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アンコールワット再来訪 その2

(2019.12旅行日記)

当日の朝は5:00起きという序盤からハードモード設定でスタートした。

朝6:00のセントレアへ向かう名鉄に乗り、今日はハネムーン振りの海外旅行となる60代のご夫婦(両親)をカンボジアまで連れて行くタスクを完遂せねばならない。

名鉄岐阜駅を出たあたりから稜線が明るみはじめ、朝日は中部国際空港へ近づくにつれて知多の夜空と下に広がる暗い海を徐々に照らしていった。
朝焼けの景色には途中「ヘルス」「熟女キャバクラ」といった夜の看板が目に入ったものの、ここは日本の片田舎なので仕方あるまい。

私達が搭乗するベトナム航空のチェックインカウンターは、想像を遥かに超えた混み具合だった。
この混雑度を比喩するならば、

「初詣」
「参勤交代」
「タピオカ人気店」

あたりを想像して頂きたい。予約者数が決まっていて、6つの窓口で対応しているのに、である。
場所はBというかなり端のほうのチェックインカウンターにもかかわらず、カウンター前でうねりながら並ぶエリアは全く役に立っていない。
最後尾は旅行会社カウンターどころか中央のエスカレーター付近にまで迫っていた。

荷物を預けられたのは、列から並びだして丁度1時間後くらいの9:00。
海外旅行は何度か行ったことはあるが、ここまで並ばされたのは初めてかもしれない。しかも私達が並んでいたのは集団の真ん中くらいで、搭乗開始が9:25なので、後続の人達はさぞかし肝を冷やしたことだろう。

並んでいる最中、添乗員付きツアーの旅行会社カウンターを横目で見ながら母は
「私らみたいな年代の、訳のわからんことやりだす聞き分けの悪い中高年とか高齢者連れて海外行くなんてすごいわ」
と呟いていて、それは自戒の念なのか私への労いなのかよく分からなかったので「だから添乗員が日本から連れてってくれるヤツは旅行代が3倍するんだよ。慰謝料、慰謝料‥」と添えた。

スーツケースを預け手荷物検査のところから搭乗口まで行き、粛々と搭乗手続きを済ませた。
途中、基本的に人の話を聞いていない父が自分の番になってから何をすれば良いのかわからず茫然としているシーンは幾つかあったが、なんとかなってきたのでよしとしよう。

今回、ベトナムのハノイを経由してカンボジアのシェムリアップという都市へ向かう。
ハノイでの乗り継ぎに許された持ち時間はただでさえ1時間なのに、私達がハノイに着いた時、この時点ですでに30分遅れていた。

ヤバイ、コレハ乗リ遅レルーーーー!

なるべく早く飛行機から外に出て、ハノイの乗り継ぎ入り口にいた無愛想なパスポート確認と靴まで脱がされるセキュリティーチェックを潜り抜けた辺りで持ち時間は残り15分。ゲートまで走った。
これは絶対飛行機に置いて行かれたと思い、空港のスタッフに次の便を探してもらうことを念頭に置いていたが、意外にもシェムリアップ行きの乗り継ぎ便は待っていてくれた。
というか、セントレアからの乗り継ぎが遅延してヤバイことになっているのを理解して待っていてくれていたので、急いで来た私達はかなり早くゲートに着いたようだった。

係の人はどちらかと言えば搭乗が遅れている韓国人を探しているようで、走る私に「Korea?」と聞いてきたのでJapanだと答えると「JAPANのお前は飛行機大丈夫だから行け」みたいな顔をされた。
飛行機の到着が遅れたセントレアJapan勢より深刻であったらしい韓国人は無事見つかったのだろうか?
いや、それより自分達の心配だ。飛行機が飛んでいなくて本当に良かった。

飛行機に乗り、何ご飯にカテゴライズされるのか全く分からない16:00のご飯を頂き、なんとか無事シェムリアップ国際空港に到着した。

10年前に比べると、空港は綺麗な施設に変わっていた。
前に行った時はもっと、共産圏というか戦後の名残のような軍部の香りがぷんぷんするところだったのに、今いるのはホテルのフロントのようなビザ申請場所(ただしビザ未申請がごった返す地獄絵図)の見える空港だ。

アクシデントといえば一点、入国の際に入国カードの他に出国カードも最初から書いておかなければならないところを怠った罪により列から離れた机で出国カード記入して列に並び直すという事件なら起こった。
出国までに書けばいいものだとタカを括っていたが、出国カードを入国の時点でパスポートにホチキスで止めるらしい。
止めるらしいもなにも、そういえば1度目は確かにそうだった。完全に失念していた。

2度目の入国のくせに、“そんなこと知るか”という顔をしてみたが、入国審査のオヤジは出国カードを見せて「カイテ(書いて)」しか言わない。
壊れたオモチャのように「カイテ」しか言わないオヤジ相手に勝ち目などないではないか。
諦めて列から離脱して出国カードを書き、また列に並び直した。直前にいる韓国人の団体さんがわちゃわちゃしてて時間かかりそうだが、致し方ない。

入国審査を通過して空港の出口を出ると、亜熱帯特有の湿気と熱気が押し寄せた。ああ、やっと着いたシェムリアップ。
ホテルまでの送迎は依頼したので、空港の出口に出られればこちらのものだ。
ただ、出国カードのロスタイムがあったので、もう私達のことは見捨てて混載の送迎車は先に行ってしまったかもしれないとも思ったが待っていてくれた。ありがたや、ありがだや、メンさんありがとう

さて、出国まで19:00で予約が取れなかったあのレストラン。
19:00に行ったが全然混んでなかったので19:00だろうが19:30だろうが大した問題ではなかった。
そしてマンゴージュースを頼んだら青いバナナの味が見え隠れした。なんなんだ‥

19:00だろうが19:30だろうがガラ空きのオシャカフェ
ザ・観光地

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