着ぐるみ界隈に『所属する』ということ~界隈に所属するきっかけから、今現在思うことをまとめてみる。
はじめに
普段ここにはTRPG関連の記事しか掲載していないのだが、最近色々着ぐるみ界隈に関して色々意見を見るようになったので、ここら辺で一度自身の考えなどをまとめてみようと思う。
注意
筆者自身が着ぐるみ界隈に入り、今現在に至るまで
界隈の大海原へ
筆者(以降は見出しを除き俺と称する)が着ぐるみ界隈に入ったのは、今から11年ほど前。
3.11を乗り越えようと日本が奮闘している2013年の4月末。
福岡の某所で開かれたファーリンクというイベントに参加したのが着ぐるみ界隈に入ることになったきっかけである。
これより前から俺はケモノ界隈に一応所属しており、着ぐるみという存在を少なからず知っていた。
どういう縁でこのファーリンクというイベントを知ったのかは忘れてしまったが、写真と記憶が残っているので参加したという事実は変わらない。
そこからしばらく、俺はイベントに行くことはなく大学を卒業し、地元へと戻って色々燻っている中で2014年におきけもという地元イベントに参加したことをきっかけに俺は各地のあちらこちらのイベへ撮影勢として出向くようになった。
獣化体験の機会
着ぐるみ界隈という大海原に船出して、3~4年も経過すると一つの感情というかなんというか、こんな気持ちが芽生えてくる。
そう、『自分のキャラを持ちたい、自分も獣化してみたい』という感覚だ。
だがキャラを持つということはそう簡単なことではないし、かと言って人にキャラを貸してというのもかなり難しい話だ。
なので、キャラに触れ合ったり撮ったりすることでそれを抑えてきていた。
そんなところに、一つの転機が訪れる。
2016年12月中旬頃に行われたちばけもである。
そこで俺は、獣化体験なるものの機会を得た。
確かつくねという鳥キャラだったと思う。
自分じゃない何かになりたいというのは、戦隊物などを見ていた者ならば一度は思うはず。
それを大人になってまで引きずった結果がコスプレだったり着ぐるみだったりになると俺は思っている。
当然、自分じゃない何かになる感覚に興奮したし、思わず人をバシバシ叩いてしまってアテンドしていた人に怒られた。
あの時は正直すまんかった。
だがここから一層『キャラを所有したい』という気持ちが膨れ上がったのは間違いない。
キャラを持ちたい!じゃあどうするか?
この当初(2016年~17年辺り)で俺が知っている範囲で着ぐるみの製作をやっていたのはアトリエあまのじゃくとK-LINEくらい。
K-LINEについてはこの頃からデザイン持ち込みでの制作は行っておらず、自前のデザインのキャラのみを販売していたと言う記憶がある。
となると消去法でアトリエあまのじゃくしかないわけだが、当初の俺は制作依頼の相場があんまり分かっておらず「まあ30万くらいあれば行けるんじゃね?」というくらいの考えしかなかった。
そんな中で、俺が着ぐるみにしたいと考えていたのが―――
\2尾/\翼/\額に石/
出たなデザイン複雑化三兄弟!
そう、自分の創作キャラであるカーバンクルのフィルスを着ぐるみキャラとして現世に降臨させようと計画したのである。
今思えば、こんなデザインが複雑なキャラが30万そこらで行けるわけ無いだろとしか思わないのだが。
俺は意気揚々とアトリエあまのじゃくに見積もり依頼を出した。
そして返ってきた見積もりは、中古車が1台買える額(※)であった。
※いくらかは忘れてしまったし、覚えていたとしてもその具体的な額を公開するのは色々問題になりかねないので、たとえおおよその額であっても伏せさせてもらう
見積もりの返事が帰ってきた時は、もはや笑うしかなかった。
「HAHAHA!おいボブ見てみろよこの見積もり!もう笑うしかないぜ!」状態である。
当然ながら断念したわけだが。
その後、また別の個人に依頼をするのだが、俺の計画性の甘さが災いしてそちらも既に入金した金をキャンセル料にして断念。
以降3年ほど空白期間が空き、再び個人に依頼するチャンスが到来する。
ついにキャラを持つ時来たる(最終的に3人所有)
その人と出会ったのは、2020年2月のちるこん(※)。
なんか色々あって相互になり、その中で制作受けてもいいですよと話を持ちかけられる。
こちらも詳細な価格は伏せさせていただくが、俺の賞与1回分あれば十二分だった。
※2024年現在、俺は行くイベントをこのちるこんとおきけもに絞っており、他のイベントは色々都合が合えば行く状態。
そして記念すべき1人目の所有キャラが―――
そう、フィルスである。
俺の創作キャラにして、ファーソナでもあり、代理キャラでもある。
これをきっかけに、俺は次なる創作キャラを依頼すべく動き出す。
ちなみに2人目は―――
フィルスと同じカーバンクルのイファルシアだ。
なぜここまでカーバンクルにこだわるのかは、単に現世降臨させたいキャラの種族がそうだっただけの話。
俺の進撃は止まらなかった。
さらに賞与を注ぎ込んで同じ人に依頼をし、今度は違う種族を依頼した。
司書竜、すなわちドラゴンであるマフェルリティアだ。
なお、マフェルリティアを最後にキャラは迎えていない。
もうこれ以上キャラを居候させる場所がないからである。
そして俺は現在に至っている。
行けるイベントに行っては撮影し、時にキャラを出して。
そして今現在、筆者が着ぐるみ界隈に居て思うこと。
筆者が、界隈に居続ける理由
流石に11年近く着ぐるみ界隈に身を置いていると、否が応でもいろんな話題を目にすることなる。
キャラを迎えました、こんなイベントやってます、こんなイベント参加してます、こんなキャラと会いました……。
しかしプラスの面だけではない、マイナスの面の話題も目にすることがある。
キャラにこんなことされた、個人間のいざこざの垣間見え、愚痴、時には訃報など。
それでも俺がこの界隈に居続けるのは、最近古の青鳥(現X、旧Twitter)で語った以下の理由。
そう、俺自身の創作活動の延長線上として見ているからこの界隈に所属し続けているのである。
どんなにマイナスな話題を見て一時的に落ち込もうが、だ。
だがここ最近は……?
最近の界隈の発展具合は非常に目覚ましい。
次々と工房が立ち上がり、着ぐるみのアイドルユニットが結成されたり、各地で大型イベが開催されたりと。
正直、これはほんの数年前までは考えられなかったことだ。
俺もこれに関する話題には辟易していたが、読者の皆様も記憶に新しいだろう。
そう、世界各地で猛威を振るった新型コロナウイルスである。
俺自身も家庭内感染で地獄を見たのも記憶に新しい。
2021年頃は人が一箇所に集まるイベントなんてご法度、下手に開催すればぶっ叩かれかねない。
そんな中、せっかく着ぐるみを迎えてもキャラを披露する場所がないという状態で各々フラストレーションが溜まっていたある意味での暗黒時期と言えよう。
だが徐々にマスク着用や手指の消毒、会場内の徹底的な換気などの感染症対策を行うことでイベントも再開していき、つい最近ではコロナウイルスが5類になったことで以前のようにイベントは開催されるようになった。
2021年以前の状態に戻りつつはある今日、大きくなりすぎたが故の問題も見えてくる。
それに関しては、響音カゲ氏の下記記事の内容と似通っている部分があるため、記事を紹介させていただく。
この記事の中で、氏は以下のようなことを語っている。
特に「月10万20万も毎月平気で趣味に出費して、着ぐるみに100万出して、かつ生活費をそこから追加で出すのが当たり前なんて思わない」という点については非常に共感できる。
俺自身、片道だろうが相互だろうが関係なくいろんな着ぐるみ界隈の人をフォローしているが、ほぼ毎月どこかしらのイベントに参加していたり、海外のイベントに頻繁に参加している人を見かける。
当然ながら、これが悪いとは俺は一ミリも思わない。
だが、こういう人が近くにいると自分の中の物差しが狂ってきてしまうのも事実である。
当然、俺にもこの自覚はある。
俺は住んでいる地域が立地上、県外に出るのに飛行機が必須となっている。
そのため、県外のイベントに出るとなると
しめて12~3万かかってしまう。
これを毎月捻出するのはとてもじゃないが無理な話だ。
結局筆者はどう思い、どうこの界隈で今後を生きるのか
徒然と長文を書いて結局俺はどう思うのかと言うと。
「何者かにならないといけない」という強迫観念にとらわれて自分が本当にしたいことを見失うのはもったいないし、ましてや無茶してまで界隈活動をするものではない。
これに尽きるのである。
程々に奥ゆかしく界隈で生きていく、それが良いのである。
あんまり無理な背伸びをすると虚無の暗黒面に堕ちることすらあるからだ。
おわりに
俺は何も「人気になりたい」や「知名度を上げたい」といったことは否定していない。
ただその道はかなりの修羅の道であり、一歩間違えれば良くない方向へ堕落しかねないということ。
それでも進むならば進めばいい、ただ道を間違えぬよう。
なお、本記事では界隈内で思うことについて筆を執ったが、着ぐるみ界隈人の界隈外への露出も最近では問題視されてきている。
界隈外にこの界隈のことが露出し、負の場面を見られるリスクというのはどの界隈であっても存在する。
この件については、一次創作界隈という着ぐるみ界隈とは違う観点からいずれ記事にしたいと思うので、一旦筆を置かせていただきたい。
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