ドアの死角と残り香と
こんな感じの隅っこにドアがあるタイプの部屋があるじゃないですか。
で、このドアって開いたら隅っこに死角ができますよね?ドア裏に。
今日ちょっとこの死角のところにたまたま用事があって、隅っこぐらしをしていたんですけど、そのタイミングで外側からドアを開けられちゃったんですよ。
で、開けた人が「死角に人がいた!」ってなったら、まぁそれはたいそう驚きますよね。
ほら、僕って外で知り合いに会っても相手に見つかる前に立ち去る技、スニーキングバイバイするくらい人見知りじゃないですか。
だから気づかれないようにしてそのままやり過ごそうとしたんです。
そしたらドアを開けた人が「あれ?」って言い出して。
こっちに振り向いて「ああやっぱり!あめすくんの匂いはするのに本人の姿が見当たらないから変だと思ったんだよ」って声をかけられました。
で、この話を聞いて、「うわーヤバい」と思いまして。
ほら、僕多汗症じゃないですか。
なので、子どもがおねしょでお布団に日本地図描くノリで手汗で湖作っちゃうくらい汗かいちゃうんですよ。
「うわー、汗臭かったかな」と思ってたら苦々しい表情をしてたら「柔軟剤みたいな匂いですぐわかりますよ」って言われました。
それを聞いて僕はホッとした気持ちと「あー、ちょっと懐かしいな」って懐古的な気持ちになりました。
*
というのも今使っている洗剤と柔軟剤は元恋人に教えてもらったものなんです。
まぁまぁ待ち給へ。言わんとしていることはわかります。
ストーカーっぽいとか未練がましいとかそういうことは自覚しています。
でも、その相手と付き合い出す前からその匂いがものすごく好きだったんです。
近くを通ったときは「あ、近くにいるっぽい」ってよく匂いで気づいていたんです。
付き合うようになって、洗剤と柔軟剤を教えてもらって以来そのまま使い続けて、今では完全に自分の匂いになってしまって認識しづらいのですが。
だからその匂いを認識してくれてるってちょっと嬉しいんです。
*
これからもちゃんと気持ちのいい洗濯をして。
昔、僕が残り香に気づいたように、いい匂いを残せたらなと思います。
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