霧山茶園さんでのmyほうじ茶作り体験【AIR日高村3日目】
こんにちは。フリーキュレーターの牛込麻依です。
2023年10月に参加しているAIR日高村での活動レポートをお届けしています。
霧山茶園さんの工場見学
本日は終日霧山茶園さんで工場の見学、茶畑の案内、体験コンテンツ受講、というスケジュールでした。まずは工場見学から。
収穫してきた茶葉をこちらに運び込み、工場のレーンに乗せていきます。収穫担当が1名、運ぶ担当が1名、この作業場で茶葉を受け取り、レーンに乗せていく担当が1名です。
摘み取られたばかりの生葉は痛みやすいため、すぐに適切な管理のできる工場に運び込む事が必要だそう。
レーンに乗せられた茶葉はまず均一に蒸されて、発酵が止まります。蒸した直後、高温になっている茶葉の温度を急速に下げる事で、色や香味の変化を防ぐ工程に入ります。
その後、粗揉(そじゅう)と呼ばれる揉みの工程、揉捻(じゅうねん)と呼ばれる茶葉の組織を壊す工程、中揉(ちゅうじゅう)、精揉(せいじゅう)と呼ばれる形を整える工程へと進み、乾燥させ、梱包されていきます。
霧山茶園では自社一貫加工で梱包までおこなっているので、新鮮な状態で茶葉をお届けできるというわけです。
茶畑のお散歩
工場見学をさせてもらった後は、お散歩へ。東京ドーム5個分となる約20万平方メートルもの敷地をゆっくり、話を聞かせてもらいながら散歩しました。
霧山茶園が創業したのは昭和43年ごろ。5軒の農家さんが手を組んで始まりました。当時は田んぼと少しのみかん畑があるほかはほとんど雑木林だったこの場所を、先代の方々が開墾して始まったそう。
お茶を育てるのに最適なミネラル豊富な地層(約二億五千年前)が地表面に出ているため、開墾中に化石が出てきたこともあるんだとか!
岐阜や静岡など全国各地に視察に行き、どんな土を作るべきか、どんな傾斜なら大丈夫かなどさまざまなことを試行錯誤しながらお茶の苗を植え、その木が育つまでおよそ10年ほど。他の野菜を育てたり、時にはタクシー運転手などのアルバイトをしながら現金収入を稼ぎ、生計を立てていたそう。
実際に茶葉販売の稼ぎが形になったのは昭和57年あたり。そこまで辛抱して、お茶の可能性に賭けていた先代たちの熱意に驚かされるばかりです。
10月は番茶の収穫時期ということで、ちょうど収穫の様子も見学させてもらうことができました。
現在は機械で一気に収穫していますが、平成7年くらいまでは3人1組で手で機械を持って畑の中を歩き、収穫していたそう。農業機械もどんどん進化していて、昔は不便だった縦畝の方が今は作業しやすいんだとか。先見の明がある…
平成7年ごろから二代目の方々に代替わりすることになり、いろいろ整理して、現在は2軒の農家さんの共同経営となりました。自社の小売販売も開始し、昨年には株式会社化して活動の幅を広げていらっしゃいます。
たくさんのお話をお伺いしながら、美しい茶畑に癒され、風を感じる時間となりました。空気もおいしく、とてもリフレッシュになりました!
茶缶作り体験
お昼休憩を挟んで午後は、いよいよ体験コンテンツ!まずは、オリジナル茶缶を作ります。
まずは好きな和紙の柄を選びます。我々は二人とも渋めの柄を選びました。
まずは缶の蓋に合わせて和紙を切り、ボンドと糊を混ぜた接着剤をつけていきます。
中山さんのアドバイスに従って、丁寧に缶に貼り付けていけば完成!意外と難しくて、集中力が必要です。自分だけのオリジナル茶缶ができました〜!
ほうじ体験
お次は茶葉を炒ってほうじ茶を作る体験。まずは茶葉を入れる袋作りから。
シールに文字を書いて、マスキングテープなどで装飾します。自分好みに仕上げられるのが嬉しい!
お次はほうじ茶テイスティング。ほうじ具合によって味も、見た目もかなり異なります。
中山さんの繊細かつ美しい手捌きで、とても美しいお茶を淹れていただきました。その所作を見ているだけでもうっとりしてしまいます。
テイスティングで自分の好みのほうじ具合を確認したら、レッツ実践。
「ほうろく」という道具を使って、茶葉をほうじていきます。
強火で空炒りをした後、スプーン1杯分をほうろくにいれ、弱火で混ぜながら炒めていきます。火が通るにつれどんどん色が茶色く、茎は太くなっていきます。
私は深煎りが好み、飯間さんは浅煎りが好みということで、お互いチャレンジ!グラデーションの茶葉が完成しました。
完成した茶葉を、最初に作った袋にスプーンで入れて、完成です。
茶缶作りとほうじ茶作り、2つの体験を合わせて大体2時間ほど。2時間とは思えない充実感と達成感がありました。美味しいお茶もたくさん飲んで、心も体もポカポカです。
旅の思い出として、この体験コンテンツがあるととっても素敵な思い出になることでしょう!昨今Tea Tourismという言葉があるように、日本の茶園はインバウンドにとっての一大観光コンテンツになり得ます。今後の可能性を感じる体験となりました。
霧山茶園さんを後にした後、夕日に照らされた仁淀川を見に行って本日の活動は終了。この美しい景色が心優しい人々を育んでいるのだなと実感しました。