「日本を好きでいてくれますか?」のモヤモヤ
昨日、日本で暮らす外国人の家族をテーマにした番組をみた。
その番組の核となる問いがあった。
「まだ日本を好きでいてくれますか?」
なんだか違和感をもってしまったのだ。
その問いを彼らに投げることが。
ブラジル出身のお母さんとカフェ。
実は、その番組で出演していた方は、私も番組でご一緒したことがある。
ブラジル出身のシングルマザー・Vさん。
25年前に日本にやってきて、小学生の2人の子どもを育てるシングルマザーだ。
職業は、スクールカウンセラー。外国ルーツの子どもや保護者が、学校で過ごしやすくなるために日々奔走していた。
さらに、自宅を改装して、週2回ブラジル料理のカフェを開いていた。カフェは、子育て世代の地域のお母さんがちょっとゆっくりできる場所になっていた。
ものすごくパワフルで、ほんとうに誠実に人と向き合う姿は、ただただかっこいい。そこに、国は関係ないと思う。
「同じ人間やから」
それが彼女の口癖だった。
ネパール出身の高校生とラップ。
2年前、大阪勤務時代に「外国ルーツの高校生」の番組を制作した。
そのときに、高校2年生のネパールのNくんと出会った。
彼は、小学4年生のときに親の仕事の都合でやってきた。
学校になじめない頃、親に連れられて、近くの老人施設でボランティアに行っていたそうだ。
故郷が遠いお年寄りといっしょに演歌を歌って、日本語を覚えたという話しを聞いた。
そんな彼も現在では大学生。自分の夢に向かって頑張ってる(はず)。
韓国人ラッパーが、高校生たちのことをラップに書いた。
「日本を好きでいてくれますか?」
現在、日本で生まれる1年間で生まれる赤ちゃんのうち、
27人に1人は外国にルーツのある子どもだそう。
日本で子育てに奮闘するお父さん、お母さんもいっぱいいる。
親の仕事の都合で日本にやってくる若者も多い。
みんな、今、日本という場所で、自己実現できるようにそれぞれ生きている。それだけでいいんじゃないのか。
「日本を好きでいてくれますか?」ってどういう線引きなんだろう。
ふだんからその番組見てないから、
ずっとその番組を見てたらその真意は分かるのだろうか。
なんでそんな質問するんだろうかって、疑問に思うことさえもまたおかしなことなのだろうか。