【ネオサイタマインフレイム・カウントダウン・サイドストーリー】#3
1 / 2 / 3(今ここ)
再び中央研究室
ウィズダムサファイア:「確かに敵も愚かではないと思うが、これではな」
クェルヴァルム:「カード探して入るつもりだったけどいいか」
モレファシア:「んー、なんかモヤモヤする予感がするのよね」
キョセイニンジャ:「いいから敵とご対面と行こうじゃないか」
中央研究室の入り口は自動扉だったらしく、チームファンタスティックビーストが扉の前に立つと勝手に開いた。
ガコンプシュー!
中へ入ろう。
◆中央研究室◆
いよいよ中央研究室へエントリーしたチームファンタスティックビースト。
そこに居たのは弓を持ったゴブリン化クローンヤクザ2体と、アメジストめいた体毛にサファイアを額に宿したカーバンクル!
※マップは下記参照な
アメジスサフィール(NM):「ドーモ。チームファンタスティックビーストの皆=サン、アメジスサフィールです。ご察しの通り私はカーバンクルのニンジャアニマル、だが元人間だ。そして君たちが来るのを待っていたよ」
アメジスサフィールと名乗ったこのカーバンクルのニンジャアニマル、今のところ敵意はないが油断はならない。
だが、護衛するように立っているゴブリン化クローンヤクザも襲ってくる気配はない辺り今のところは問題ないようだ。
ウィズダムサフィア:「ドーモ、アメジスサフィール=サン。チームファンタスティックビーストリーダー、ウィズダムサファイアです」
キョセイニンジャ:「同じくチームファンタスティックビースト、キョセイニンジャです」
モレファシア:「モレファシアです」
クェルヴァルム:「…クェルヴァルム…です」
アメジスサフィールがアイサツをしてきたので、チームファンタスティックビーストも挨拶を返す。
だが、クェルヴァルムはどこか様子おかしい…。
何故知っている?と言いたげにカラテを構えたままのチームファンタスティックビーストを見て口元に笑みを浮かべながら、アメジスサフィールは話を始める。
アメジスサフィール:「さっきも言った通り、私は非ニンジャのクズの元人間だ。ヨロシサンとは違う製薬系メガコーポで働いていて、どうしても人間という自分の種族に違和感を抱いていた。物心ついた頃からずっと」
アメジスサフィールはゴブリン化クローンヤクザに何かを告げ、中央研究室から退室させた。そして話を続ける。
アメジスサフィール:「自分は人間ではない、だがこの違和感をどうすればいい?親に精神科に連れて行かれたこともあるが、精神科医ごときに私の違和感の原因が分かるはずもない。やがて中学生になった私は遺伝子学というものに出会った。この分野を応用すれば、私の違和感を取り除けると思い、血眼で勉強し、センタ試験を勝ち抜いて遺伝子学を専攻して、ヨロシサンではないにせよ、製薬系のメガコーポに入ることができた」
ここでキョセイニンジャの顔が若干強張ったが誰も気付かなかった。
クェルヴァルムもまた目線を鋭くしたが、これもまた誰も気付かない。
アメジスサフィール:「そして私は、人を体の構造から獣にしてしまうウイルスの研究を始めた。建前は会社のため、本音は自分の違和感を取り除くため。研究は難航したが、ある日私はバイオネズミに感染させるとカラテが漲り、もはやバイオネズミと呼べない何かに変化させてしまうウイルスの開発に成功した。これをベースにしていけば、いずれ人を体の構造から完全な獣にするウイルスが作れる…はずだった」
アメジスサフィールはここで一旦話を切ると、研究机の上のシャーレを取った。中に何らかのウイルスが入っていることは明らかである。
アメジスサフィール:「そう、不運にもウイルスが漏れ出す事故が起きた。会社は好機と言わんばかりに傭兵部隊を送り込み、私をオムラサブマシンガンで穴あきチーズにしてくれた。私の研究成果を奪うべく。だが私は死なななかった、私にジゴクからの声が聞こえたのだ。『汝が望み、生かして叶えよう』と。そして私にニンジャソウルが憑依したのだ、アメジスト・ニンジャのね。そして私はニンジャとなり、今の姿へ変わった。望みが叶ったのさ」
アメジスト・ニンジャ。
そのコトダマを聞いた瞬間クェルヴァルムが口を開く。
クェルヴァルム:「アメジスト・ニンジャ。カーバンクル・ニンジャクランをヌケニンしたニンジャ。カーバンクル・ニンジャクラン由来のジツや技のほかに、ファンタスティックビースト・ニンジャクランで禁じられていた、対象をニンジャ・非ニンジャ問わず強制的にヘンゲさせるトランスファー・ジツを扱うアメジスト・ニンジャクランを設立したニンジャ。そして僕はカーバンクル・ニンジャのソウル憑依者、だが完全には覚醒していない。君と同じくね」
クェルヴァルムが話を終えると、アメジスサフィールは軽く頷くと研究机を尻尾殴打で破壊し、カラテを構えた。
アメジスサフィール:「良いでしょう、ではカラテあるのみ。チームファンタスティックビーストの実力を見せてもらおうか!」
ここまで来たらもはやカラテあるのみ、イクサだ!
◆敵データ公開な◆
ニンジャ名:アメジスサフィール(カーバンクルのニンジャアニマル/未覚醒のアーチ級ソウル憑依者)
カラテ:12 体力:12
ニューロン:16(15) 精神力:14(16)
ワザマエ:8 脚力:6
ジツ:5(アメジスト・ニンジャ) 万札:20
近接攻撃ダイス:12 回避ダイス:16 遠隔攻撃ダイス:8
装備や特記事項:
『ニンジャソウルの闇(ニューロン+1/精神力-2)』非ニンジャのクズめが!
『☆トランスファー・ジツ』 【精神力】2を消費してU-HRADで発動を試みることが出来る。
発動に成功した場合、指定したターゲット1体を3ターンの間「強制ヘンゲ」の状態にした上で【カラテ】+2【脚力】+1の補正をもたせる。
抵抗する場合は【ニューロン】のU-HARDと【精神力】1を消費することで抵抗を試みることが出来る。
なお、PCにこのジツが命中した場合はNPC扱いとなりNMに操作が移る。
また、ニンジャアニマル、ヘンゲヨーカイ・ジツを持つPCないしNPCに対してこのジツは無効化される。
『☆モフモフの加護』
『●人語理解・会話』
『●強烈な尻尾殴打』
『⦿カーバンクルカラテ連打』
特別ルール
・この戦闘ではサツバツ !による部位破壊、爆発四散は互いに発生しない。サツバツ!は一律4ダメージに置き換えられ、体力および精神力の下限は0となり、いずれかが0になった時点で戦闘不能となる。
・アメジスサフィールの【体力】を3以下にすることが勝利条件
・アトモスフィアNORMALスタート、難易度上昇は状況判断
イニシアチブは下記の通り
アメジスサフィール(H4スタート)
↓
モレファシア(H7スタート)
↓
クェルヴァルム(G7スタート)
↓
ウィズダムサファイア(G6スタート)
↓
キョセイニンジャ(H6スタート)
◆戦闘開始な◆
1ターン目
NM:アメジスサフィールは小手調べにウィズダムサファイアにスリケン
【ワザマエ】NORMAL
8d6(1 + 1 + 5 + 4 + 4 + 5 + 4 + 1)= 25
ウィズダムサファイア:ダイス4個で回避
【回避】NORMAL
4d6(3 + 4 + 4 + 2 )= 13
アメジスサフィール(NM):「イヤーッ!」
アメジスサフィールはスリケン投擲!
ウィズダムサファイア:「イヤーッ!」
しゃがんでスリケンを回避!
モレファシア:H5に移動してカラテ
【カラテ】NORMAL
6d6(5 + 5 + 6 + 3 + 2 + 6)= 27
モレファシア:サツバツ!
NM:当たると痛いから6個で回避、残り10個
【回避】NORMAL
6d6(5 + 5 + 3 + 6 + 2 + 5)= 26
モレファシア:「リーフ!」
額の石を狙った蔦ストレート!
アメジスサフィール(NM):「イヤーッ!」
それを片手で受け流す!
クェルヴァルム:G4へ移動して強烈な尻尾殴打宣言
【カラテ】HARD
6d6(1 + 6 + 2 + 3 + 6 + 3)= 21
サツバツ!で命中すれば2d6ダメージだ!
2d6(3 + 2)= 5
クェルヴァルム:「トランスファー・ジツは使わせないよ、イヤーッ!」
鉄骨が落下してくるかのような威力の尻尾殴打が迫る!
NM:うーん、5個で回避。残り5個
【回避】HARD
5d6(2 + 3 + 1 + 6 + 6)= 18
NM:カウンターカラテはなしで普通に相殺回避
アメジスサフィール(NM):「イヤーッ!」
同じく尻尾殴打で相殺!ゴウランガ!
ウィズダムサファイア:連続側転でI7へ移動、その後カラテ
【ワザマエ】NORMAL
6d6(6 + 6 + 1 + 3 + 1 + 4)= 21
【カラテ】連続側転後なのでHARD
7d6(4 + 2 + 2 + 1 + 1 + 2 + 3)= 15
ウィズダウサファイア:d3ダイステメッコラー!スッゾオラー!
ウィズダムサファイア:「イヤーッ…アレ?」
ナムサン!連続側転の反動で明後日の方向を蹴ってしまう!だがボスを囲むことには成功したぞ!
キョセイニンジャ:そのままメスクナイ投擲
【ワザマエ】NORMAL
6d6(4 + 2 + 4 + 4 + 1 + 2)= 17
キョセイニンジャ:「イヤーッ!」
キョセイニンジャはメスをクナイめいて投擲!
NM:3個で回避
【回避】NORMAL
3d6(6 + 6 + 6)= 18
NM:ゴウランガ!奇跡の出目だ!だが普通の回避!
アメジスサフィール(NM):「イヤーッ!」
恐るべき跳躍でメスクナイを回避!
2ターン目
NM:連続側転でH9に移動
【ワザマエ】NORMAL
8d6(5 + 4 + 3 + 4 + 1 + 1 + 4 + 2)= 24
NM:H6のキョセイニンジャにスリケン
【ワザマエ】HARD
8d6(1 + 5 + 3 + 2 + 6 + 6 + 2 + 5)= 30
アメジスサフィール(NM):「イヤーッ!」
またもスリケン投擲だ!
キョセイニンジャ:敵1人なのでダイス全投入
【ワザマエ】NORMAL
8d6(1 + 1 + 3 + 4 + 2 + 5 + 4 + 6)= 26
キョセイニンジャ:「イヤーッ!」
側転して回避した!
モレファシア:(現在地H5)スリケン投擲
【ワザマエ】NORMAL
5d6(2 + 3 + 6 + 1 + 1 )= 13
モレファシア:「リーフ!」
リーフスリケンがアメジスサフィールへ飛んでいく!
NM:あまり長引くのもアレなのでダイス消費マシマシで8個回避、残り8個
【回避】NORMAL
8d6(5 + 1 + 5 + 3 + 2 + 4 + 1 + 6)= 27
アメジスサフィール(NM):「君のスリケンは実に面白い、木でできたスリケンか」
アメジスサフィールは難なくキャッチ!
クェルヴァルム:G9へ普通に移動、その後再度強烈な尻尾殴打宣言
【カラテ】HARD
6d6(2 + 1 + 1 + 6 + 4 + 5)= 19
ダメージ
1d6+1(1)=2
クェルヴァルム:「イヤーッ!」
再度の強烈な尻尾殴打!だが勢いがない!
NM:残り全放出、3ターン目からアトモスフィアHARDにするね
【回避】HARD
8d6(6 + 2 + 1 + 3 + 2 + 4 + 3 + 5)= 26
アメジスサフィール(NM):「勢いがないよ?」
アメジスサフィールは受け流すような尻尾の動きで回避!
ウィズダムサファイア:I9に連続側転、カラテ
【ワザマエ】NORMAL
6d6(2 + 1 + 5 + 5 + 5 + 1)= 19
【カラテ】HARD
7d6(5 + 5 + 5 + 1 + 5 + 2 + 1)= 24
ウィズダムサファイア:「イヤッ、イヤーッ!」
連続側転後とは思えない踏み込みワンツー!
アメジスサフィール(NM):「!?、グワーッ!」
アメジスサフィールはまともにワンツーを食らった!
アメジスサフィール【体力】12→11
キョセイニンジャ:H8に移動してカラテだ
【カラテ】NORMAL
8d6(4 + 6 + 4 + 6 + 4 + 4 + 5 + 4)= 37
NM:ニンジャアニマルへの肉体破壊適用するまでもなくサツバツ!で4ダメージだ!
キョセイニンジャ:「イヤーッ!」
キョセイニンジャのローキック!
アメジスサフィール(NM):「グ、グワーッ!」
アメジスサフィールはローキックをまともに受ける!
アメジスサフィール【体力】11→7
モレファシア:痛そう
ウィズダムサファイア:ローキックは実際痛い
3ターン目
NM:ここからアトモスフィアがHARDになります!アメジスサフィールはキョセイニンジャにトランスファー・ジツを使用!
【精神力】14→12
【ニューロン】+【ジツ】U-HARD
21d6(6 + 1 + 5 + 6 + 4 + 4 + 1 + 6 + 5 + 4 + 6 + 2 + 2 + 1 + 5 + 1 + 5 + 3 + 3 + 5 + 3)= 78
アメジスサフィール(NM):「これぞ禁じられたジツ、トランスファー・ジツ!」
アメジスサフィールの額の宝石が怪しく光る!アブナイ!
NM:キョセイニンジャ=サンは【精神力】1消費してU-HARDね
キョセイニンジャ:「ヌウゥッ!」
【精神力】7→6
【ニューロン】U-HARD
6d6(6 + 1 + 4 + 5 + 5 + 6)= 27
キョセイニンジャ:実際アブナイだった!
モレファシア:セフセフ
キョセイニンジャは寸前のところで目線を逸して抵抗!
モレファシア:連続側転でH10に、カラテ
【ワザマエ】NORMAL
5d6(5 + 5 + 6 + 2 + 1)= 19
【カラテ】HARD
6d6(6 + 4 + 5 + 1 + 3 + 1)= 20
モレファシア:「リーフ!」
蔦ストレートだ!
NM:8個で回避、残り8
【回避】HARD
8d6(3 + 2 + 3 + 5 + 1 + 4 + 1 + 1)= 20
アメジスサフィール(NM):「君の蔦は用途が多そうだね、イヤーッ!」
アメジスサフィールは蔦ストレートを受け止めた!
クェルヴァルム:強烈な尻尾殴打、回避難易度はU-HARDだよ
【カラテ】HARD
6d6(5 + 6 + 6 + 3 + 3 + 6)= 29
ヒサツ出目だ!
2d6(1 + 5)= 6
ウィズダムサファイア:ヒサツ!
キョセイニンジャ:ヒサツ!
モレファシア:ヒサツ!
NM:4個で回避、残り4個
【回避】U-HRAD
4d6(2 + 4 + 2 + 1)= 9
ウィズダムサフィア:決まった!
モレファシア:キンボシ・オオキイ!
キョセイニンジャ:ナイスヒット!
NM:OK、フィニッシュムーブドーゾ
クェルヴァルム:「イヤーッ!」
SMAAAAAASH!!
クェルヴァルムの強烈な尻尾殴打がアメジスサフィールの額の宝石を捉え、振り下ろされる!
アメジスサフィール:「グワーッ!ヤ!ラ!レ!ター!」
アメジスサフィールの額の宝石にヒビが入る!
アメジスサフィール【体力】7→1
◆戦闘終了な◆
アメジスサフィール(NM):「フゥーッ、君たちの実力はよく分かったよ。降参降参」
アメジスサフィールは突如ホールドアップし、これ以上の戦意がないことを表明した。
チームファンタスティックビーストは人間性を残した邪悪ではないニンジャばかりなので、アメジスサフィールの降参を素直に受け入れた。
アメジスサフィール(NM):「何故私が君たちを知っているかという疑問を含め、改めて話をしたいところだが…どうやらヨロシサンは私諸共君たちを始末するつもりらしいな」
ブガーッ!ブガーッ!
突如として鳴り響く警報!そして電子マイコ音声のアナウンス
電子マイコ音声(NM):「機密保持のため起爆装置が作動しましたドスエ、起爆装置が起動しましたドスエ。解除することはできないドスエ。スタッフは直ちに研究所外へ避難するドスエ」
アメジスサフィール(NM):「私はハッカーたちを連れて逃げる!君たちはその窓を破って逃げるんだ!」
アメジスサフィールに言われるがまま、チームファンタスティックビーストは窓を破って脱出した!
※判定は自動成功な
CRAAAAAAAAASH!
窓をカラテでブチ破り、研究所の外へ脱出したチームファンタスティックビーストはすぐさま研究所から色付きの風となって離れる!
その数分後!
KABOOOOOOOOOOOM!
シジマ研究所は凄まじい爆発音と共に爆発した。
そして、爆炎を背に歩いてくる3人の姿あり!アメジスサフィールとあのカーバンクル化ハッカーの2人だ!
アメジスサフィール(NM):「間一髪だったよ。秘密非常口を使ってなければ全員消炭だ」
とにかく生き延びた一行は、ネオサイタマの拠点へと帰還した。4人の客人を連れて。
◆エンディングな◆
何故ヨロシサンがアメジスサフィール諸共チームファンタスティックビーストを始末しようとしたのか?
引っかかりを残しながら拠点へ帰還したチームファンタスティックビースト一行とその客人4人。
カーバンクル化ハッカーの世話をフォースフォックスに任せて、アメジスサフィールとチームファンタスティックビーストはウィズダムサファイアの部屋へ集まった。
アメジスサフィール(NM):「さて、何から話したものかな。私が君たちを知っているという点は単純解明、ソウカイヤのそう言った情報を流してくれるニンジャが居るんだ。機密情報まではくれないがね」
ミルシュニーアが出したチャを飲みながら、額に包帯を巻いたアメジスサフィールはなぜチームファンタスティックビティックビーストのことを知っているのかという理由について簡潔に話した。
なお、額の処置はキョセイニンジャが行った。
キョセイニンジャ:「今度はこちらから質問する。あのホームページは何だったんだ?人間をやめたい者を募集するなど、正気の沙汰ではない。クェルヴァルム=サンの言っていたトランスファー・ジツと関係があるのか?」
アメジスサフィールが話し終えたところで、今度はキョセイニンジャが問う。
しばしの沈黙のち、アメジスサフィールはまたチャを飲んでから語り出す。
アメジスサフィール(NM):「その認識の通りだ。トランスファー・ジツを用いて人間をやめたい非ニンジャの願望を叶えていたのさ。だが無理矢理人間はやめさせてない、本当に覚悟がある非ニンジャだけに絞っていた。それ以外は帰したさ。だがそれも、内なるニンジャソウルの闇とのイクサだ。簡単なことではない」
まるで自分にはまだ人間性が残っていると言いたげな話だが、誰一人としてそれを咎めなかった。
なぜならニンジャ第六感を使うまでもなく、嘘をついていないことが分かるからだ。
RRRRR!
とここで、キョセイニンジャの携帯UNIX端末が鳴る!
電話の主を見たキョセイニンジャは何やら不愉快そうな顔をしながら
「モシモシ…ハイ」
と電話をしながらウィズダムサファイアの部屋を出て行った。
皆が皆、その電話の主に察しをつけながらも話を続ける。
アメジスサフィール(NM):「君たちが来ることも、情報屋ニンジャから聞いた話だからあのように待っていられたんだ。さて、今後互いにどうするかという話だが…私はクェルヴァルム=サンとカーバンクル・ニンジャクランゆかりの地を訪れてソウル覚醒の旅に出ようと思う。場所はおそらく、岡山県より西のキュウシュウはネオハカタの辺り」
アメジスサフィールの話に、クェルヴァルムは一種今までにない冷気を放出したかと思えば睨むような目付きをしてこう言い放った。
クェルヴァルム:「僕は構わない、だが他の3人も同行してもらうよ。これはチームファンタスティックビーストとして乗り越えるべき山と考えているからね」
アメジスサフィールはその返答を待ってたと言わんばかりに頷き、ドゲザしつつこう言った。
アメジスサフィール(NM):「もちろんそれは歓迎する、いやむしろついて来て欲しい。2人だけでは困難な旅だ。死ぬ可能性もある」
ドゲザしたままのアメジスサフィールに、クェルヴァルムは顔を上げるように告げる。
クェルヴァルム:「その誠意、本物と受け取ったよ。顔を上げて欲しい。…そして、これは重要なことだけどネオハカタまで行く手段はあるのかい?」
クェルヴァルムの問いに、アメジスサフィールはどこからかマキモノを取り出して広げると説明を始める。
アメジスサフィール(NM):「まず、ネオサイタマからキョートまで行く必要がある。これはシンカンセンがキョートまで出ているから問題ない。問題なのはキョートからネオハカタまでの手段。キョートはニンジャ組織ザイバツシャドーギルドの支配下にある。下手な動きをすれば君たちがソウカイニンジャだとバレてしまうだろう」
アメジスサフィールのプランはこうだ。
まずシンカンセンでキョートまで行く、そこまではいい。問題なのはキョートに着いた後というのはクェルヴァルム含め、チームファンタスティックビーストの4人は把握していた。
何にせよ、キョートはザイバツシャドーギルドと呼ばれるソウカイヤとは別のニンジャ組織が支配する地。
下手な動きをしようものなら、ザイバツニンジャに察知され、キョート潜伏組のソウカイニンジャにも勝手に動いているがバレてしまう。
それを防ぐためには、いかに目立たぬよう移動するかが課題である。
アメジスサフィール(NM):「キョートからはキョート共和国国際空港からネオハカタ行きの飛行機が出ている。それに乗ればキュウシュウまで行くことは可能だ。もちろん目立った行動を避けて」
キョートからはオキナワへ向かう飛行機も出ているため、オキナワ修行へ行くソウカイニンジャと鉢合わせるようなことは避けねばならない。アメジスサフィールの言う通りだ。
ウィズダムサファイア:「ソウカイニンジャと分かるようなものは持っていくべきではないな、どうにかフリーランスニンジャかモータルに変装出来れば良いのだが」
ウィズダムサファイアの案に、アメジスサフィールはポンと手を叩いてこんな提案をする。
アメジスサフィール(NM):「ミルシュニーア=サンに頼んで、私達がオボロヅキ社のフリーランスニンジャであることにできないだろうか?」
ウィズダムサファイア:「所属の偽装か、あそこのユヅキ社長ならやってくれそうだな。どのみちソウカイヤにも捨て駒扱いされているも同然だ、ヌケニンしても追手は来まい」
ウィズダムサファイアがソウカイヤに捨て駒扱いされているというのを聞いて、アメジスサフィールはやっぱりかという何かを確信したような顔をする。
アメジスサフィール(NM):「やはりか、なら動くのは早い方がいいだろう。風の噂では、ソウカイヤはもうすぐ捨て駒扱いしたサンシタニンジャを金で釣り、ニンジャスレイヤー討伐作戦を実行するつもりらしい」
ウィズダムサファイア:「なんだと!?ソウカイヤめ…」
普段は冷静なウィズダムサファイアが怒りを表に出した瞬間、キョセイニンジャが戻ってきた。激昂しかねないアトモスフィアを放っている。
キョセイニンジャ:「ヨロシサンめ…あの依頼は私達を本当にあの時始末する気だったようだ」
キョセイニンジャが怒りで拳を震わせているのを見、クェルヴァルムがこう聞く。
クェルヴァルム:「まさかヨロシサンが自らネタばらしをするはずがない。誰からのタレコミだったんだい?」
クェルヴァルムの問いにキョセイニンジャは怒りを幾分か押さえてこう答えた。
キョセイニンジャ:「YCNAN、それしか名乗らなかった。声の主は女性だったが何者かは不明だ」
—-YCNAN。
アメジスサフィールでさえも知らない名前。
だがウィズダムサファイアだけは違った。
その名の正体を知っていたからだ。
それはあのニンジャスレイヤーと共闘してダイダロスを再起不能にした伝説のテンサイ級女ハッカー、ナンシー・リー。
だが、何故「彼女」が情報を提供してくれたのかは謎のままだ。
ウィズダムサファイア:「彼女はほかに何か言ってなかったか?」
ウィズダムサファイアもまた怒りを抑え込んでキョセイニンジャに聞く。
だがキョセイニンジャは首を横に振ってから
キョセイニンジャ:「いや、それ以外は。ただこんな忠告は受けたな。『私と彼はあなた達の動きを常に監視している。ソウカイヤが捨て駒にして監視するのをやめたとしてもね。だからもしこの期に及んで一般市民を虐げるなどの良からぬ動きをするようであれば、彼があなた達を殺しに来る』と」
特に何も言ってはいなかったがナンシー・リーとニンジャスレイヤーは常にこちらを監視していることと、もし悪事を働くようであればニンジャスレイヤーが直々に殺しに現れると忠告を受けたことを話す。
ウィズダムサファイア:「むしろ好都合だ。ソウカイヤはこちらをもはやどうでもいい使い捨てのサンシタにしか思ってない。それはすなわちソウカイヤの監視がゆるいということだ。ならばその間にヌケニンして本当にオボロヅキ社の方へ鞍替えしてしまうのも手だ」
その意見に全員が同意した。
アメジスサフィール:「よし、そうと決まれば迷惑料としてヨロシサンではなく私から報酬を出そう」
キャバァーン!チームファンタスティックビースト全員の口座に【万札】30が入金された!ついでに【余暇】4を獲得!
アメジスサフィール:「余暇を過ごし終えたら連絡して欲しい。ネオハカタへ発とう」
その後アメジスサフィールとチームファンタスティックビーストは夜遅くまでネオハカタへの移動プランを立てた。
その計画とは次のようなものだ。
●まずシンカンセンのカチグミクラスでキョートへ向かう。ダイミョクラスにすることもできたが、ソウカイニンジャとエンカウントするリスクを避けてやめた。
●キョートに着いたら速やかに共和国国際空港へ移動。滞在するとキョート潜伏組のソウカイニンジャに出会う可能性があるからだ。
●キョート発ネオハカタ行きの飛行機に乗るが、席順はバラバラ、乗るタイミングも同じ便だがずらす。他の客に紛れて見つかるリスクを下げるためだ。
●ネオハカタへ着いても油断はならない、アメジスサフィールが手配したホテルに速やかに向かう。翌日から情報収集だ。
その頃、トコロザワ・ピラーではネオサイタマ知事選に向けてシックスゲイツ創設者たるゲイトキーパーとダークニンジャを中心としたニンジャブリーフィングが行われていた。
ダークニンジャ:「奴は必ずラオモト=サンの首を討ち取りに来る。狙うとすれば間違いなく今度のネオサイタマ知事選だろう」
ゲイトキーパー:「間違いなくそうでしょう。奴はラオモト=サンの首を討ち取ることこそが復讐になると狂信している」
ダークニンジャ:「しかし、ようやくシックスゲイツも傾きを抑えられた状態。万全な状態と言えましょうか?」
ウォーターボート::「心配には及びません、我ら新生シックスゲイツの力でラオモト=サンを守り抜きましょう」
アルマジロ:「ハハハハ!ニンジャスレイヤーなんぞ俺のこの巨体でワシのようにペラッペラにしてくれるわ!」
レイザーエッジ:「私のカクシ・ギリの前に奴は無力だろう。シックスゲイツの恐ろしさを味わせてやる」
ガンブラー:「私はダイダロス=サンの二の舞は踏みませぬ、あの忌々しい女ハッカーのニューロンをファックして差し上げましょう」
ヘルカイト:「ともかく油断は禁物、何事も作戦あるのみ」
ゲイトキーパー:「ガンブラー=サン、例の手はずは?」
ガンブラー:「問題ありませんゲイトキーパー=サン」
ゲイトキーパー:「よろしい、では各自ブリーフィングの通りに行動を開始しなさい」
一同:「ハイヨロコンデー!」
こうしてしめやかに、ニンジャスレイヤーをネオサイタマ知事選前に始末する計画が始まった。
ネオサイタマ知事選1週間前の出来事である。
【ネオサイタマインフレイム・カウントダウン・サイドストーリー】完
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