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ペアシェイプカットについて

ペアシェイプカットについて

ペアシェイプカット

今回はペアシェイプカットの磨き方を解説します。
今まで紹介したカットよりも少し難しいと思いますが、かわいいので、ね。

ペアシェイプというのは「洋梨型」という意味です。しずく型といってもいいでしょう。
比較的大きめな石で使われることが多い印象で、丸みとシャープさの両方を兼ね備えたシルエットで上品な雰囲気が魅力です。
石の中でも尖った側と丸い側で角度や厚みに差があるので、見る角度によって表情の違いが大きく見えるのも素敵な特徴だと思います。

今回の図面の角度はクォーツ用の屈折率になってます。
別の種類の石を磨くときには角度の調整が必要です。

プリフォーム

ペアシェイプが難しいのは、形が線対称であって放射対称ではないところです。
簡単にいうと、いつものカットのようにパビリオンの頂点が石の中心にないということです。

ですから、ガードルの形をつくる段階で少し準備をはさみます。
準備段階の成形なので粗目でかまいません。
まず、石をファセッターにセットして、90°でガードルを一周削ります。

PF(プリフォーム) 1

次に、パビリオン側の12-36-60-84を浅めの角度で削ります。

PF 2


これで準備ができました。
ここから本番です。
インデックス45-51を36°で磨きます。

P(パビリオン) 1

上の画像のような感じで、さっき準備段階で磨いた四面の交点のところ深さまで削ってください。

続けて、インデックス38-58を37°で磨きます。

P 2

先ほどと同じように頂点をそろえます。

そのあとは、同じように頂点をそろえながら
15-32-64-81を39°
27-69を41°
22-74を42.5°
18-78を41.5°
11-85を34.5°
と磨いていきます。

P 4-7

磨いたものがこちらです。ガードルとの境界が波打って見えますが、今はそれでいいです。
ここで磨いた面をガイドにしてガードルを磨いてペアシェイプをつくっていきます。

ガードル

90°で11-85を磨きます。

G(ガードル) 1

ここで削る深さは赤線がきれいにつながっていればいいです。

そして、ガイドにするために一度ガードルから離れます。
35.5°で13-83を磨きます。

P 8

赤い〇のところが接するまで削りましょう。
ここからガードルを一気に磨きます。

90°で15-81を磨きます。

G 2

赤〇のところまで削ります。

続いて、90°で18-78を磨きます。

G 3

先ほどと同じように、ひとつ前の面と今削っている面の境界が、パビリオンの線と接するまで削ります。

同じ要領で、90°でガードルを磨いていきます。
22-74
27-69
32-64
38-58
45-51
と順番にガードルを磨くと

G 4-7
G 8

こんな感じで洋梨型ができます。
気を付けることが多くて大変でしたね。

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