くがるがさんに読んでほしい本のプレゼン!

このnoteは「くがるが」さん(@kugaruga)に宛てた私信です

配信で仰ってた、

  • ジャンルはミステリーかSF

  • シリーズではなく1冊で完結

  • 伏線回収、シチュエーション固定型の短編などが好き

という条件からミステリ2作&SF2作を選んでプレゼンします。既に読んでたらご愛嬌!

ミステリ編

たくさんあり過ぎて難しい!既に読まれてる作品も多いだろうし…。
とりあえず最近出た作品の中から「伏線回収」に的を絞って二作!

六人の嘘つきな大学生

『このミステリーがすごい! 2022年版』国内編8位の作品。
有名企業の最終面接に残った6人の学生。彼らにはそれぞれ隠し事がある中「グループディスカッション」をする事になり……。という内容。
どうです、マーダーミステリーのシチュエーションっぽくないですか!
そして何より伏線回収のオンパレード。きっとくがるがさんも気に入って頂けるはず。

medium 霊媒探偵城塚翡翠

色んな賞を総ナメした作品。刊行当時の帯に書かれたキャッチコピーが「すべてが、伏線」だけあってそういうのが好きな人にはたまらない作品です。
続編が出てはいますが、この1作で物語は完結してるので問題無しです(僕も続編は未読です)。
これ以上は何を言ってもネタバレになるのでここまで!

SF編

1作完結でSF基礎知識…..と言うと「たったひとつの冴えたやり方」みたいな有名古典がまず浮かぶけど、何かそういう方向性じゃない気もする……う〜ん……と悩んだ結果、最近出た読みやすい作品と、有名古典から1作ずつ!

最後にして最初のアイドル

「星雲賞」(SF作品の人気投票みたいな賞)2017年短編部門受賞作。
表題の「最後にして最初のアイドル」他2篇が収められています。
タイトルからも表紙からも「これがSF?」と思われるかも知れませんが、れっきとしたSFです。「ある意味SF」とかそういうチャチな次元ではなく、物理学・生物学を下地にしたハードSFです。

おすすめポイント
くがるがさんは「SF基礎知識を吸収したい」という動機もあるみたいだったので、SFによく出てくる概念・用語が散りばめらてる点ではこの作品(の表題作)はうってつけかもです。
そして何より、物語の「惹き」が良い!冒頭1ページ目から引用します。

 これは一人の少女が最高のアイドルになるまでを描いた小説である。その主人公、古月みかは架空のキャラクターにすぎない。にもかかわらず、ここに書かれていることはすべて真実だ。
 宇宙とあなたの存在は、この小説の主人公、古月みかに端を発する〈アイドル〉により大きく左右されることとなる。
 あなたはこの小説を丹念に読まなければならない。古月みかを応援し、共感し、自己同一化して読まなければならない。
この小説を最後まで読み、理解したならば、あなたはひとつの使命を帯びていることに気づくであろう。
 これは、他でもないあなたに向けられた文章だ。

「最後にして最初のアイドル」(ハヤカワ文庫JA)Kindle版 位置12/3877から引用

どうです?ワクワクしませんか??短編なのにこの大仰な前フリ。

おすすめしづらいポイント
・SF頻出用語が散りばめられてるとは言うものの、特にその用語が詳しく解説されているわけではないので、気になる用語は自分で調べる必要があります(もちろん調べなくても楽しめます!)
・物語としては、万人にお勧めできるハッピー!爽快!な物語では決して無いです。ネタバレにならないよう書くのは難しいですが、途中、不快な気持ちになる可能性があります

星を継ぐもの

月で宇宙服を来た人間の遺体が見つかった。しかしその遺体は5万年前に死んでいた。月なのに何故!?――という謎の提示から始まる作品。有名作なのでご存知かも知れません。
最近の「三体」ブームの中、三体と比較される事も多いハードSFです。
一応「ガニメデの優しい巨人」など続編が出ているのでシリーズものとも言えるかもしれませんが、物語としてはこの1作できちんと完結しています。

おすすめポイント
・謎解きが主題なのでミステリー好きにとってはとっつきやすい
・読み終えた時の満足感と納得感

おすすめしづらいポイント
・やはり古い作品(1977年刊行)かつ翻訳作品なので、持って回った言い回し等の読みづらさがあります。くがるがさんならもしかしたら原書(英語)版の方が読みやすいのかも?
・面白くなるまでが長いです。また全編通してちょっと冗長と言うか、「もうちょっとこれ圧縮できたんじゃないかな〜」という印象を個人的には受けました


くがるがさんに読んでほしい(そして感想を聞きたい)作品は無数にありますが、たくさん書いても仕方ないので一旦ここまで!


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