delyのCTOを引き継ぎました
はじめまして。delyの井上(@gomesuit)と申します。
2021年9月からdelyのCTOを大竹から引き継ぐことになりましたので
自己紹介と意気込みを書こうと思います!
大竹も同時に記事を書いています。
delyに興味を持ってもらえる方がいましたらお話しましょう!
CTO交代に関して大竹・CXO坪田と話したpodcastも公開しています!
(文字起こしはこちら)
delyで何をしてきたか
delyには2018年5月にSREとして入社し、約3年半在籍していることになります。やってきたことはざっくり分けると4種類です。
・SREとしてのエンジニアリング業務
・エンジニア採用/マネジメント
・サーバサイド含むバックエンド全般の技術改善のリード
・ID基盤開発やTRILLリプレイスなどの長期プロジェクトのリード
SREとして入社していますが、後半になるほどSREとしての業務の割合は減っていきました。というより減らさざるをえなかったという感じです。
入社から半年後の2018年11月にサーバサイドメンバーのマネジメントをすることになり、2019年9月から開発部の部長として本格的に採用に関わるようになったため、SREとマネジメントを兼務する形となっていました。
マネジメントへの取り組みに関しては当時SELECKさんに記事にして頂きました。
SREの人員が潤沢だったのかというとそういう訳でもなく、入社後から去年末までSREの人員は自分を含めて1人か2人の状態であり、不健全だと理解しつつ属人的な対応を選択することでなんとか耐えていた状況でした。
SRE NEXT 2020で登壇した際の発表スライドです。
https://speakerdeck.com/gomesuit/sre-next-2020
入社してから最も時間を使ったことは実は採用になります。
入社当時エンジニアは10人程度でしたが、現在は全社で50人ほどまで増加しています(もちろん自分だけの力ではないです)。また22卒からエンジニアの新卒採用を開始しており、現在は23卒の採用も動いています。
プロダクト成長のボトルネックがエンジニア数であることは明確であったこと、サービス開始から年数を重ねたシステムの非機能開発にも徐々に人員を割かなければいけないフェーズになってきていたこともあり、採用に時間を使うべきだと考えていました。基準を下げて採用するのはお互いに不幸になってしまうのでカルチャーフィットはしっかりと確認しており、そういったことからも多く時間を割いてきました。
その他、技術負債やリプレイスなどの長期プロジェクトのリードや様々な組織課題に取り組んできました。
近況
今年に入ってからは自分を抜いてSREのメンバーが3人となったため、チーム化しリーダを立てることで自身の属人性を徐々に排除していき、現在では自分が関わらずとも運用に支障がでることはなくなりました。
どのようにチーム化を進めたのかについてはSREチームリーダーのjoeさんに聞いてもらえたらと思います!
また、エンジニアリングマネージャとテックリードの役割を立て、採用周りをエンジニアリングマネージャへ、技術的な意思決定の一部をテックリードに権限移譲しています。
優秀なメンバーが育ってきており、自身は長期の視点で物事を考える時間の確保が可能になったため、現在は長期間手付かずだったデータ基盤の再構築をデータエンジニアと進めています。
dely入社前後における考え方の変化
delyに入る前と現在で自分自身の考え方に変化があったのでそこにも触れておこうと思います。
自分の経歴においてdelyは4社目の会社になります。
SIerに新卒で就職し、公共系の業務システムの受託開発を経験しました。仕事として学ぶことは多かったものの、思い描いていたエンジニア像に更に近づくために転職、WEBアプリケーション開発とインフラエンジニアをそれぞれ別の会社で経験しました。
SIerからの転職後はフルスタックエンジニアを目指していたこともあり、他の人の何倍も勉強しないといけないことがあると思っていたため、マネジメントに時間を使うつもりはないと当時は本気で思っていました。
前職の同僚からすると、自分がdelyでマネジメントに関わっていることは全く想像できないと思います。それくらいマネジメントからは無縁の存在でした。
転職先をdelyに決めた理由は下記の通りであり、4つ目に関しては当時CTOの大竹の熱意に圧倒されてクラシルの今後の成長を確信した覚えがあります。
・SREとしてプロダクトに貢献できること
・組織がまだ小規模であること
・ビジョンに一貫性があること
・成長し続けるプロダクトと組織において、継続的に発生する技術的課題に挑戦できること
delyに入社してからは、それまでの会社では経験したことのない組織の一体感とスピード感を感じました。クラシルという一つのサービスを良くしていくという気持ちを全社員一人ひとりが持って仕事に取り組んでいたからだと思います。
そういった状況において、delyで仕事に取り組んでいた結果下記のようなことを考えるようになりました。
・プロダクトや組織が成長し続けることでしか成し遂げられない経験があるのであれば、そこに自分自身もコミットすべきではないか、他者任せにして良いのか
・他者に用意してもらった環境で自分がやりたいことを実現したとして、それは果たして本当に自分自身がやったことだと言えるのか
・やりたいことがあるのであれば、それが実現できる環境も自分の手で作ってこそ初めて自分で実現したと言えるのではないか
・やりたいことができないと思うのであれば、それは自分自身の力不足ではないのか
マネジメントに関わるようになったのは、当時自分がマネジメントをすることが一番合理的な選択だと自分自身も思えたからです。
そう考えられるようになってからは「やるべきことをやるだけ」だと常に思いながら色々なことに取り組んできました。
CTOになることについて
正直に言うと自分はCTOには向いていないと思います。社外への情報発信や社外の方とのコネクション作りは重要ではあると理解しつつ苦手な領域です。
ただし、最終地点が同じであれば山の登り方は人それぞれで良いと思っていて、自分は自分なりの山の登り方をするだけであり、変に気負わず今まで通り「やるべきことをやるだけ」だと思っています。その道の途中で上記のようなことがやるべきことだと思えるのであれば自分なりのやり方で克服していこうと思います。
CTOとしてこれからやっていくこと
ということもあり、CTOになったからといって今までとやることが急に変わるかというとそういう訳ではないです。
今まで課題だとは思いつつ手をつけてこなかったり、自分ごとと捉えるには遠すぎると思っていたことを自分自身の責任として捉えるということが変化点だと思っています。今後はdely全社の技術に対して最終責任を負うという視点を持って取り組んで行きます。
課題を可視化し議論して投資するかどうかを検討できる状態にする、そして投資すべきものに関しては遂行していく。一人でできることは基本的にはないので、プロセスを可視化し周りを巻き込みつつ推進していくことになると思います。
以下は今後取り組もうと思っていることの一例です。
・エンジニア採用/育成への取り組み
・テクノロジーの企業としての情報発信
・技術が正しく伝達・循環し組織全体の技術力が向上する仕組みづくり
・組織拡大に応じた権限移譲と役割の作成
・技術的課題への取り組み
・データ基盤の刷新
・クライアント-サーバ間など横断的な箇所に関する技術的な取り決め
・自社基盤開発の検討
・社内ツールの開発や改善をミッションとする組織の検討
・技術トレンドのリサーチ、先行投資
・新規プログラミング言語やフレームワークの取り入れ、インフラのアーキテクチャなど、ライフサイクルの長い箇所に対する技術選定
最近では組織規模が大きくなってきているので「技術が正しく伝達・循環し組織全体の技術力が向上する仕組みづくり」と「データ基盤の刷新」を優先度高く取り組んでいく予定です!
「ビジョンを実現する」、「良いプロダクトを作る」、「ユーザへの価値を最大化する」ということが前提になりますが、エンジニアへの投資は積極的に実施していきます。
最後に
delyの良さはビジョン、バリュー、プロダクト、そして人にあります。本投稿ではその部分の話はできませんでしたが、そういった部分も面談では話せます!是非お話しましょう!
前CTO大竹も面談を受け付けているので興味がある方は是非!
delyでは良いプロダクトを作るためのエンジニアを絶賛募集中です!(iOS / Android / サーバサイド / SRE / データエンジニア)