選挙に対して感じていたモヤモヤの言語化と解消案


まえがき

本記事は、特定の選挙や個人に関する内容を含みません。
選挙という制度全体について、一般素人が好き勝手浅い妄想を振り撒きますが、もちろん種々の事情で実現しないことは織り込み済みなのでご安心?ください。


「選挙」で何を選ぶのか?

選挙の対象、ちょっと調整しません?
というのが今回の結論と提言。

「やりたいこと」と「実際にやること」は別モノ

そんなのあたりまえじゃん、が通用しないのが人間というナマモノ。
概念上、政治家の方々は「民意の代弁/代行者」のような位置付けかと思いますが、それが実体を持って機能していると確信できる人が果たしてどれだけいることやら。
その乖離を生んでいる要因は、これまで伝統的に続けてきた選挙の進め方にあると感じています。

選挙者は通常(or理想的には)、候補者が掲げる理念や信条「らしき」ものに共感した場合に、その候補者へ投票します。
そのため、候補者は口々に「私が当選したらこんな政策を実現します!」と主張していますが、ここに重大な欠陥があります。

……はい、そうです、その人が当選しても「実現」しないことが多々あるんです。
事情があって実現(しようとしても)できない、ならまだマシなんですが、意図的に実現していないという冗談みたいな状況も見受けられます。
そりゃあ候補者だって立候補したからには当選したいので、嘘をついたり多少話を盛ったりします。
無事当選したら楽をしようとしてサボったり、環境が変わったことでもっとやりたいことが見つかって暴走したりします。
よくはないけど、ニンゲンってそんなもんです。
だから有権者たる一般市民たちは(同じニンゲンのくせに)怒るし呆れるし、政治家に対する信用を落としていくわけです。
へいしり、これってみんしゅしゅぎ?

「やりたいこと」と「実際にやること」は別モノです。
選挙が人間を選択する仕組みとなっている以上、候補者は(たとえそれを理解していても)両者を混ぜこぜにした主張をすることになります。
どうやらこれが自分の感じていた「モヤモヤ」の正体みたいです。
なら、両者は区別したうえで、なおかつ両者が合致するようにしたい……
イッタイドウスレバイインダートッテモムズカシイゾー

じゃあ別々にしようぜ!

困難は分割しましょう。
疎結合はいいぞ~
というわけで方針ドン!

  1. 選挙の前に「やりたいこと=政策」を公募し、有権者は所属する国家/自治体の維持繁栄に必要だと感じる政策に投票する
    便宜上「投票」としてますが、アンケート形式のほうが回答しやすく、かつ民意を反映しやすい。
    外交、災害対策、etc…といった形で分野を区切り、時事問題なども取り入れつつ、いくつかの選択肢から良いと考えるものを選択させる。
    投票所に設置された端末からのみ回答可能で、期間中は何度でも修正可能とする(設問数が多くて長くなるので、ちょっとずつの回答もできるようにする)。

  2. 1の投票期間中、一部または全部の政策について、候補者は「どのようにそれを実現するか」を主張する
    もちろん「この政策が人気だけど、かくしかな理由でこっちが急務なんだ」といったアピールもあり。
    大多数の有権者は政治素人さんなので助言してくれる有識者がいてくれると心強い。
    このタイミングで考えが変わって1の投票先を変更してもOKで、それはそれで候補者の思いが有権者を変えたということで数字に現れるはず。
    ちなみに1のアンケートは各候補者も実施する。
    ただし、回答理由も併せて明示する必要がある。
    全候補者の回答は、特設サイト等で公開される(比例代表制においては政党単位でも同様に対応)。
    簡単に言うと政治的ステータスの比較ができるようにする。
    むしろなんで今それができないんですかねー?

  3. 1の結果を先に公表する。有権者は、1で多くの票を得た政策に対して「最も実現性が高くなるような」被選挙者に投票する
    ここの投票方法は現状と同じでOK。
    (IT活用して職員の負荷下げてあげてとは思うけど)

民主主義の国にいるんだから、みんながもっと直接的に政治をどうするか考えて決めていこうよ、というお話です。
目的地と交通手段は決めるから、運転は任せる。
こうすることで、有権者と候補者の関係性は、「代弁/代行」から「委任」にシフトします(※)。
これで政治への興味や有権者としての責任感も自然と強くなるんじゃないでしょーか(無責任)。
ついでに「言ってることはイイけどこの人はなんかヤダ!」みたいな、属人化による弊害あるあるも防げます。
※建前が実態に近づくということです。本気で「代弁/代行」されてたらこの国もう潰れてるって。人間は責任転嫁とサボタージュが主食の生き物だってばっちゃが言ってた。

方針1で人間と政策を切り離していることで、最近話題の「若者の選挙離れ」もいくらか改善されると思ってます。
選挙に行かない理由の一端である、「票を入れたいと思う政治家/政党が存在しない」に対して、「やりたい/やってほしいことだけでも選挙に参加できるよ!」という提案ができるからです。
「そもそも選挙行くのめんどくさい」については……どちらかというと教育とかシステムの領分のような気がするので、ここでは目を逸らしていきます、はい。

副次的な効果として、候補者たちの演説で、国政においてはどーでもいいこと(例︰与党のアラ探しと責任追及)をピーチクパーチク喚く場面が少なくなるかもしれません。
方針2, 3によって、敵対勢力をsageる言動が票の獲得に繋がらなくなるため、ですね。
現在は「候補者が何を主張すれば当選しやすいか」が明確でなく、そこに戦略性が発生していますが、投票する側はレベルやベクトルの異なる内容を比較するハメになるので、結果が出ても納得感を得にくい状況になっています。
政策を先に選ぶことで、候補者と有権者は必然的に政策の実現性へと焦点を向けることになるため、誤解を恐れずに言えば「候補者の順位付け」を同じ尺度でできるようになり、納得感を得やすくなります。
何がダメかより何をやるかで自分を語れよ!!! って感じで選挙のたびに辟易としていた方のストレスも、これでいくらか緩和されそうです。
政治家/政党だけでなく、選挙自体のマイナスイメージを取っ払うのも、投票率改善に必要だと思いますです。

選挙後も やることあるよ わたしたち

ごま蔵心の一句。
ともあれ、民衆は、当選者が上記方針1で選ばれた政策が正しく実現されている(orされようとしている)ことを監視する責任が出てきます。
個人がどうこうするのは難しいので、民間の監査機関を用意するのがよさそうです。

※この監視については、個々人の上記方針1, 3での投票先とは独立しているべきなので、第三者機関を立てる意味合いもあります。ただ、為政者側で設置するのはダメ、ゼッタイ。あくまでビジネスとしてドライにやるべきです。民間は民間で、お主も悪よのぅ案件が起こり得ますが……

どうやって政治の妥当性を確認するか、については基準が必要です。
その基準は主に、透明性の確保に繋がるものになると思います。
みんな大好き使途不明金がないこと、みたいな。
各種判断について適切な理由が文書として残されているか、みたいな。
政治だって(機密の取り扱い難易度は跳ね上がりますが)ビジネス観点では仕様書書いたり実装したり各種関係者と調整したりするのと変わらんです。
なんで法規のアセスメントくらい厳しくていいと思います。
その代わり、多少お給料高くても許したげてください、やる人いなくなっちゃうので……

少し話は逸れますが。。。
人は他者について知らないことがあるとき、その相手を恐れます。
ゆえに政治には透明性がなければなりません。
政治は敵ではなく、自分たちのためにあるものですから(後方リンカーン面)。
これは、透明であるべきというより、民衆が政治を為すのだから初めは透明であって普通にしてれば濁らない……ということです。
水清ければ魚棲まずと言いますが、濁りをもたらすのは自然の多様性であって、人為的に不純物を混ぜろとは言ってないんですわ。
なので、候補者が「透明にします」と訴えている状況は本来悲痛なものであって、逆にこれを嬉々として主張している人はあまり信用できないなーと感じます。
(このへん後述の否定の話にも若干繋がります)

選ばれし、選ばれなかった者たちの役割

誰だよって感じですが、まぁ日本国政府でいう内閣とか、東京でいう都知事とか、そういう人たちの下にいる政治家さんたちのことです。
選挙で選ばれたけど、有り体に言えば実現する権利を持たない立場の人たち(野党とか)が、議院でどうしていくか。
人数的にもこういう人たちがある意味一番重要で、難しい+忙しい役割を背負ってもらうことになります。

  • 政策を実現する上での懸念事項と対策案を提示する:
    為政者さんたち、政策の遂行に夢中になって、うっかり大きなリスクを見逃したり、反対意見を放置したりするおそれがあります。
    そのへんを俯瞰的な立場からサポートしてあげる人が必要です。
    自転車乗る練習している子どもたちを見守るような目をしていてほしい。
    我々は優しい世界を求めてます。

  • 選挙時にマイナーだった政策についてフォローする:
    基本的に上記方針1で票数が多かった順に実現優先度が決まるので、票数が少なかった政策は後回しにされます。
    為政者さんたちはたぶん余裕がないので、(実現する/しないを含め)どのように対応するのか代わりに考えてあげよう、という感じです。

  • 情勢を注視する:
    為政者さんたちにとっても責務ではありますが、余裕がなくて政策実現の観点になりがちなので、そのあたりをカバーしてあげます。
    そして必要に応じて、政策実現の優先度調整や、緊急で対応すべき案件を提言します。

  • 民衆の窓口になる:
    選挙以降も、民衆が政治に口出しできる機会を維持することが目的です。
    為政者さんたちはたぶん余裕が以下略。
    よって、個人や法人から気づきや提言を受け入れる必要があります(前述の監査機関とは別枠)。
    政治家グループがなるべく広い界隈とコネを持てている(そういう界隈があることを知っている)状況が望ましいですが、選挙によってどうしても偏りが出てしまうので、その穴埋め手段にもなる窓口は必須です。

  • 為政を学ぶ:
    たとえば与野党の構成で与党が長寿命になったとき、野党側の為政ノウハウが失われていきます。
    選挙では上記方針3によって「実現性」を重視して選ばれているので、その能力が劣化するのは避けなければなりません。
    なので、野党側の人にも一部運営に入ってもらいます。
    個人的にはあんまり好きじゃないですが、いわゆる「おーじぇーてー」ってやつです。
    トゲトゲしいのも嫌ですが、一応これには監視目的も含みます。

さて、いろいろ書きはしましたが、実は書いてないことが一番大事です。
「議論相手を否定すること」「議論自体を拒否すること」はお仕事に含まれません!
ん? 今どき小学生でも習っていそう? それってつまり小学生がもっとも先進的ということでは?
学のない小生が愚考しまするに、上記方針1によって民衆の要望が政治家から独立しているため、政治が正しく政策を実現する方向に進んでいる限り、議論中に相手の否定が起こりにくくなります(願望)。
また、立場は違えど目的地は揃っているので、建設的な議論が発生しやすく、故意に議論不参加を選択するメリットもありません(願望)。

与党野党の話が出たので最後にもう一つだけ。
政策ベースの選挙は政党の役割にも影響してくると考えています。
政党ごとにこの分野が得意、という観点で強み弱みが明確化されてくるため、例えば比例代表制の選挙では時勢に応じた政党が選ばれやすくなります。
実現能力が投票数に直結するようになるので、政治家たちが同じ政党に集う理由が、政治思想や打算的なコネから専門分野の近さに自然と変わっていきます(大学のような組織になる)。
※上で挙げた比例代表制自体のあり方についてはノーコメントです。本記事では「政策への投票」を除き、なるべく今の選挙方法を変えずに済むようにという方針でアレコレ考えてます。

緊急クエスト:卵を鶏にせよ

さて、結構よさげに「政策への投票」という転回をアピールしてきましたが、現状でコレをそのままやっちゃうと、衆愚政治まっしぐらです。
だって政治知らないもん!ドヤァ
政治家のたまご状態のみんなが好き勝手言ってたら、下手すると一瞬で国が瓦解しかねません(※)。

※投票した政策の実現にあたって負の副作用が発現した際に、投票者が引責するというリカバリ策が取れないため。
有権者はそれを本能的に感じ取って、目先の利益にしかならないようなことも無責任に言い放ちます。
(上記方針1に設けている制約はそれを懸念したもの)

バッドエンドを避けるためには、先んじて国民のみなさまに「『本当に国を良くするために何をする必要があるか』を考えるための手法」を教育する必要があります。
どのようにして検討に必要な情報を入手するか、ある政策を実現したときにどういった方面に影響が及ぶか……などなど、現代社会や政経の授業では手が届かない、より実践的な内容になるでしょう。
(ついでに年末調整とか起業とか株のやり方とかも教えてほしいなって)
めんどくせーと思った人もいると思いますが、「政治に参加する」ってそういうことですぜ(強い自戒)

とはいえ、必死に勉強して造形を深めたとしても、例えば国防上の影響などを鑑みて公にされない情報もあります。
つまり、投票可能な立場にある限り、正しい判断をするための前提条件を満たすことができない、ということです。
まぁ何をもって「正しい」とするのかは諸説あるというか、何年も先に評価されることになる(その評価もさらに長期的には覆るかもしれない)ので、難しいところではあります。
ただ、少なくとも、秘匿されるような情報はそれ一つで政策の評価を逆転させる要因ともなり得るため、「政治に参加する」以上は決して無視できないファクターです。

そのため政権側は、機密情報を隠した上で国民に「より良い」判断をしてもらえるように、公開する情報の取捨選択と提供方法を吟味する責務を負います。
それはまた、政権交代が発生したときの変速ショックの緩和にも繋がるでしょう。
ここまで説明してきたことが上手くいっているなら、たとえ「やりたいこと」が変化しても、国民が適切な方針と「実際にやる人」を指し示すことができるはずだからです。
だからほら、正方向のPDCAサイクル、政治の世界でも回してこ?

オチ

なし。
ほうれん草の胡麻和え食べたい。


あとがき……に見せかけた言い訳

正直なところ、初っ端からこんな記事を上げるつもりはありませんでした。
本記事に関してはおおよそ以下のような事情があって、自分の考えをアウトプットする場があってもいいなと思っていました。

  • 普段政治的な話をする人がいない(というより仲がいい人とそういう話をしたくない)

  • でも無関心というわけではない、ということは証明できるようにしたい(選挙行きました!だけだとどれくらい考えているのかわからない)

  • 無関心ではないので、選挙関連のニュースを見たり、実際に選挙に行ったりするときに、「妙だな……」という気持ちが燻っていた

2024都知事選が謎に盛り上がっていたのを期に、ちょうどいいサービスないかなーと出会いを待っていたところ、偶然が見かけたのがnoteさんという方でした。
告白しなくても会員登録だけで付き合ってくれるのいいですよね。
……要は、第三者の管理環境下に思考の断片を保管しておきたかっただけなので、不特定の誰かの目に触れることについてはあまり気にしてないです。
(そもそもテーマ的に見る人いないでしょと高を括ってます)
あとマジメな文章書くとアレルギー反応起こすんで、稀によくIQが下がります。
結論。
読みにくい記事になってたらごめんなさい><
たぶんきっとたまに見直します。
次はもっと気楽なネタにしたい……


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