ポケモン世界の裏事情 たまごはどうやってできるの?
ポケモン世界の最大の謎のひとつに「ポケモンのたまごはどこからやってくるのか問題」がある。
世代を追うごとにちょっとずつミステリーを解くヒントを小出しにするのが好きなゲーフリも、卵問題だけは初登場の第2世代から何も言及がない。
当ブログでは基本的に”下ネタ”の類はあまり扱わないのだけども、今回はどうしても話が話だけに、ちょっとだけ”えっちな表現”があったりなかったりするので、その辺りはどうぞ色々と自己責任でお願いしたい(そうは言っても、露骨だったり生々しい表現はないです)。
「育て屋」という名の……
ポケモンの卵の作り方(?)を復習しておく。
まずは「育て屋さん」にポケモンのオスとメスの番で預けてから、その辺をうろうろする(不審者かよ)。
このときに育て屋さんと話をして「仲良くやってるよ」的なコメントが出たら大丈夫で、「違うポケモンと遊んでるよ」と言われたら絶対にたまごは出現しない(=どこの馬の骨ともわからないポケモンとの間に新しい命を授かることはないから。パパは安心して大丈夫だから)。
しばらく徘徊して戻ってくると、「君のポケモンがどこからか卵を見つけてきたみたいなんだけど、欲しいよね?」と聞かれる。これでポケモンの卵が作れて(わお)、あとはマグカルゴと一緒にチャリでその辺を走り回っているうちに生まれてくる(お巡りさーん!)。
剣盾まではこうやってたまごを作って「対戦用」のポケモンを育成していた、つまり「6(5)V」を粘っていた。
でも、SVでは「すごい特訓」のレベルが100→50に引き下げられたので、わざわざ卵からポケモンを拵えるのは(なんちゅう表現だ)、A0やS0(攻撃・素早さ個体値最低)といった特殊な厳選を必要とする場合だけになった。
話を戻すと、要するにポケモンの卵というのは、俗にいうところの「有性生殖」が元になっている、と(この時点では)考えられる。
男の子とおにゃのこが仲良しになっておういぇいして、新しい命が生まれる。
個体値、つまりあるポケモンの能力が親からの遺伝で決まる部分が大きいというのも、有性生殖説を大きく裏付ける根拠になっている。
でもさ、だからって、育て屋さんのことを……うん、この話はやめよう。
世界に♂は不要だった
ところが、ここに「ポケモン=有性生殖説」を否定する存在がいる。
それが「メタモン」である。これがボトルネックの中でも最大級のものだ。
性別を持ったあるポケモンとメタモンを一緒に預けると、なぜか同じように卵
が誕生する。
しかも、メタモンの個体値を引き継ぐ、遺伝まで起きているから、いったい何がどうなっているのか、話はいきなり混迷を極め出すことになる。
少し横道に逸れるのだけども、現実には♂だけの生物は存在しない。
裏を返すと「♀だけの生物は存在する」のである。
私たち(≒人間)は男の子と女の子がウンタラカンタラ(有性生殖)という考え方に馴染みすぎてしまっている部分があるけれど、実はメスだけで生殖を行うことのできる「単(無?)性生殖」の生き物はちゃんといるのだ。
アリマキという生物は、基本的にメスだけの世界で成り立っている。
だれの助けも借りずに子供を産み(もちろんメスだ)、その子供も大きくなって同じように子供(やっぱりメスだ)を産む。
♀オンリー=女だけの世界は大変効率がよい。
繁殖のためにパートナーを探さなくていいからだ。
人目を憚る面倒な職場恋愛も必要なければ、マッチングアプリで何度も同じ自己紹介を繰り返す手間も要らず、合コンで好みのタイプがいなくてがっかりすることもない(やってことないから想像です)。
まあ、アリマキの社会には職場もマッチングアプリも合コンもないだろうけど……。
そう、大量生産(文字通り)を可能にするがゆえに、アリマキはとんでもない繁殖力を誇ることになる。
一言でいえば「男がいなくても世界は回る」
ただし、「女だけの世界」に生まれてくる子供は、自分の「完全なるコピー」である。
なんでオスがこの世界に存在するのか?という話は、結局は「生物は多様性を持つ=いろんな個体がいた方が生存に有利」という月並みな結論に落ち着くのだけど、そろそろポケモンに話を戻す。
ポケモンの世界には、メスだけしか存在しない生き物はもちろん、なんとオスだけしか存在しないポケモンが存在する。
しかも、卵の仕様として、同じ卵グループのオスとメスを預けてできる卵からは、メスの種族が生まれてくるというとんでもない仕様になっている。
どういうことか?
つまりですね、オスだけしか存在しないポケモンは、原理的には「子孫を残すことができない」という事実に気が付かなくてはならない。
メタモンでの繁殖に慣れ切ったランクマ廃人の皆さん、どうですか?!(何が?)
何が言いたいかというと、ゲームフリークの考えるポケモン=生物の世界は、現実の世界とはそのカラクリが異なっている、ということだ。
オスだけしか存在しないポケモン、しかも性別こそ異なるが近親種族(例エルレイド&サーナイト)が存在するポケモンと違って、バルキーのようなポケモンはメタモンがいないと生殖できないというとんでもない仕様になっている、これはどういうことか?
すべてのポケモンに性別が導入されたのは第二世代、つまり卵が登場したのと時を同じくする。
ただ、初代にも一応概念自体はあって、ニドラン男子&ニドラン女子(私の母はこう呼んでる)はもちろん、実はケンタロスとミルタンク(それぞれオスだけ・メスだけしか存在しない)も同じ種族ではないかと某博士が推測しているらしい。
ラッキーやガルーラはメスだけしか存在しないけど、現実の生物に照らし合わせれば「単体で繁殖可能」である。
手っ取り早く暴論を打つと、初代の時点では、ゲーフリも「ポケモンも有性生殖」と構想していたのではないだろうか?
しかし、ゲーフリは第2世代を世に送り出すにあたって、生物界の「定説」を覆す設定を創り上げた。
それが「オスしか存在しない」そして「原理的には生殖不可能」なポケモンだった。
これはゲーフリによる「生物学へのアンチテーゼ」「現実への挑戦」「世界をひっくり返すための反世界」と捉えても、大げさではないと思うのだけど、どうでしょう?(ひとに聞くなよ)
先ほどあげたバルキーは、卵からのみ生まれるポケモン、記念すべき「初代ベイビーポケモン」のうちのひとりだ。
オスしか存在しないこのポケモンは、メタモンを介して卵からしか生まれてこない。
メタモンが変身する先もオスしかありえない。となると、♂と♀オウイェイ(しつこいな)によって新たな生命が誕生するという枠組みは、完全に否定されることになる。
ポケモンのたまごは、ほとんどこれだけで論文が一本書けるレベルの謎です。
結論は未定
じゃあ、ポケモンの卵は、本当はどうやって生まれてくるのか?
ええっと、それについてはまだ結論が出ていないので、また気が向いたら書きます。
暫定的な推測を示して終わりにする。
ゲーフリは、ポケモンをあくまでも現実の生物とは異なるもの、「想像=創造の生物」であると区別している。
現実と異なる繁殖=卵システムは、ポケモンの世界が製作陣によってクリエイトされたことを、「これは私たちが創り出した世界です」というメッセージを担保するための象徴として導入された。