教典
触ったものから艶やかな蜜が垂れた。
絡まった蜘蛛の糸が太陽を恋しがるように
触った心から溢れた多幸感が涙を流した
認めて欲しいわけじゃないけど
赦して欲しいわけじゃないけど
衝動で生きてたいそれだけでも
今日も賢い板が要らんものまで連れてくる
泡を吹き出した口から零れた言葉は汚くて
最後の手向けにはできない
触ったものから何でも吸い込んでしまう
人間は弱いから
強くあろうとすればするほど
脆く古くなっていく
君の脳みそに染み込んだ衝動が灰になるまで
あといくつだろう
誕生日が来る度に
歳を重ねる喜びを知っていたのは
いつまでだろう
さよならは言えない
君は弱いから
弱いと思ってみていた君は
鏡に写った僕だったかもしれない
まだ無いものを知りたくて
ただ特別になりたくて無いものを欲しがった
足りてないのは僕への愛かもしれない
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