を輝かせる右近。
右近「え…!?ほ、本当ですか?」
《コクリ》とうなずく吉田父。
吉田父「うむ…」
和室。
バッグを物色する右近。
側らで吉田父が見ている。
幾何学模様の柄のバッグを手に取る右近。
右近「あまり詳しくないですが…」
「やはり…一流ブランドですかね?」
首をかしげる吉田父。
吉田父「さあ…私もさっぱりわからん」
「"DAIWA"や"SHIMANO"なら知っているが…」
「とにかく…欲しい物があれば持って行ってくれて構わん」
「…武士に二言はない!」
右近「は、はあ…」
牛山の姿がないことに気付く。
右近「!」
「ん…!?弟…はどこへ」
吉田父「二階で、服を見ているはずだが…」
《ギシッギシッ》と、階段を上がっていく右近と吉田父。
襖を開ける右近。
右近「おい、ウシヤ…」
思わず固まる右近。
右近「…」
吉田父。
吉田父「…」
そして部屋の中の牛山。
牛山「…」
部屋の真ん中に…ランジェリー姿の牛山。
※(『ハード・コア 平成地獄ブラザーズ』VOL.5秘儀参入」)より、"夜の貴婦人セット"オマージュ。
右近「牛山っ!!」
牛山「えっえっえっ!」
突っ伏して泣き出す牛山。
牛山「あがっ…あがが」
吉田父、頬を赤らめ。
吉田父「キ、キミ…」
「…その下着は」
右近「…」
牛山、嗚咽。
牛山「うっ、うっ…ぐ…」
吉田父「…通販で買ったんだ」
「つ…つい出来心で」
右近の声(お、お父さんのかよっ!)
恥ずかしそうにうつむく吉田父。
吉田父「だ、だが私は…」
「…一度も身に付けてはおらんっ!」
※ラストコマ
思わず吉田父を見る右近と、泣き止み吉田父を見上げる牛山。
二人「…」
立ち尽くす吉田父。
吉田父「…」
『令和地獄ブラザーズReturns』VOL.6 リサイクルEND
次回につづく