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ヤマハP-45という後発医薬品

これは私の妄想です!事実に基づくものではないので悪しからず

ヤマハのP-45というのは2015年に発売されたヤマハの電子ピアノにおける最廉価品、最底辺機種である。
そしてその諸元は以下である。
P 45 2015年発売 GHS鍵盤 AWM音源 64同時 10音色 12cm x2
ここで前に掲載したPシリーズの変遷を思い出してほしい。

P105 2012年 GHS鍵盤 RGE 音源 128同時 14音色 11.7kg 12cm x2 + 5cm×2
P 95 2010年 GHS鍵盤 AWM音源 64同時 10音色 12.0kg 12cm x2 + 6cm×2
P 85 2007年 GHS鍵盤 AWM音源 64同時 10音色 11.6Kg 12cm x2 + 6cm×2

P 70 2005年 GHS鍵盤 AWM音源 32同時 10音色 13.0kg 12cm x2 + 6cm×2

もう少し細かくみると、以下のような違いがある。
・P-45は電力消費が少ない
・P-45はMIDI端子がなくなりUSB-HOSTになっている
・P-45は録音機能ない等々


すなわち2015年に発売したP-45は、消費電力を除けば2007年に発売したP-85以下のスペックである。

何故、ヤマハは8年以上も前のスペックの機種を売り出したのか
そしてこのP-45のみが半導体不足によってヤマハの電子ピアノのほぼ全てのラインナップの商品供給がタイトになっている中で、不思議に在庫は潤沢にあったのである

さてその疑問を解く鍵は、ヤマハが殆ど変わらないP-85とP-95を通算5年間売り続けたことにあると思う。
ところで、一般的に半導体に限らず部品というものは調達する数量が多いほど単価が安くなる。
だから、もし2007年より前に私がヤマハの生産責任者であれば、5年分の販売予定を見越して部品を全部まとめて調達するであろう。
単価が安く利幅の少ない商品の生産については当たり前だ。
しかし、その元となる販売予想が下方にくずれた時に一気に部品の余剰在庫が発生してしまう。
2012年のP-105の販売開始とともに不要になってしまう部品だ。
さて2007年と2012年の間に何が起きたのか?
言わずもがな2008年のリーマンショックである。
その結果、世界の経済は冷え込みヤマハも赤字に転落した。
もし、それにより、想定していたP-85,95の販売は大幅に落ち込んでいたら調達済の余剰在庫を大量に抱えることになるだろう。
そのような状況で、もし私がヤマハの生産責任者であれば、余剰の部品在庫を活用するために、P-105よりスペックの劣る機種をつくることを提案する。
以下のような理由で経営ボードを説得するだろう

・P-105より低グレードの機種を出すことでP-105のラインナップにおける相対的価値を上げ、価格を上げる事
(ヤマハのいう価格適正化)ができる
・低価格商品であるカシオのエントリーモデルへの対抗
・P-85、95用の余剰部品在庫の活用
・リーマンショック以降の世界的経済の冷え込みへの低価格志向への強まり
・インドなどの新興市場向け

さてその結果はどうか?
私は想定以上に売れなかったのだと思う。
・ヤマハはリアル店舗という販路で重要視しており、リアル店舗は利幅の少ないP-45を売りたがらない。
・ユーザーもP-115より明らかにスペックは劣るP-45を選択しなかった。

結果、売れなかったP-45であるが、コロナ渦による巣ごもり需要によりコンパクト型を求めるユーザーが、在庫の殆どないP-125の代替として購入したのではないかと。
そしてヤマハも「なんだ、14年前のスペックでも初心者にはわかんないから結構売れるもんだ」と言う事に気づいたのではないかと。

だから本当のピアノ初心者であれば、お勧めはP-45であるはずだ。
しかしながらコロナ渦の中でP-125の在庫が非常にタイトな状況で、やたらP-125の優位性を主張する連中は、やはり転売屋と見るのが妥当だと思う。




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