アンサング・デュエットリプレイ-気弱と真面目で冷静なモフモフの異界冒険
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はじめに
本記事は、「どらこにあん」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『アンサング・デュエット』の二次創作です。
(C)Fuyu Takizato / Draconian
(C)KADOKAWA
その他『アンサング・デュエット』の二次創作に関するガイドラインについてはこちら
本セッションは2021/5/5にココフォリアで開催されたGM:朱石(敬称略)とPL:Goluda_Aによる
「アンサング・デュエット」のリプレイ記事となります。
なお、実際のログから句読点の追記や改行、誤字脱字の修正を含めた各種追記修正、削除を行っている部分もございます。
また、当記事は後述する公式シナリオのネタバレ要素を含むため、閲覧の際は予めご了承ください。
シナリオ・ワールドセッティングについて
・シナリオ
公式で公開されているシナリオトレーラー「ラビットランド」
このシナリオは遊園地を舞台に、マスコットのきぐるみに追いかけられるパニックホラー風のものです。
楽しい遊園地が、突如狂気に満ちた場所に変わる恐怖をお楽しみ下さい。
・ワールドセッティング
今回どちらも人外のシフターおよびバインダーとなっているため
GMによる独自のワールドセッティング「イリュージョンシティ」を採用しています。
「幻想の交わる都市 イリュージョンシティ」
※オリジナル
多くの世界が交わり、重なり、様々な種族が住まう世界です。
人間種の使う機械や道具、幻想種の使う魔法などが共存します。
ただし、その多様性ゆえ問題も発生しやすいため、一定以上の文明レベルの道具や魔法の使用は制限されています。
登場するシフター・バインダー
シフター PL:朱石
幸せの歌の運び手 シーウィー
上記イラストは、GMおよびシフターである朱石さんの著作物であり、
使用許可を得た上で掲載しております。
朱石さんのTwitter(@akasi_naru)
フラグメントボックス
・歌うような澄んだ声 → 幸せを呼ぶという
・大きな目 → ぱっちりきらきら
・ふわふわもこもこ → 触りたいその毛並み
・気弱で控えめ → 人前に出るのはちょっと怖いのです
・バインダーを頑張って誘った → 声をかけるだけでどきどきだったのです
・関係性「親愛」 → バインダーを慕う気持ち
バインダー PL:Goluda_A
図書館を司り、書き記す竜 マフェルリティア
本イラストは製作者の使用許可を得ています
フラグメントボックス
・司書→常人より蓄えた知識は多いが、司書である以上その知識の量でマウントを取ることはない。
・額の六芒星→魔力により光るそれはシフターに不思議と安らぎを与えた。
・飛ぶのが難しそうな翼
→その翼はあくまでも浮遊時の制御用である、飛べはすれどより大きな翼を持つものには敵わない。
・翻訳魔法→翻訳できないことはあまりない、それが異界の言語でも。
・大きい尻尾→抱き枕にもできそうなほど大きいそれは、シフターにさらなる安らぎを与える
・真面目→勇気を出して声をかけてきたシフターの好意を無駄にしない、だから誘いには快諾した。
2人が遊園地へ行くまでの経緯
Goluda_A/雑談(以降Goluda_A):出会ってそろそろ1年になるから、記念にどこかいつもと違う場所に行こうと勇気を持って誘ったという感じの導入を想像しました。
GM(朱石)/雑談(以降GM): ありがとうございます、おお導入の設定まで!良いですね、こちらも頂いたものに乗りましょう!
イリュージョンシティで唯一とも言える図書館で司書を務める有毛種の竜、マフェルリティア。
シフターであるシーウィーとは、歌に関する本を探して図書館へやって来た時に声をかけられたのが出会いの始まり。
その後も度々図書館へ現れては、モジモジしているのをマフェルリティアに「なにか探している本がありますか?」と聞かれ、
次第にマフェルリティアだけには気を許していくように。
その後は個人的に連絡先を交換し、仕事以外の時にも度々会うようになった。
遊園地への誘いは、初めて出会ってから1年位経ったある日。
個人的に話したいことがあると言われて呼び出されたマフェルリティア。
いつものことだろうと思って、待ち合わせ場所に行くと、いつも以上にモジモジしているシーウィーが…。
シーウィー/朱石(以降シーウィー):「わ、私、シーウィーと申すのです…ひ、人前で話すの、苦手で」
シーウィー:「でも今日は司書さんと、ヒトの作るユウエンチに行ってみたいって…」
シーウィー:「や、やっぱり恥ずかしいのです!」
その歌声は幸せを運ぶ、という伝承があり、歌も好きだが恥ずかしくて人前でなかなか歌えない。
それゆえ、静かにしていても良い図書館は居心地が良くてお気に入り。
中々声を出せない自分を気にかけてくれたマフェルリティアを慕っている。
マフェルリティア/Goluda_A(以降マフェルリティア):「自分の思いを、勇気を出して相手に告げるというのはとても難しい行為。私でもできないことすらある。君はその勇気を出せたんだからね。そこは自分を卑下しないで欲しい」
マフェルリティア:「だからこそ、私は君の思いを無下にはしたくない。行こうか、遊園地に」
いつも図書館で見る姿以上にモジモジするその姿を、マフェルリティアは茶化したりするようなことは一切せず、これは勇気の要る行為だと説明した上で褒め、卑下にしないで欲しいと頼む。
そして誘いを快諾した。
自分を慕う者の気持ちを踏みにじるような真似は、マフェルリティアの性格上どうしてもできないからだ。
チャプター0 「高鳴ハピネス」 異界深度4
GM:ふたりが遊園地に着いたところから、物語は始まります。
遊園地は空いていて、近くにはあなたたちしかいません。沢山アトラクションに乗って、楽しい時間を過ごせそうです。
シーウィー : 「こ、ここがユウエンチ……ヒトが作った行楽施設ですの!見慣れない機械が沢山ありますの……」
シーウィー : 「司書さん、今日は来てくださってありがとうなのです!司書さんは、ユウエンチについては色々ご存知なのです?」
シーウィー : 「うちは魔法の家系なので、あまり詳しくないのです…で、でも今日は事前に、色々調べてきたのです!」
マフェルリティア : 「人が日常を忘れ、非日常を経験して生きる活力を得るために生み出したものが娯楽。その娯楽を人が一つの敷地にたくさん集めたのが遊園地と聞いてはいるけど、来るのは初めてだね」
シーウィーの問いかけに、マフェルリティアは頷いた上で自分が知っていることをどうにか噛み砕いて説明した。
これで伝わっているかは不明だが、伝わっていないならその時考えるとしよう。
マフェルリティア : 「どう呼ぶにしてもシーウィー、君の自由だけど私を名前で呼ぶのはまだ恥ずかしいかな?」
出会った当初から、シーウィーはマフェルリティアを名前ではなく「司書さん」と呼んでいる。
一応名前は教えているのだが、今まで名前で呼ばれた試しがないので、今回思い切って聞いてみることにしたのだ。
シーウィー : 「非日常……なるほど、だからああしてきらびやかな装飾が施されているのですね。孔雀の尾羽のように魅力的なのです」
マフェルリティアの説明に目を輝かせながら周囲を見渡し、その後我に返り、恥ずかしそうに語ります。
シーウィー : 「あっ……!今日は司書さんに楽しんでもらいたくて来たのに、私ばかり……は、恥ずかしいです……」
シーウィー : 「お名前……あの、司書さんのお名前、お呼びしないのはやっぱり失礼で……でも、司書さんのお名前、お歌みたいにきれいな響きなのです。だから、その、恥ずかしくて……」
GM: 一応先にこちらもお伝えしておきますね。
ラビットランドにはたいていのアトラクションがあります。
様々なアトラクションに乗ったり、食事を楽しんだり、遊園地内に存在する場所で楽しくロールプレイしましょう。
GM: 本来このチャプターに判定はないのですが、今回初プレイということですので、なにかアトラクションに乗った際、テスト判定をしてみましょう。
(失敗してもデメリットは有りません)
マフェルリティア :「君が楽しんでいる姿を見るだけでも、私は私で十二分に楽しめているよ」
はしゃいでいるシーウィーの行為を否定せず、それはそれで楽しませてもらっているよと告げるマフェルリティア。
彼(?)なりの気遣いの現れだろうが、その目は嘘をついているようには見えない。
マフェルリティア :「私の名前が歌のようにきれいな響きか。君も人を褒めるのが上手だね。あまり自分の名前の響きというのは気にしてはこなかったもので」
自分を名で呼ばないのか?という問いに対して、歌のようにきれいな響きなので逆に名前で呼ぶのが恥ずかしくなったというシーウィー。
マフェルリティアはここでも決して否定はせず、褒めたうえで気づきがあったことを告げた。
Goluda_A:何に乗りたいか聞いて見る感じでいこうかな
GM:良いと思います!それでいきましょう。
マフェルリティア :「さてと、何か乗りたいものはあるかな?」
マフェルリティアは、一通り見える範囲のアトラクションを見回してからシーウィーにどのアトラクションに乗りたいかを聞く。
その声は、いつも図書館で発している声よりも穏やかに聞こえた。
シーウィー : (司書さんの声、いつもより柔らかいのです……楽しんでくださってる、のです?)
音に敏感なシーウィーは少し安心しながらもアトラクションを選びます。
シーウィー : 「あっちの乗り物は風を切るように早いのです。あっちは……お馬さんが野を駆けるのを模しているのです?
……あっ、不思議なものがあるのです!カップが回っているのです。カップの中に入るのですか?」
シーウィーはコーヒーカップに興味を抱き、あなたを誘います。
GM: 判定 -コーヒーカップを楽しむ 難易度:4
マフェルリティア : binder>=4 (2D6>=4) > 9[4,5] > 9 > 成功
シーウィー : shifter>=4 (1D10>=4) > 7 > 成功
GM:判定は難易度以上の出目が出れば成功になります。今回は双方成功ですので、無事楽しめたようですね。では引き続き描写していきましょう。
マフェルリティア :「カップが回っているアトラクション、あれはコーヒーカップというアトラクションだね。回るカップのような乗り物に乗って楽しむアトラクションだよ」
シーウィーが興味を示したアトラクションについて、マフェルリティアはどのようなアトラクションかを説明。
(人によっては、目が回って楽しめないという者も居るらしいけどね)
マフェルリティアはシーウィーの誘いを快諾し、2人でコーヒーカップに乗る。
始めこそは、シーウィーが目を回して気持ち悪くなってしまわないかが心配だったが、
回るカップの中で楽しそうにしている姿を見てこちらも口元に笑みを浮かべた。
シーウィー : 「わぁっ、地上でこんなに回るのは初めてなのです!」
鳥類の平衡器官も持ち合わせているためか、案外余裕そうにコーヒーカップを楽しんでいるようです。
シーウィー : 「あっ、楽しくてつい回しすぎてしまったのです。風で毛が膨らんでしまったです。恥ずかしいのです……」
シーウィー : 「でも、司書さんのしっぽもふわふわに膨らんでいるのです!お揃いみたいで……あっ、私ったら、勝手にお揃いなんて言って恥ずかしいのです……!」
マフェルリティア :(そうか、シーウィーは鳥類の血も引いているから大丈夫だったね)
最後まで平気そうにしていたシーウィーを見て、マフェルリティアはそんなことを思い出す。
マフェルリティア :「回る力が強いとそれだけ受ける風も強くなってしまうから、それは仕方がないことだよ。それにお揃いとは良いこと言うね」
やはりここでも褒める。
指摘する要素がないからこそ褒めるのだ。
マフェルリティアは乙女の心がガラス細工のように繊細であることを理解しているので、極力否定や指摘をせず褒めている。
シーウィー : 「ありがとうございます。司書さんはやっぱりお気遣いがお優しい方なのです」
嬉しそうに尾羽を揺らしながら、シーウィーは次のアトラクションにあなたを誘います。
GM:そうして二人は、のんびりと遊園地を楽しみます。
GM_ : -結末-
楽しい時間はあっという間に過ぎ、空は暗くなっていました。
閉園時間が徐々に近づきますが、名残惜しさゆえか、ふたりはゆっくりと周囲の風景を眺めていました。
GM: しかし、本来なら閉園の音楽が流れ始めるはずの時間に、
GM: パンッと大きな音が鳴り、照明や音楽が消えてしまいます。
チャプター1 「逃亡ホープレス」 異界深度5
GM:-状況説明-
突如、遊園地の照明と音楽が消えてしまいました。暗闇と静寂の中、何かを引きずる音が微かに聞こえてきます。
GM:やがて、ぱっと照明がつき、同時にノイズ混じりの、歪んだ音楽が鳴り響きはじめました。辺りを見回すと、僅かにいたほかの客すらもいなくなっていました。
シーウィー : 「あっ……!そんな、どうして……!こ、ここ、異界なのです?!」
シーウィーは青ざめた顔で辺りを見回しています。
GM:今回のバインダーであるマフェルリティアさんは博識なキャラクターなので、「異界」についてある程度知識があるかもしれません。もし知識がないものとするのであれば、シフターであるシーウィーから説明を聞いてみて下さい。
異界とは、現実世界と隣り合わせにある、現実とは異なる世界のことです。
異界は何らかの意図を持って生き物を取り込んでしまいます。
脱出するためには、シフターの「目」を頼りに出口を探すほかありません。
マフェルリティア : (これはもしや…異界?)
マフェルリティアは司書であるがゆえに様々な本の知識を頭に入れている。
その中には、今まさに自分たちが迷い込んでしまった空間、異界に関する本も存在する。
だが、異界に関する本は何かと閲覧制限が設けられるが多く、知っているのは以下の点だけ。
・イリュージョンシティとは全く別の空間である
・異界は何らかの要因によって生成されるため、無限に存在する
・その異界の危険度は、異界によりそれぞれ異なる
・迷い込んだものを「シフター」と呼び、異界から抜け出すためには「バインダー」と呼ばれる存在が必要不可欠となる
それ以外にも、異界へ入ってしまうことで何かしらの影響が
シフターとバインダー両方に生じることがあるという噂も聞いたことがあるが、それすらも定かではない。
マフェルリティア:「とにかく、落ち着いて。異界である以上、下手に動くのは危険だ。私も少なからず異界に関する知識は持ち合わせている以上、異界に迷い込んでしまったというのは確信している」
青ざめた顔のシーウィーの目線までしゃがみ、マフェルリティアはパニックになることが
このような場所では一番危険だと告げ、落ち着くように促す。
シーウィーには、マフェルリティアの先ほどまで穏やかだった声が、今では頼もしく感じられるような気がした。
シーウィー : 「し、司書さんも異界についてご存知なのです?私、以前にも異界に捕まってしまったことがあって……その時は、父が助けてくれたのです。
その時、『お前は"目"を持っているから気をつけろ』って……
巻き込んでしまったのは私のせいなのです、ごめんなさいなのです……」
マフェルリティア : 「実体験を元にした者が書いた本で得た知識しかないから、全てを把握しているわけではないけれど、知っていることは知っているよ」
以前も異界に入ってしまったことがあるというシーウィーの言葉に、マフェルリティアは一瞬思慮にふけたが思考材料が足りないのでやめた。
そして謝るシーウィーに一言
マフェルリティア:「異界に入ってしまうのはたまたまだよ、シーウィーに非はないから自分を責めないで欲しい。それが気の迷いとなるのも危ない」
自分を責めないよう優しく言い聞かせ、辺りを確認する。
歪んだ音楽が園内に未だに鳴り響き、辺りには2人以外誰も見当たらない。
だが、暗闇と静寂の中で聞こえていた何かを引きずるような音はまだしている。
シーウィー : 「あ、ありがとうなのです……あの、お父さんが、異界から出るには奥に進んで"ひびわれ"を見つけないといけないって。
だから、怖いけどひび割れを探すのです」
シーウィーは戸惑いながらも、遊園地を見回します。
するとその時二人は、奥からひとつの影が近づいてくることに気づきます。
シーウィー : 「……?人影なのです?だれかいるのです?」
GM:それは、獣人の……いや、よく見ると人が獣人を模したきぐるみのようでした。
GM:それは何かを引きずるように、ずるり、ずるりと近づいてきます。
GM:「ラビットランド」には、マスコットの「ラビットくん」というキャラクターがいます。
あなた達に近づくそれは、まさに遊園地の可愛らしいアイドルそのものでした。
GM:――手に歪んだバットを持っていることを除けば。
GM:あなた達はよく見れば、そのバットがべっとりと血に濡れていることにも気づくでしょう。
シーウィー : 「?! ! で、出たのです!?司書さん、あのヒトなんだかおかしいのです!?」
シーウィーは驚いたのか、あなたの手をギュッと握ります。
GM:-手を繋ぐ-
シフターは怪異の本質を見抜く「目」を持っています。バインダーのあなたは、シフターと手をつなぐことによってその「目」の影響を一時的に得ることが出来ます。
GM:このチャプターでは、ふたりが接触することでバインダーの見えるものが次のように変わります。
・アトラクションが錆びており、とても乗れる状態ではない
・ラビットくんが黒いモヤに包まれている
マフェルリティア:(ひび割れ。たしかにそれを見つけなければたとえシフターと一緒でも異界からは出られない)
シーウィーと警戒しながら辺りを見回していると、マフェルリティアの耳が背後から近づく物音に気づく。
何だと振り返ると、そこにはこの遊園地のマスコットキャラであるラビットくんの着ぐるみが居た。
咄嗟にシーウィーに手を握られ、何かが自分の中に入り込んだ感覚を覚えたマフェルリティアの目は
その様子が明らかにおかしいことを見抜く。
ラビットくんは血塗られ、歪んだバットを持っていること。
こちらに明確な敵意を持っていること。
黒いモヤに包まれていること。
それだけではない、アトラクションがすべて錆つき、とても乗れる状態ではないこと。
まるで十数年放置された廃墟のようだ。
マフェルリティア:「逃げないといけないね、あのラビットくんはこちらに好意は持っていないようだ」
GM:では判定参ります!
-判定-
「ラビットくんから逃げる」難易度:5
ラビットくんはふたりを執拗に追いかけてきます。うまく逃げなくてはいけません。
シーウィー : shifter>=5 (1D10>=5) > 6 > 成功
マフェルリティア : binder>=5 (2D6>=5) > 10[5,5] > 10 > 成功
GM: おお、マフェルリティアさん出目が良い!ではおふたりとも成功です。
GM:ふたりはうまくその場を離れ、ラビットくんから逃げることができました。その後、ロールプレイに進みます。
GM: -ロールプレイ指針-
ラビットくんからの執拗な追跡から逃れる二人をRPしましょう。
ラビットくんは疲れる気配なく、二人はこれからどこかで身を隠す選択を迫られることになるでしょう。
マフェルリティア : 「なかなか諦めてくれませんね」
執拗に追ってくるラビットくんを時折振り返りながら確認するマフェルリティア。
このまま逃げ回っていても埒があかないだろう。
マフェルリティア : 「どうにかして視界を切り、ラビットくんの死角になる場所へ隠れる必要がありそうですね。着ぐるみであれば作りにもよりますがそこまで視野は広くないと思います」
なにかの本で昔読んだ、相手の追跡を振り切る方法と、着ぐるみの構造。
その知識が今生かされることになる。
マフェルリティア : 「強引ですが、浮遊でどうにかラビットくんの視界を切りますよ」
シーウィーを抱え上げ、マフェルリティアは飛ぶのにあまり適さない翼を羽ばたかせて浮遊する。
ラビットくんはそれでも追跡をやめる気配がなく、浮遊しているマフェルリティアと、抱えられているシーウィーを見据える。
マフェルリティア : 「老若男女問わず、しつこいと嫌われますよ?」
この後マフェルリティアはどうにかラビットくんの視界を切り、隠れることに成功した。
シーウィー : 「わ、わあ!司書さん案外力持ちなのです……!」
しがみつきながらも慌てて自分の口をふさぎ、追跡する追っ手の目からなんとか逃れます。
GM:-結末-
一時的に追跡を撒いたふたりですが、ラビットくんが追いかけてくる音が、遠くから聞こえます。
どこかに身を隠し、やり過ごす必要があるかもしれません。ふたりは大急ぎで、近くにあるアトラクションの中へと逃げ込むことにしました……。
GM:次のチャプターに進みます。
チャプター2 「困惑ハイド」 異界深度6
GM:ふたりは無人島での冒険をイメージしたアトラクションの中に逃げ込み、身を隠しました。
ラビットくんは相変わらず、きぐるみと思えないくらい執拗にあなた達を追い回しています。
ラビットくんに居場所がバレないようにしましょう。
GM:マフェルリティアさんが抱きかかえたままで来てくださったのでこちらも。
-手を繋ぐ-
このチャプターでは、ふたりが接触することでバインダーの見えるものが次のように変わります。
・ラビットくんのバットがひしゃげており、赤黒く染まっている
・ラビットくんが血まみれになっている
・様々な場所が赤黒く染まっている
シーウィー : 「ま、まだ追いかけてくるのです……し、司書さん、きっと重いです。私、自分で歩くのです」
マフェルリティア : 「君を守るためならどうということはないさ。でも君が自分で歩くというのなら」
自分で歩くと告げてきたシーウィーに、マフェルリティアは意思を尊重して下ろす。
どうやらここは無人島での冒険をイメージしたアトラクションの様子。
無論のことながら、あちらこちら錆びついておりとても楽しめるような状態ではない。
マフェルリティア : 「とりあえず今のところは隠れられているようだけれど、次はどうなるかわからない。注意して行動しないと」
非常に冷静に事を判断している自分に違和感を覚えるマフェルリティア。
自分が覚えていないだけで、このような状況に陥ったことが以前もある?
だがそれはこの状況では落ち着いて考えられるはずがない。
次なる一手を考えなければ。
GM:では判定行きましょう!
「アトラクションに身を隠し、ふたりを探すラビットくんをやり過ごす」難易度:6
シーウィー : shifter>=6 (1D10>=6) > 9 > 成功
マフェルリティア : binder>=6 (2D6>=6) > 6[2,4] > 6 > 成功
GM:おお結構ギリギリ…!とはいえ調子いいですね。
GM:ラビットくんはふたりに気が付かず、偽物の木々の横を通り過ぎて行きました。
その後、ロールプレイに進みます。
GM:-ロールプレイ指針-
ラビットくんから隠れるシーンです。ふたりで息を合わせてシーンを描写しましょう。
木に身を隠していると、その木が突如動き出し、あなた達に何かをささやくのが聞こえます。
危険はラビットくんだけではないことを警戒しながら逃走を続けましょう。
マフェルリティア : 「待った。ラビットくんが近づいてきてる」
マフェルリティアは第六感でラビットくんの気配を察知し、偽物の木々の間に隠れる。
その際、シーウィーがしゃがみ損ねたが、マフェルリティアがカバーして事なきを得た。
ラビットくんは結果的にこちらには気づかず、通り過ぎて行った。
しかしマフェルリティアの第六感はまだ嫌な予感を告げている。
偽物の木々が唐突に動き出し、何かをささやいているのが聞こえる。
ボソボソとしか聞こえないので、注意深く聞き耳を立てれば何を言っているかを理解できるだろうがそのような余裕はない。
マフェルリティア : 「気をつけて、ラビットくん以外にもまだなにかありそうだ」
シーウィー : 「き、木が動いてるのです!」
声を伏せながらも、あなたに小声で伝えます。
シーウィー : 「なんだか良くない波長が聞こえるのです、ここにいたらきっと良くないことが起こるのです」
シーウィー : 「あっちにラビットくんがいるけれど……司書さん、あっちは音が聞こえないです。逃げるタイミングを見計らってあっちに逃げたいのです」
マフェルリティア : 「私も同じ意見だよ、長居するのはよろしくない」
シーウィーの意見にマフェルリティアは同意し、あっちなら大丈夫そうと言われた方向を見る。
ラビットくんはこちらに完全に背を向けており、大きな音を立てなければ気づくことはないだろう。
マフェルリティア : 「よし分かった」
マフェルリティアは静かに深呼吸をして息を整え、集中状態に入る。
若干額の六芒星模様が光ったが、相手に存在を知らせるほどのものではない。
額の六芒星は、魔力を放出したときだけではなく、集中状態でも光るのだ。
マフェルリティア : 「1、2、3…今だ」
意識を集中させてラビットくんがこちらに気付いていないことを再確認。
マフェリリティアはその後にシーウィーの手を取って速やかに移動する。
この時点でラビットくんは気付いていない、ひとまずやり過ごすことには成功したようだ。
GM:-結末-
ラビットくんをやりすごしたふたりは、アトラクションを離れ、出口を探して遊園地の中を彷徨います。
GM:しばらく歩いていると、大きなお屋敷型のアトラクションを見つけました。ふたりは隠れる場所を求めて、その中へと入っていきます。
GM:次のチャプターに進みます。
チャプター3 「不思議ラビットホール」 異界深度7
GM: - 状況説明 -
お屋敷型のアトラクションに入ると、窓の外にラビットくんが立っていることに気が付きます。
GM: ふたりはラビットくんから逃げるために、このアトラクションの中で隠れ、逃げなければなりません。
- 手を繋ぐ -
このチャプターでは、ふたりが接触することでバインダーの見えるものが次のように変わります。
・ラビットくんの着ぐるみがさらにボロボロになり、手足があらわになる。中の人間はどうやら男性のようだ。
シーウィー : 「い、いい加減しつこいのです…… あ、あれ?あのきぐるみ、破れてるのです?中になにかいるのです……?あっ、きぐるみだからヒトは入っているんでしょうが、あれは誰なんでしょう……?何で私達を追いかけてくるんです……?」
マフェルリティアは、シーウィーの手を一瞬握ってラビットくんの様子が先ほどと変わっていることに気づく。
ボロボロになった着ぐるみの手足の部分から、人間の手足が見えているのが分かる。
そして、マフェルリティアはその肉付きや骨格から人間の男性であることを知った。
マフェルリティア : 「誰かはわからない。こちらに明確な悪意を持っているという点は確かではあるんだけど」
あまり腰を上げると、身長の関係で耳が見えてラビットくんに気づかれてしまうリスクがあるので
耳が窓からぎりぎりはみ出さない一から外の様子を伺うマフェルリティア。
中に入ってこられると八方塞がりになる可能性がある、中に居ることを悟られないようにしなければ。
GM:あなた達が様子をうかがっていると、ラビットくんが不意にあなた達の方を向きます。ラビットくんの顔は酷く歪んでおり、怒りに満ち溢れています。捕まったら何をされるかわかりません!
GM: -判定-
「ラビットくんの執拗な追跡から逃げ続ける」難易度:7
あなた達はラビットくんに見つかってしまいました。部屋の家具などを駆使しながらなんとか逃げ延びましょう!
シーウィー : shifter>=7 (1D10>=7) > 6 > 失敗
マフェルリティア : binder>=7 (2D6>=7) > 6[2,4] > 6 > 失敗
マフェルリティア :ここにきてか
GM:おっとここで両失敗です!失敗して変異を選ぶか、フラグメント効果を使って切り抜けられます。
GM:フラグメント効果を使用する場合、片方のみ成功なら1、両成功なら2必要になります。
マフェルリティア :フラグメント効果を割るのもありだが
GM:じっくり考えて大丈夫です!だいぶ終盤まで来ていますが、現段階ではまだ変異を受けても進めます。
変異、フラグメント効果の使用はルール大丈夫そうですかね?
※このGMの確認は、PLであるGoluda_Aが別の方の体験卓を一から見学していたため、そこで前回でルールを把握してる?大丈夫?という確認です
マフェルリティア : 温存してどう出るかでいこう
GM:わかりました!では変異を受ける方向になります。
マフェルリティア : さあどう出るか
GM:シーウィーがラビットくんに腕をつかまれ、押し倒されてしまいました。ふたりはラビットくんに追いつかれ、捕まってしまいました。
GM:しかし、必死の抵抗によって、どうにかその拘束から逃れることができます。
GM:ふたりは再び駆け出しますが、ラビットくんにつかまれた箇所には、現実にはありえない変異が発生してしまいます。
GM:フラグメントをそれぞれ「変異表:恐怖」の結果に変異させます。
GM:おふたりとも「HFE」と入力し送信を行って下さい。
シーウィー : HFE 変異表:恐怖(1) > 不安 → 漠然とした不安が心を蝕む
マフェルリティア : HFE 変異表:恐怖(1) > 不安 → 漠然とした不安が心を蝕む
GM:おっ、仲良く同じ変異を受けましたね。では忘却するフラグメントを選んで宣言してください。パネルはこちらで操作します!
GM:シフターは「ふわふわもこもこ」を変異させます。取り押さえられた時羽の一部をむしられてしまったのでしょう。
マフェルリティア :六芒星模様を犠牲にします。よりにもよってそこの部分をむしり取られたと言う感じで
GM:了解です!では変異が完了しました。痛々しい…!その後、ロールプレイに進みます。
GM: -ロールプレイ指針-
ふたりは手を取り、ラビットくんから逃げるべく、アトラクションの中を駆けます。
お屋敷の中には隠れる場所がたくさんありますが、ラビットくんは人間離れした力でそのすべてをバットで叩き壊しながら、あなた方を追い詰めます。
変異を描写しながら、隠れても意味がない、という凶暴な存在から逃げ回すシチュエーションを、濃厚に描いてみてください。
シーウィー : 「い、痛いのです!離して……!司書さん、たすけ…!」
シーウィーはラビットくんにブチブチと羽をむしられ、痛めつけられながらもなんとか逃れようとしています。
マフェルリティア : 「あなたにそこまでする権利はありませんよ、離しなさい!」
ラビットくんの力に負けじ劣らず、あるいは一歩及ばない程度の力を発揮し、引き離そうとする。
本来竜族は相当に力があるものが多いのだが、このラビットくんは規格外だ。
人外と渡り合える力を持つ人間など、そんな簡単に生まれるものではない。
ましてや、その後力をつけたとしても才能の有無により左右されるし、仮に才能を持っていたとしても血反吐を吐くような修行が必要なのだ。
マフェルリティア : 「異界はやはり現実の常識が通用しないようですね」
どうにかラビットくんをシーウィーから引き離し、互いに組み合いとなる。
その際、ラビットくんはマフェルリティアの強く光る額の六芒星模様の部分を鷲掴みに。
だがマフェルリティアは意に介さない、シーウィーを守るためにアドレナリンを過剰分泌させ、痛覚を極限まで鈍らせているのだ。
マフェルリティア : 「セイッ…っ!」
マフェルリティアはラビットくんを、足技のような動きで地面へ叩きつけた。
叩きつけた勢いで、額から大量に毛が抜けていく感覚と、アドレナリンの過剰分泌で極限まで鈍った痛みが額から全身を駆け抜ける。
ラビットくんはそのまま動かなくなる。
気絶しているようだが、人外に負けじ劣らずな力を持っている以上10秒もあれば意識を取り戻すだろう。
マフェルリティア : 「気絶している時間はそうないはずです。今のうちに逃げますよ」
本当に逃げ切れるのか?
そんな漠然とした不安に蝕まれながらも、マフェルリティアはシーウィーを連れて逃げる。
その背後では、ラビットくんが気絶から目覚め、もはやケダモノと言わんばかりの叫び声を上げながら再び追ってくる。
目につくものすべてをバットで破壊していくその様は、もはや狂戦士(バーサーカー)といっても過言ではない。
GM:おお力作…
シーウィー : 「司書さん、額が……!ひ、ひどいです!司書さんまでこんなになっちゃうなんて……」
信頼しているマフェルリティアすらダメージを負ってしまったことに不安と罪悪感を覚え、小刻みにふるえています。
それでも、その声に励まされなんとか地面を蹴ると前に進みます。
GM:- 結末 -
ふたりはラビットくんをやり過ごすために、階段裏に隠れました。
ラビットくんが別の方向へ歩いていくことを確認してから、その場を離れようとしたところ、シーウィーが隠し扉を見つけ、地下へと続く階段を発見します。
GM:暗い階段を降りていくと、石畳の地下通路がありました。風が暗闇の先に向かって吹いており、どこかに続いていることがわかります。
ふたりは出口を求め、地下通路の奥へ進むことにしました……。
ファイナルチャプター 「絶体絶命エスケープ」 異界深度8
GM:地下通路をしばらく進むと、周囲がぐにゃりと歪み始めます。
硬い地面だと思っていた石畳は、黒い汚泥へと変化しており、そこから泥でできた手が多数伸びています。
GM:どうやら、無事に帰ろうとするふたりを邪魔したいようです。
しかし、引き返すわけにはいきません。
GM:大きな破壊音と共に天井に穴があき、ラビットくんがふたりの後ろに飛び降りてきたのです。
ふたりは泥の手とラビットくんから、どうにか逃げなければなりません。
GM:-手を繋ぐ-
このチャプターでは、ふたりが接触することでバインダーの見えるものが次のように変わります。
・ラビットくんの本来の姿が見えます。ラビットくんはでっぷりとした中年男性。分厚い丸眼鏡に整えられた髭面が特徴的です。ずいぶん着古された遊園地の制服を身に着けており、胸に園長と書かれたネームプレートを付けています。
・この異界はラビットランドの園長の私怨と遊園地に渦巻く様々な感情が作り出した偽の遊園地です。異界は園長の私怨に従い、園長の私怨は子供たちを遠ざけるカップルを殺そうとしています。
園長/GM(以降園長) : 「フタリグミ……キエロ……コドモ……園ニ活気ヲ……ラビットクン……ラビットクン……
……やあ、僕ラビットくんだよ!
やあ、僕ラビットくんだよ!
やあ、僕ラビットくんだよ!やあ、僕ラビットくんだよ!やあ、僕ラビットくんだよ!」
シーウィー : 「え、園長さんなんです……?!二人組って、無差別にそんな……!ひどいです!そんなことしたら、ヒトも、獣人も、もっと来なくなっちゃうです!」
震え逃げながらも叫びだしています。
マフェルリティア : 「…」
額の毛をむしり取られてはげた部分をさすりつつ、
漠然とした不安を己の冷静さと真面目さで押し殺しながらマフェルリティアは園長の方を見やる。
マフェルリティア : 「この異界を作り出したのは、他ならぬあなたですね」
シーウィーの手を安心させるようにギュッと握りしめ、ラビットくんの本来の姿を見破ったマフェルリティアは静かに言う。
まだ額の毛を無理やりむしり取られた部分がじんじんと痛むが、それはなおも過剰分泌で作用しているアドレナリンによりそこまで気に障るものではない。
マフェルリティア : 「そして、あなたがカップルを恨む理由も。なんとなく分かりました」
まるでどこかの探偵のように、マフェルリティアは淡々と語りだす。
マフェルリティア : 「あなたがラビットランドを開園したのは、子供が好きだから。そしてそこに訪れる子供たちが楽しんで、満足して帰っていくのを見るのが何よりの楽しみだったのではないのですか?」
ラビットくんこと、園長は黙ったままこちらの話を聞いている。
泥の手たちも、まるでラビットくんに「今は手を出すな」と命令されたかのように大人しい状態。
マフェルリティア : 「最初は家族連れで来る客も多く、あなたは開園したことを誇りに思っていたはずです。ある折返し地点に来るまでは」
なおも、マフェルリティアはシーウィーの手を握ったままだ。
その方が漠然とした不安もいくらかマシになる、そう確信していたからこそ。
マフェルリティアは話を続けた。
マフェルリティア : 「その折り返し地点とは、家族連れで来る子供が減り、代わりにカップルで来る客が増えたこと。それによって来園者数が減り、経営もやや厳しくなってきた」
マフェルリティアの探偵が自分の推理を話すような口調はまだ終わらない。
マフェルリティア : 「その後も経営が厳しくなる一方で、あなたは様々な策を講じてきたことでしょう。もう一度家族連れで子供がたくさん来ることを願って」
マフェルリティア : 「でも現実はそうはいかなかった。裏目に出た策もあり、やがてあなたは妻子に見捨てられた」
十数秒の静寂が流れる。
ラビットくんは、なおも襲ってこずにこちらの話を聞いていた。
マフェルリティア : 「それが元で、あなたはカップルに強い怨みを抱くようになった。カップル客が増えたことで、本来この遊園地を開園した目的とはかけ離れてしまったから」
探偵が、犯人はあなたですねと断言するかのような口調でマフェルリティアは言い放つ。
マフェルリティア : 「憎い、すべてのカップルが憎い。私の園を汚すカップルすべてが憎い、そして殺したい。あなたから感じる私怨からはそれらが強く感じられます」
マフェルリティア : 「そして『異界』はあなたの私怨に呼応するようにこの空間を作り上げた」
GM:目の前のラビットくん……いや、園長は、あなたの言葉を遮るように、バットを地面に叩きつけます。
すると、汚泥たちは一斉にあなた達に向かって襲いかかります。
うるさい、黙れ、ここから帰すな、とでも言うように。
GM:では、最後の判定です。
GM:「ラビットくんから逃げつつ、出口を探せ!」難易度:8
※この判定は「ふたりとも成功した」になるまで終わりません。
GM:もつれる足、あがる息、息をするたびに痛む胸......ふたりとも体力の限界を迎えてしまいそうです。
早く出口を見つけなければ、理性を失い暴れるラビットくんに捕まってしまいます。
シーウィー : shifter>=8 (1D10>=8) > 9 > 成功
マフェルリティア : binder>=8 (2D6>=8) > 6[2,4] > 6 > 失敗
マフェルリティア : さすがにここで割らないとロストするリスクが高まる
GM:あえて変異を受けて危機を演出するという遊び方もできますよ(ゲス顔)
フラグメント効果1でいけるんで行っちゃいますか!使い方は分かりそうでしょうか?
マフェルリティア : 司書ないし翻訳を捨てると戻れた後の仕事に影響しそうなので、あえてここは翼を捨てて浮遊することを忘れる
マフェルリティア : 浮遊くらいなら他の同僚にも飛べるやつが居るのでもんだいないということで
GM:あ、それは変異の時の処理ですね!
GM:フラグメント効果は、今残っている(または変異として存在している)フラグメントを1つ宣言した上で、「そのフラグメントをどのようにして危機脱出に使うか」を宣言して使うものです。
マフェルリティア : では翼を使い、一度視線切りして逃げた時と同じようにシーウィーを抱え、浮遊して逃げ切ります。
マフェルリティア : 今度は全速力の浮遊で
GM:OKですー!いいですね!
ではフラグメント効果1使用してうまく成功に転じさせることが出来ました。
GM:ふたりは汚泥に引きずりこもうとする手を払い、ラビットくんから必死に逃げつづけます。やがて、通路の先に光が見えます。
その光は地下通路の終わりであり、同時に「異界のひびわれ」であり、現実に帰るための出口だとシフターにはすぐにわかりました。
GM:これが最後の見せ場です。
バインダーは、シフターを連れてこの異界から脱出しましょう。
脱出するロールプレイを終えたら、アフタートークへ進みます。
マフェルリティア : 「これ以上、あなたと話していても意味がありませんね。私怨だけで動く骨肉のゴーレムと化してしまったラビットくん。いえ、園長さん」
シーウィーを連れて泥の手を振り払い、ラビットくんこと園長の攻撃を回避し、時にはかばい、マフェルリティアはシーウィーを護る騎士(ナイト)と化す。
だが、2人が思った以上に泥の手とラビットくんの攻撃は激しく、マフェルリティアとシーウィーの体力も限界が近づき、マフェルリティアもバットによる殴打をかばったりしたため
あちこちに表面からでは見えない打撲を負っていた。
マフェルリティア : 「シーウィー、もう一度君を抱えて浮遊します。しっかり掴まっていてください。ここでもし、ラビットくんに捕まってしまえば私も君もここで終わりです」
四の五の言わずにシーウィーを抱えながら、忠告するマフェルリティア。
もはやアドレナリンで無理やり心臓を動かしていてもきついほどだ。
だがここで諦めれば、未来はない。
シーウィーのためにも、騎士となった自らのためにも、今ここですべてを終わらせるわけにはいかないのだ。
マフェルリティア : 「私怨とともにこの異界で留まり続けなさい!あなたが本当の自分を取り戻せるその日まで。私達は客としてラビットランドを再び訪れることでしょう…!」
シーウィーを抱え、助走をつけ、翼を羽ばたかせ、浮遊する。
速く、もっと速く、通路の先に見える光を目指して。
マフェルリティア : 「~~~っ!」
全力疾走の浮遊移動のため、体のあちこちが痛む。
だが止まるわけにはいかない。
痛む体に鞭を打ち、マフェルリティアは微妙な翼の動きで泥の手を避け、ラビットくんと距離を取る。
さらに、さらに速く。
この体が燃えようとも、せめてシーウィーだけでも、騎士の役目は姫をその命に代えてでも護ること。
馬がやれれたらその剣で、剣が折れたらその拳で、鎧が砕ければ己の肉体で。
護るべき人を護るためなら命など惜しくない。
マフェルリティアの騎士像は、そういうものであった。
そしてマフェルリティアは、シーウィーを抱え、通路の先の光へと飛び込んだ。
白い光が身を包む、目が開けられない、アドレナリンが切れたのか、体中の痛みが倍になる。
でもどこか、安心感があった。
『異界から脱出できた』
その事実はどうやったとしても覆すことはできない。
シーウィーとマフェルリティアは、私怨の渦巻く異界から無事に脱出できたのだ。
少々の『代償』をその身に刻んで。
アフタートーク
GM:-結末-
光に満ちた異界のひびわれに飛び込むと、ふたりはそれぞれ、現実世界の遊園地に戻ることになります。異界からの脱出は成功しました。――無事かどうかはともかく。
それでは、物語の結末を描きに、アフタートークへ進みましょう。
GM:ではアンサングデュエットのルールに則り、帰還できるかどうかの処理を行います。
GM:シフター 変異1 フラグメント5
バインダー 変異1 フラグメント5
現実への生還に成功しました。
GM:では異界からの変異に抵抗しましょう。バインダーのマフェルリティアさん、1d6をどうぞ。
1d6 (1D6) > 4
マフェルリティア : お互い毟り取られた毛は元に戻ったようで
GM:お、では変異への抵抗に成功しました!フラグメントが2つ回復し、忘却のチェックを外します。
GM:では、帰還した二人で最後のRPを行います。
GM:ロールプレイ指針-
元の遊園地に戻った後のロールプレイを始めましょう。
閉園の挨拶をするためか、ゲートにはラビットくんが立っていますが、とくにおかしなところはありません。
GM:しかし、その隣でにこやかに人々を見守っている園長と目が合うと、なぜかにやりと、あなた方に微笑んできた気がします。異界で遭遇したのは、本物だったのか、幻だったのか......。
GM:けれどまずは、かけがえのない日常に帰還できたことに祝福を。
生還、おめでとうございます!
シーウィー : 「う、いたた……司書さん?司書さんはいるですか?!」
マフェルリティア : 「大丈夫、ここに居ますよ」
異界で感じた頼もしさが嘘のように、穏やかな物腰で口元に笑みを浮かべてマフェルリティアはシーウィーに手を差し伸べる。
それはまるで、転んでしまった姫へ手を差し伸べた騎士のように。
シーウィー : 「し、司書さん、恥ずかしいですぅ……」
顔を真っ赤にして縮こまりますが、そっと手を伸ばします。
シーウィー : 「……でも、司書さん、たくさん助けてくださいました。その……司書さん、というより、騎士さんみたいだな……って……」
そしてより一層顔を赤くすると、小さな声で口にします。
シーウィー : 「ま、マフェルリティアさん…ありがとう、ございます」
マフェルリティア : 「ふふっ、ようやく名前で呼んでいただけましたね。こちらこそ色々助けてもらいました。さあ、帰りましょうか」
マフェルリティアは、久しぶりに心の底から笑った気がした。
自分にとっての姫君を見つけた気がしたから、シーウィーの慕っている気持ちを一層無駄にはできないと思ったから。
そして黄昏の中、2人はラビットランドを後にする。
あんな恐ろしい目に遭ったのに、2人を見送るラビットくんは本来のマスコットキャラクターとして来園者を見送っていた。
そして、園長が微笑んできたかのように思えたマフェルリティアは後ろを振り返るが、園長は帰っていく来園者たちににこやかに手を振っているだけだ。
あの体験が真か幻か、今はそんなことはどうでもいい。
『今も私達は生きている』それはかけがえのない事実なのだから。
気弱と真面目で冷静なモフモフの異界冒険 -完-