村を支える「わのわ会」と「nosson」【AIR日高村4日目】
こんにちは。フリーキュレーターの牛込麻依です。
2023年10月に参加しているAIR日高村での活動レポートをお送りしています。
一般社団法人nosson
本日は、村を支える2団体の代表の方に話を聞いてきました。まず一つ目は、一般社団法人nosson(のっそん)。
一般社団法人nossonは、地域再生推進法人であるNPO法人日高わのわ会からスピンオフした、高知県日高村を拠点とする地域商社です。
元々東京にお住まいだった代表の小野さんは、全国各地のボランティアに参加していた時期に日高村に出会い、その魅力にはまって関係人口として頻繁に訪れるようになったそう。
その後、地域おこし協力隊として活動してみないか、ということで誘われ、NPO法人わのわ会(後述)のメンバーとして活動する中で、あれよあれよと立ち上がったのがnossonです。
現在のnossonの活動は、以下の4部門。
・Eat&Stay とまととの運営(我々が宿泊しているゲストハウス)
・地域人材マネージメント(地域おこし協力隊の受け入れ、学び)
・ふるさと納税(行政からの委託)
・地域資源の開拓部⾨
「小さい村を元気にするところから、日本全体を元気にしていきたい」というビジョンのもと、ソーシャルアクションも進めているそう。日高村でお年寄りの方々に土佐古来の豆を育ててもらい、トマトと合わせてストレスを減らす商品を開発中!
日本の現代社会問題にアプローチしつつ、日高村の高齢者の方々の生きがいと収入を創出する、十方良しの活動です。
代表の小野さんは、元々広告関係のお仕事をされていたこともあり、とってもパワフルで元気!話していてもとてもワクワクしました。
高知の小さな村から、地域の課題を解決しつつ、日本全体の課題にも目を向けた活動が行われているなんて、なんて素晴らしいんでしょう。日高村の活発な動きを支えているのがnossonさんなんだなと実感しました。
特定非営利活動法人日高わのわ会
わのわ会は、約20年の歴史をもつ、地域の困りごとを解決するために活動するNPO法人です。「できる人が、できる時間に、できることを」を理念に、さまざまな事業やサービスを展開しています。
今から約20年ほど前、子供を遊ばせるために子供センターに集まっていたお母さんたちの井戸端会議で、「何か面白いことをやりたいね」という話になり、まずは隣町で行われていた紙芝居コンクールに出そう、という話になったそう。
絵が得意なお母さんは絵を描き、物語を考えるのが好きなお母さんはストーリーと演出を担当、彼女たちの子供たちの面倒をみる担当のお母さんなど、それぞれが自分の得意分野を分担して一つの紙芝居に取り組み、見事入賞したそう!それが嬉しくて、じゃあ次は何をしようか、とどんどん取り組みが広がっていったとのことでした。
自分達の家庭で精一杯にならず、他のお母さんたちと協力して新しい活動に取り組んだ皆さんのパワーやエネルギーに脱帽…
そのうち、特産品である日高村フルーツトマトの規格サイズ外のもの、傷がついてしまって出荷されなかった「もったいない」トマトをどうにか活用しようと食堂で使い始めたり、トマトソースやピューレを作ったりして6次産業化を始めました。わのわ会が作っている商品は道の駅をはじめとしたたくさんのお店で購入することができます。もったいないをブランド化することに成功したのです。
行政とも連携し、福祉事業にも取り組んでいます。事務局長の安岡さんが以前特別支援学校の寮母さんをやっていたこともあり、わのわ会では障がい者の方がその人自身らしく、自分のやりたい仕事を選んで働ける就労支援を行なっています。
「障害があるから守ってあげないといけない存在、なんてことはない。障害のある方も人のためになれる、人の助けになれる」と安岡さんはいいます。彼女のその考え方で救われる方がどれだけたくさんいることでしょう。
現在のわのわ会の活動は、製造加工販売事業、喫茶・食堂事業、ボーダーレス福祉など多岐に渡ります。グループホームの運営や子供の一時預かりサービス、お買い物代行、ホームヘルプサービス…行政のサービスだけでは手が届ききらない、あとちょっと痒いところに手が届く、誰もが生きやすくなるためのサービス。
わのわ会がこの村を支えているからこそ、日高村の不思議な安心感、住みやすさがあるんだなと改めて実感しました。安心して住みたい町、のんびり穏やかに暮らせるまち、とっても理想ですね…
お母さんたちの温かな愛に包まれた日高村。いい町です。