合宿免許所での話

仮免の技能試験の試験官の話

自動車学校に入校するとまずは仮免許を取得し、そのあと路上での教習を経て正式に免許を獲得する。仮免許がなければ路上教習に進めない。

仮免の試験には学科試験と技能試験の二つがあって、学科は単なる常識テストで、授業ある程度聞いて落ち着いて考えればまず落ちない。問題は技能試験。これは隣に教官を乗せて教習所内の指定されたコースを走行するもので、回ってる間にミスがあると減点されていく。安全確認とか、ウィンカーとか、スピードとか・・・

教官はルート案内役も兼ねている。回るルートは試験の1時間前くらいに配られるんだけど、事前運転とかができるわけでもないから忘れたりする。あれ、ここ左折であってたっけ?そもそも曲がるのってこの次の交差点だったような?そういうときにそなえて教官がガイドしてくれる。「次~~で左折」みたいな。

自分は運が悪かった。教官が採点と道案内だけしてくれていればよかった。別に社交性とか楽しい会話とかまでは要求しない。あんまり楽しく会話しても緊張感なくなってミスが起きやすくなるし。ただ黙って道案内だけしていただければ十分も十分。けど、自分の当たった教官は本当にひどかった。

余計な叱責をかましてくるのだ。「怖くて乗ってられねえ」とか「だぁいじょうぶかおめえ」とか「目ちゃんと見えてんのか」とか。叱責のきっかけは正当だった。俺が安全確認を怠った、俺が車を寄せすぎた。それに対しての指摘なら喜んで(喜びはしないかも)受け入れる。はい、安全確認をもっとしっかりすべきでした。ただ、上のような「余計な一言」ははっきり言って邪魔だった。まずシンプルにいい気持ちがしないというのが一つ。あと、こういうこと言われるとアタマのメモリがそっちの対応に使われちゃって、集中できなくなるのだ。余計なプレッシャーかけられると、「怒らせないようにしなきゃ」とか「次の交差点でもどやされるかもしれない」とかが嫌でも頭に浮かんでくる。すると当然その分運転には集中できなくなるし、ミスしやすくなる。合宿免許で仮免がとれなかったらその時点で延泊確定なので、なんとしても受からなきゃならなかったなかで、こういう状況になったのは非常にきつかった。

逆境に強いタイプの人はこういう相手に「なにくそ!」と奮起して対抗できるのかもしれないけど、ざんねんなことに自分はプレッシャーにすこぶる弱くてこういうことを言われるとガンガン気にしちゃう。うっ、すいません、気を付けますからどうかおこらないでください・・・がんばるんで・・・

気にしないようになりたい。「黙っててもらえます?」とか言いかえしたい。

なんだかんだ仮免には合格してたからよかったけども、気分悪いし気に入らない。でも受かったので慈悲(見下し)の気持ちで許してあげている。

しょうがないよね。自動車教習所の教官なんて、自分の得意分野で初心者狩りするようなもんだもんね。人生のほかの部分でなにか自信が持てるものを持てない人にとっては、初心者狩りしてないと自分のプライドが保てないんだろうな。都会と違って、田舎は物事がシンプルな分評価軸も少ないから、どれにも勝てない人が出てきちゃうのはしょうがないことだよ。うんうん。いやー、僕が叱られるくらいで教官様の自己肯定感が高まるならよかったです!!これからも初心者狩りなさってください。くそが。