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監査法人繁忙期に意識すると良いこと

こんにちは。ゴルファー会計士です。

仕事が忙しくnoteの更新が久しぶりになってしまいました。

充実した日々を過ごしているので、満足感はあるのですが、発信作業も楽しいのので、ここらで、監査法人の繁忙期について話していきます。


監査法人の繁忙期は4月~5月。

3月決算会社が多いので、この時期が繁忙期ですね。毎年、桜を見ると繁忙期が始まるのか。。と感じ、GWも仕事。気づけば、5月が終わるような感覚です。


繁忙期は忙しく、マイナスにとらえがちですが、一方で、一気に成長できるチャンスでもあると思っています。

それは、自分にかかる負荷が大きいので、その負荷を糧にして成長できるからです。

特にスタッフ、シニアスタッフは、吸収力が高いので、この時期に大きく成長できます。


今回の記事では、繁忙期に意識してほしいことを紹介します。

漠然と仕事に取り組むのではなく、成長するための視点をもって、仕事に取り組んでみてください。

きっと大きな成長が待っています。


繁忙期に意識すると自分の成長につながることを4つ挙げます。

①プロマネ力
②ビジネス力
③監査力
④コミュニケーション


①プロマネ力

まずはプロマネ力。

スタッフはまずは自分の進捗管理をちゃんと行うのが大事。

具体的には、自分の進捗管理をチームにきちんと共有する。遅れているのか、順調なのか、遅れているなら、何時間遅れているのか?

進捗状況は上司が一番気にすることです。

一人の遅れが積もると、チームの大きな遅れになります。


状況を常に報告してもらうだけでも、上司は安心します。信頼します。


次に、自分の仕事をプロマネする力を付けていきましょう。

最終的には、チームのプロマネを主任(インチャージ)はやる必要がありますので、そこを目指していきます。


そのために、まずは自分の仕事を管理しましょう。

最初に、1日のタスク管理の方法は、まず、紙にやるべきことを書く。

次に、どれだけ時間がかかるをそこに書く。(9時~10時××作業)

1日のスケジュールを決定する。(9時~10時××、10時~12時××)

作業に取り掛かったら、開始時間を書く。終わったら終了時間を書く。(9時~10時××作業➡実績9:05~10:20)

その間、他のことはやらない。


これをやるだけで作業スピードは格段に上がります。

シングルタスクと言われるもので、一つのことだけに集中するという方法です。

私は基本、メールは閉じる。電話も集中しているときは出ないようにしています。(新人さんは程度に注意ですが。)


②ビジネス力

監査の分担は、勘定科目単位。

新人さんはまずは、現預金と借入を担当することが多いです。

何も考えずに仕事をすると、勘定科目の視点になりがち。

実査の結果と突合、確認状の金額と突合。というように、作業になりがち。

ミクロ的な視点だけでなく、マクロ的な視点、つまりビジネスにも着目するべきです。

現預金の場合、現預金の増減理由は?、この会社はなんで、こんなに口座が多いのか?

こんな疑問を解決するのは、マクロ的な視点、つまりビジネスを理解する必要があります。

当期は、売上が好調だったが、一方で、新しい工場を借入をせずに、自己資金で建設したから、現預金が減少。というように、マクロ的な視点がないと、現預金の増減理由は把握できません。

なんで口座数がこんなにあるのか?

それは、この会社は多角化経営を行っていることと、支店の数が多いから、口座数が多い。

こんな風に、ビジネスを理解することが本当は、監査では必須スキルなのです。


ただ、意識しないと、作業ベースになりがち。それでも仕事は何とか終わります。

でもスキルは残りません。

ビジネスを理解して、勘定科目を理解し、なぜ数字がこんな風に動くのかを理解することが、大事で、それがスキルになります。

このスキルによって、監査では誤りを発見できます。

例えば、キャッシュフロー計算書の検討で、まずは、会社の動きを抑えます。

売上は好調だったのか、何か設備投資したか、資金調達はあったか、組織再編はあったか?

自分の中で、キャッシュフローは今年どんな動きだったか仮説を立てます。

それと反した動きがあれば、深堀する。その中から、誤りが発見されます。

私は事務所の中でも誤りを発見することが多かったのですが、その要因は、ビジネスの理解と、仮説思考です。


このように、勘定科目の視点、ミクロ的な視点だけでなく、マクロ的な視点を持つことが、自分のスキルアップにもつながるし、誤りの発見にもつながります。


③監査力

監査手続きの理解です。

基本、前期調書をベースに監査します。

でもそもそも、前期ベースの調書が正しいことをやっているかどうかは常に懐疑心を持つべき。

前期、同じように新人さんがその調書を作っています。

なので、なぜこの手続きをやっているのか、本当にこれで誤謬が発見できるのか、自問自答しながら、手続きをやることが大事


なぜなぜ?を繰り返しながら仕事をするのがいいです。

そこから、誤謬が見つかることも少なくありません。


また監査チームによっても監査の方法が違います。(そもそも違うのっていいの?という話はおいておきます)


なので、自分が関与しているチームの監査調書を較べてみるのもお勧めです。


その中から、自分の監査方法を確立していけると仕事が楽しくなってきます。


個人的には、複雑なことを考える前に、前期比較が手っ取り早く、かつかなり効果的な手続きと思っています。

前提として、まずは仮説を持ちます。当期はどういう動きをしているのか、その時にトピック事項を頭に浮かべます。そのトピック事項が財務諸表にどう影響するかを考えます。

その仮説を持ったうえで、前期比較を行います。

仮説とずれた動きをしていれば、深堀。これを繰り返します。

仮説が外れることもありますが、だんだんと精度が高まります。

この繰り返しによって、監査力が上がっていきます。


④コミュニケーション

コロナ禍ということで難しい面もありますが、なおさら、重視したいのがコミュニケーション。

社内とクライアント両方ともに重要です。

クライアントとのコミュニケーションは、場数で成長します。ここでは質問力の強化と理解力の強化。

ただ漠然と聞くのではなく、仮説を持ちながら、聞くことで、聞きたい情報を正確に早く引き出すことができます。

監査にしろ、コンサルにしろ、クライアントとのコミュニケーションが重要です。どんなに正しいことを言っても、伝え方が間違っていれば、相手は動きません。

会計士なので、ある程度ロジカルに物事を考えられる分、伝え方が下手な人が多いです。

伝え方をあえて、重視しない人もいます。

でも、この伝え方を意識するだけで、仕事のしやすさ、会社の改革の進め方がかなり変わります。


今、コンサルに転職して、この伝える力と、聞く力を監査法人で鍛えていて良かったなと感じます。

どんな場面でも職種でも必須スキルです。

かつ監査だと、結構な偉い人にも接触できる機会が多いのは間違いないです。

他の職業ではあまり経験できないことです。このチャンスを是非活用しましょう!


■まとめ

繁忙期はつらいです。

忙しすぎて、疲弊し、ストレスもマックスになります。

だからこそ、自分のキャリアのためになることを意識するべきと思います。

ただ疲弊するよりも、自分の身になることを意識して、仕事をするのでは、キャリアが大きく異なります。

環境は簡単に選べませんが、その環境をどう生かすかは、自分次第。


この記事が少しでも、キャリアの一助になればうれしいです☺









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