【ネタバレ有り】マダムウェブの感想【駄文です】
※2月24日(土)に追記、修正を入れております。
【前提】
・海外評価や試写会などで、評判が良くないことは聞いてたため期待値下げて観た。
・「不安だけど実際見なきゃわかんねぇよなぁ!!」という意気込みで観た。
・ネタバレ有り。
【この記事の趣旨】
ただの感想というよりは「ネットではこう言われてたけど俺は違うというか、こう思ったよ!」っていうのを書き記したい。
だからといって人の感想とか価値観を否定したり批判したいわけじゃない。
あと今日2月23日(金)見たあとに書き殴ったものなのでまとまってないです。
【感想】
おもしれぇじゃん!!!
いや、100点の映画じゃないけど面白いじゃん!!
ヒーロー映画っぽくないというか、アクションが多い訳ではないけど全体的にストーリーも纏まってて飽きずに見れたよほんとに。
全然高尚な映画じゃないし緻密な作品ではないけどキャラも良い。
ガバなところも含めて愛せる映画だった!!
【キャラについて】
・キャシー
今作の主人公。母親が自身を妊娠中、危険を顧みずに蜘蛛の研究に密林へ出かけたせいで死別。親の愛情を受けずに育つ。そのことに恨みを持っている。
現在は救命士として働いており、腕は確かだがいかんせん性格に難がある。
感謝を素直に受け取れなかったり、同僚であるベンから「未来を考えていない」と指摘されてたり、自宅で亡き母の写真を見つめていたりと過去に囚われてしまっている。
そんな彼女だが、予知で見た女子3人(以下、ガールズと呼ぶ)を守るために奮闘する。
ネットだとなんかサイコパスみたいな扱いを受けている。いや、おもしれー女なんだけど善性がしっかりと有るし言い過ぎだと思う。
確かにガールズを守るためなら何でもするし、全体的に暴走気味ではある。
しかしそれは何度も未来が見えていたのに上司を見殺しにしてしまったことから、今度こそは絶対に守るという強い決意に感じた。
まあその守るための方法が
・タクシーを盗んでガールズ3人を森に置いていく(3時間で戻るとは伝えているが)
・そのタクシーでダイナーに突っ込んでエゼキエルを轢く。
(あとその盗んで凹んだタクシーになんかずっと乗ってる)
・盗んた救急車でエゼキエルを轢く(2回目)
・花火倉庫に火を着けて爆発させる
とかなのでブッ飛んだやつなのは確かではある。
ただ結果としてエゼキエルから逃げるには車を盗むしか移動手段は無かったし、
監視システムが効かない森に連れて行くのも実際に有効だった。
ダイナーでガールズを救うには突っ込むしかなかったし、救急車の時もそう。
花火倉庫もエゼキエルから逃げながら対応するにはそれしかなかった(というか未来予知に従った)ので、
必要に迫られたから行っただけで倫理観が完全に狂っている訳ではない。
あ、すみません。盗んだタクシーのナンバーを外してそのままら乗り回すのはイカれてると思いました。
まあ、ペルーに行って母親のこと、真実を受け入れて過去を見つめ直すまでは、彼女は善なるヒロインではなく「助けなきゃいけないから助けている」という少し病的な責任感で動いてる人間でしかなかったんだろうなと。
そんな彼女が責任を覚悟し、大いなる力を得たマダム・ウェブとして覚醒するシーンはかっこよかった。CGは微妙だったけど。
その後の目を失い、車椅子に乗り、優しく微笑む彼女の姿は今作のエネルギッシュな姿が無くなっててなんか少し寂しさがありました。
もっとおもしれー姿が見たかったな………
・エゼキエル
今作のヴィラン。貧困層上がりでキャシーの母を裏切って殺した。
現在では奪った蜘蛛を何かしらに利用して大金持ちになってる。
しかし、毎晩自身がスパイダーガールズに殺される予知夢のようなものを見ている。
それが現実になる前に彼女らを抹殺することで平穏を手にしようとする。
特殊能力は高い身体能力と蜘蛛のように壁を這い回ったり爆弾投げたり、あと国家機密の監視システムを使って発見次第すぐ殺しにくる。
なんかネットだと這い回るだけの雑魚(笑)みたいな扱いをされているのが遺憾。
そりゃスペックを羅列したら
・壁や天井を這い回ることができる!
・20〜30秒近く触ってないと心停止させられない激弱毒を注入できる!
だからネタにしたい気持ちはわかるが
こいつシンプルな身体能力だけで人間の首とかへし折れるので、
ただの10代女子3人と30代女性(不安定な未来予知持ち)相手には十分すぎるほど脅威だし、
何より監視システムで見つけ次第爆速で駆け付けて殺しにくるのはめちゃくちゃ怖かった。
そこに2回も車で突っ込んでくるキャシーがヤバすぎるだけというか、覚悟決まり過ぎというか。
貧困時代だった過去の描写とかも映像になってないのでなんか薄っぺらい悪役に見えるが
「命の危険がある相手なら今子供であっても容赦なく追い回して殺す」という病的なまでの執着が良かった。
そして見ていた夢が予知夢ではなく蜘蛛の呪いだったのが良かったね。
・スパイダーガールズ(仮称)
ジュリア、マティ、アーニャ🥜の3人、
上記のエゼキエルから命を狙われるティーンエイジャー。全員親子関係に問題がある。
エゼキエルの悪夢にてヒーロースーツ姿で現れ彼を倒す。
全体的に反抗期なかわいい若者という感じ。
個々人の掘り下げは足りない気もするがキャラは自体はそれなりに立っていたと思う。
「テコンドー習ってるし…!」と格闘技やってますアピするも、威圧されるとすぐビビっちゃうリアルなダサさがあってかわいいジュリア、
ストレートのイキったガキ感を出しながらもムードメーカー的なマティ。口が達者でちょっと嫌味?なジョークを言う比較的常識人なアーニャ。
まあなんかキャシーが守るぞ!ってなるのも納得な愛嬌があるキャラだったと思う。
キャシーとの約束を破り、ダイナーで食事した結果、敵に見つかるのはマイナスだとは思うんだけど、そもそも食料がジャーキーしか無い状態で
見知らぬお姉さんに「3時間で戻るから待ってろ」って森に放置されて素直に待てるか…?
命の危機にあっていたとはいえ「こんなダイナーまでは来んやろ」と楽観視してしまうのは子供ゆえで許せる範囲だと思う。その後はさすがに反省して素直だし。
ただテーブルでダンスしてたのは描写として現実味無さすぎて微妙。酒でも入ってたのかよって思っちゃった。
ただ、ダイナーで食事してる時点で客から「行方不明者だ」と通報されてるのでダンスが原因で敵に見つかった訳じゃないからそこはフォローしておく。
【個人的に良かったところ】
・未来予知の演出
わかりづらいところも多々あるけど良かった。
・エゼキエルの襲来
既に書いてはいるがマジで少しでも監視カメラに映ると爆速で駆け付けて殺しにくるのが怖くて良かった
・キャシーとスパイダーガールズ
何よりも外見が美しい&かわいい過ぎる。
是非とも今後の作品でヒーロースーツ姿で戦う姿が見たくなる素晴らしいビジュアルだった。
【うーんと思ったところ】
マーベル初のミステリー・サスペンス
ではない!!!
ほんとにミステリーでもサスペンスでもない。
襲撃者がエゼキエルだった!!となっても
別にガールズどころかキャシーにとってもそんな重要じゃないというか。
キャシーにとっては、母親がお腹の中の自分のために密林に向かったという真実が大事であり、復讐がしたかった訳じゃない。ガールズも別に犯人が誰とかは興味無く、解決したいだけ。
なんでこんな広告なんだろうとしみじみ思う。
あと、描写含め別に緻密に作り込まれたと言う感じはなく、ガバい部分は多い。
・めちゃくちゃしっかり報道されてるのに警察が全然来ない。
・主人公が盗難車のタクシーを平然とニューヨーク市内で乗り回す。
・ガールズを匿っているであろうキャシーがニューヨークで活動してても全然監視してない。
・あげくペルーに行くのすら気づいてない。
(まあエゼキエルの部下の女性もガールズを監視しろとしか言われてないので…言葉通りではある)
・なぜか序盤の地下鉄で顔晒したせいで正体バレしたエゼキエル(他のシーンは基本スパイダーマン風スーツ着てるのに…)
などなど気になることは多い。
【総評】
それでも面白かった!!!
少なくとも「酷評されるような作品ではない」のは確かだったと言える。
キャシーが想像以上におもしれー女なんだけど、しっかりグッとくる描写も多くて良かった。
個人的には全然おすすめできる映画だったので少しでも興味あれば見てほしい。
そしてやっぱり人の評判を聞くこと自体は悪いことではないけど実際に見に行かなきゃ分からんなと改めて感じた映画でした…
【2月24日(土)12時過ぎに追記】
朝起きてから少し考えた。
キャシーのキャラクター性がヤバく見えるのは、
実際にやった行為(タクシー強盗など)がヤバいのはあるけどそれ以上に罪悪感の無さやなんか手慣れてる感があるからだ…
前述の通り不法行為そのものは必要に迫られてやった仕方ないことなんだけど、
それに対して「タクシー盗んじゃった…(仕方ないけど)ダイナーに突っ込んじゃった…」みたいな後悔を一度も描写してないからサイコ呼ばわりされてしまうんだな…
澄ました顔でナンバープレート外すしな…
ただ、劇中で完璧な人間性を持った正義の人としては描かれていないのである種意図的かなとは思う。
「私はまともに育った」というキャシーに対してマティが「ほんとに?」って聞いてたりしたし(そして言い返せないキャシー)
そもそも子供からの感謝を受け取ることすらできない、過去に囚われた空っぽ人間がガムシャラにガールズを助けただけというか。
『責任感を持って正義感でガールズを守る』
ではなく、
『未来が見えたから咄嗟に助けた。見捨てられなかった』
だったと感じる。
キャシーはエゼキエルから逃げ切るたびに
「親へ引き渡す」「警察へ引き渡す」という判断になる。
いやまあ一般人が子供を保護したら上記の思考になるのは当然なんだけど、その引き渡した後は『特に関わるつもりがない』のが透けて見えていた。引き渡して終わりというか。
「未来が見える私が守る!」とならない辺りただの模範的な正義のヒーローの心では無いのかなぁと。考え過ぎかな……
【余談】
今回、前評判がボロカスに言われ過ぎて意図的に、好意的なレビューとして書いてしまってる感じもする。
しかしながら個人的にはこう思った!というの記すことができたかな。