間違えた!「ニーズ検証」してる場合じゃなかったかもしれない話

こんにちは。
株式会社Genonで、皮膚炎の患者さん向けのサービスを作っています、高砂好です。

突然ですが、Genonは本当に色々な方の支えの下少しずつ前に進んでいる会社です。
様々な視点、立場、考え方の方とお話させていただき、そこでの気付きや発見が本当にありがたい毎日です。

そんな中先日も、人とお話をする中で大きな気付きがあり、少し方向転換することにしました。
私達の思いが詰まった気付きだったので、文章に残したいと思いました。


お話の中で感じた違和感と気付き


先日、関西のスタートアップ支援の活動をされている志岐さんとお話させていただいていた時のことです。


私達は近々、開発中のサービス「ヒフメド」の実証実験を開始する予定で、そのサービスをどうやって多くの人に知ってもらうか、ということをご相談していました。
その中で志岐さんに、「その表現はしない方が良いよ」と言っていただいたことがありました。

何気なく言った言葉だったのですが、
『メディア営業』とかも進めた方が良いのだろうなと思うのですが…」というものです。

私にとっては一般的な単語として使ったつもりで、「雑誌やメディアに取り上げていただけるよう関係会社さんとかけ合ってみる」ということを今後進めて行きたい、という意図でした。
志岐さんのご指摘は、
「メディアや雑誌に取り上げられているスタートアップって、あくまでその思いや、解決したい課題について話しているだけで、それを発信するのがメディアだよ。サービスを売るための「営業」をするわけじゃないからね」
ということでした。仰る通りすぎます。

その自分自身の無意識の言葉と志岐さんの指摘で、「あれ?」と思いました。


なんか、違うくない…?


私達Genonは、全然「お金儲け」に興味がないのです。
綺麗事ではなくただ事実として、「稼ぐこと」に無頓着です。


私達はただシンプルに、患者さんの皮膚炎を治したいだけなのです。


活動をする中で、これまで色々な患者さんとお話させてもらいました。
皮膚炎の患者さんは、本当に皮膚炎に強く悩まされて生きてきた人が多いです。
痒くて夜眠れなかったり、色々な治療方法を試しては効かなくて失望したり、好きな服が着れなかったり、自分の続けたい仕事を続けられなかったり。

私達が出会った患者さん達の中には、そんな皮膚炎に悩みながら、一生懸命色々な治療方法を試して、勉強して、どうにか前向きに治療に向き合おうと努力されている方がたくさんおられます。
深く傷ついたり疲弊して、努力することを諦めざるを得ない方もおられます。

私達はそんな患者さん達が、自分達の事業で皮膚炎が改善して、前向きに、やりたいことができる生活を送っていけるような社会に少しでも近付けたい、それだけなのです。

それなのに、あれ?最近少しお金の話が多い?と思いました。
お金は当然大事です。実現したい課題解決がちゃんと持続可能なものになるために、絶対必須です。

でも、いつの間にか手段と目的が入れ替わっている時があるのかもしれない。
めちゃくちゃお世話になっている投資家さんはいつも、『誰の何を解決したいか?』の問いを何度でも繰り返し投げかけてくれます。
私達が決して見失っちゃいけないのはそこです。


そう考えて行く中で気付いたのが、
「間違えたかもしれない。自分達が今やるべきは、『ニーズ検証』じゃなかった。」という表題の内容です。


気付きから生まれた方向転換

私達が元々実証実験で検証しようとしていた内容はこうです。

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でも違った。確かめるべき順番が間違いだと思いました。

まず確かめるべきは単純です。「自分達のサービスを使ってもらえたら、本当に皮膚炎は改善するのか」

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患者さんに使いたいと思ってもらえるかとか、お金を払ってでも解決したい課題かとか、大事だけど後回しで良い。

一番怖い、最悪のケースは多分こうです。
「売れるけど、治らない」

患者さんや医師の先生が「使いたい」と思ってもらえるものは作れたけど、実際使っても皮膚は改善しない。
そんな状況になったら自分達のやってることは何の意味もない。

だから私達がまずやるべきは、事業的な「ニーズの検証」ではなかった。
医療機器の「治験」的な考え方が必要だと思う。

私達の考える正しい順番はこうだ。

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この考え方が、事業的に正しいのかはわからない。答えはないと思います。
でも今の自分達の中の「正しい」やり方はこれだと思います。


今まで模索してきた、「市場規模」「競合優位性」「参入障壁」。
全部超大事だけど、全部本当はどうでも良い。

頭を捻って考え続けて来たからこそ、今は患者さんを治すことに注力したい。そう考えています。


最後に: 一緒に作りませんか?

私達は、そんな自分達の事業の実証実験に協力してくださる患者さん、お医者さんを探しています。
まだまだ仮説も多い未熟な事業で、うまく行くことを私達が確約することはできません。
でも私達は真剣です。実証実験ではただただ、協力してくれる患者さんを、協力してくれる医師と共に、「治す」ことに注力します。
そしてその先に必ず、「使ってもらえたら改善する」と断言できるようなものを作ります。


一緒に皮膚炎の課題を解決したいと思ってくださった方、力を貸してください。
https://forms.gle/Pjm5KBi3gmJkmS7a8


思いを言葉にする貴重な機会だったので、長々と書かせていただきました。
読んでいただいてありがとうございました。

株式会社Genonは、色々な方のご協力の下、皮膚炎の患者さんが前向きになれる社会を実現して行きます。

引き続きどうぞよろしくお願いします。

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