見出し画像

そこに人がいたという事実

昔の建物が割と好きだ。
江戸時代から昭和中期の建物が移築されていたりすると、ロマンを感じてしまう。
そんな私にぴったりの博物館が、実は、東京都小金井市にあったりする。

江戸東京たてもの園

現地保存が不可能な、歴史的価値が高い建造物をそのまま移築してくれている、私にとっては夢のような施設。都立小金井公園内にある。
数年前に、東京へふらっと遊びに行った時に存在を知って、翌日には朝から電車に飛び乗って向かっていた。代々木から新宿で乗り換えて、武蔵小金井駅で降りて、バスを使った記憶がある。たぶん中央線に乗ったような。

小金井公園どころか、そもそも武蔵小金井あたりにくることがなかったわけだけど、それでもあまり地図も見ずにたどり着いたのはたぶん、私がタイプ:ワイルドだからでしょうか。いいえ、ただ単に無謀の先で奇跡を掴んだだけです(意訳:いつか遭難しそうだから地図は見なさい)

受付で入場券を買って、わくわくしながら中へ。どうやら時代別にエリアが別れている様子。うーん、最高じゃん!?と、珍しくハイテンションで意気揚々と歩き出す。中に入れる建物も多く、撮影OKな箇所も多い。やっぱり最高ですよここ。やばい。

銭湯だって入れちゃう。当時のままの状態。貼られてる張り紙だって当時のまま。
こんなの、アサツキさんの心がオゾンより上に行っちゃうし黄金に光り輝くしかない。

ちなみに、西ゾーンの復元建造物『デ・ラランデ邸』はなんとカフェにもなっているため、邸内及びテラスで軽食やデザートが楽しめてしまうのだ。
スタッフさんのユニフォームもちゃんと洋館という感じの、あの雰囲気…給仕って感じのあの服です(どの服だ)

あと、都電7500形が展示されていて、こちらも車内に入れるし、広告などは当時のまま保存されている。ロマン詰まりすぎでは?

時間帯がちょうどよかったのか、ボランティアの方による「桜湯」の無料サービス(しかも解説付き)までいただいてしまったり。結婚式とかで飲む、塩漬けにした桜の花を浮かべた湯ですね。
そのまま建物の解説までしてくださったり……。ちょっとまってこれ入園料もっと払わせてください。贅沢すぎるわ。一般400円でいいんですか?もっと払ってでも行きたい……。
ボランティアの方々も、歴史が大好きなんだろうなということが伝わるので、とても楽しませていただきました。生きてる中で、昔の建物にある、いわゆる出産部屋みたいな場所を見て、当時の出産風景について触れることなどなかなか無いと思います。

本とかで見るだけじゃ、どこか異世界のような、現実じゃなくて空想の中にある建物のような気がしてしまうけど。
実際に入って、眺めて、話を聞いて。そうやって『そこで生きていた人たち』の存在を感じる。
そういう体験が、私にとっては凄く嬉しいこと。
だから、建造物めぐりはやめられない。

次はどこで、人の営みの流れを感じようか。そんなことを考えながら生きるのが、ここ数年の、日々の栄養です。
人が、生きて紡いできた沢山の糸の先に、私もいるんだなぁ。
そう思うと、ちょっとだけ自分の鼓動が好きになれる気がするよ。

いいなと思ったら応援しよう!

アサツキサキ
サポートしていただいた分は、言葉のお勉強や絵のお勉強の書籍入手に役立てつつ焼肉が食べたいです。