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カブトムシのメス

aikoのことではない。

先日、仕事中にふと疑問に思ったことがある。
それは、カブトムシのオスは大きなツノを使って他のカブトムシや昆虫達と闘うが、カブトムシのメスはどうやって闘うのだろうか?ということだ。

なぜこんな考え事をしていたかというと、仕事が忙しすぎて脳みそが限界だったからだと思う。

思い立ったが吉日、私は早速仕事を放棄して調査に出かけた。向かった先はトイレである。個室に入るやいなや私はネットの海にダイブした。ごく浅瀬、波打ち際でたくさんの子供向けサイトをサーフィンし、できるだけ分かりやすい解説を探した。

そうしてヒットした解説を色々と読んでみたが、そのどれもが「オスは他のオスや昆虫達と樹液の出る場所やメスを取り合って喧嘩をするのでツノがある。メスは強いオスと出会って卵を産むことが重要で、喧嘩をする必要がないのでツノがない。」というような内容だった。

ちょっと納得がいかない。
ということはメス同士がオスを取り合うというケースはカブトムシの世界にはないのだろうか?カブトムシだって生き物だからメス同士の争いが全くないないわけではないだろう。強いオスに大量のメスが群がるバチェラーのような状況とか、昼ドラみたいな泥沼の愛憎劇、仲良しグループの内外でのつばぜり合いなどはカブトムシの世界にも必ずあると私は思う。

例えば大きな身体と力強いツノ捌きで数多くの樹液スポットを運用している青年実業カブトムシが界隈に現れたら、多くのメスは彼のことを放って置かないだろう。身近で手の届きやすいオスより、そういった魅力的で人気のあるオスに想いを寄せ泥沼にはまってくタイプのメスは少なくないはずだ。ホストクラブの売り上げを見ればわかる通り、男を取り合う女同士の争いは、時にしたたかな女性の理性すらも麻痺させる。カブトムシもきっと同じだ。

ではメスのカブトムシはどうやって闘うのだろうか?オスのように武器を持たないメス同士の闘い方とは?
己の拳ひとつ、ステゴロでタイマンを張るのか?
いや、人間の女性でもそういう闘い方をするのは田舎のヤンキーぐらいだろう。…待てよ、カブトムシって基本田舎にいるからヤンキーなのでは?
否、田舎にもヤンキーじゃない人間はいる。おそらくカブトムシのメスもヤンキーであれば殴り合い(顔でなくボディ)で決着をつけるだろうが、全てがそうではないはずだ。そういえば田舎のヤンキーじゃない女子はどうやって争っていただろうか?

私の経験上、ヤンキーでない女性の闘い方は「情報戦」と「嫌がらせ」がメジャーだと思う。
よって、おそらくヤンキーでないカブトムシのメスの闘い方も「よからぬ噂を流す」「家庭事情や夜の仕事をしていた過去などを掘り起こし弱みを握る」「バレエシューズに画鋲を入れる」「朝イチで相手の机に菊の花を飾っておく」等である可能性が高いだろう。
しかし、これらはあくまでメス同士が直接闘う場合である。本当にしたたかなメスは、そういうメス達が争っている間にオスを狙うのである。

オスは身体こそ丈夫だが精神的には弱い生き物である。メス同士の色恋沙汰によるエグみ深い争いを見せつけられると、オスというのは大抵引いてしまうものなのだ。そんな時、その争いに参加せず「あなたも大変ね」と優しく声をかけてくれるメスがいたらどうだろうか?
このメスは他のメスとちょっと違うななんて思って、色々と悩みを相談したりして打ち解けてきた頃に、そのメスが、これまで全然そんな気配を見せてなかったのに、急にオスの肩にもたれかかり、少し背の高いオスの耳におでこを寄せてきたらどうだろうか?

ここまで読めば皆さんもこの問題の結論は出たといっても過言では無いことが分かるだろう。ツノを持たないカブトムシのメスの闘い方は「疲弊したオスの心の隙につけ入る」で間違いない。

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0.03代目極薄亭ゴム太郎師匠
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