他伝シリーズその② 「とある引退者の生い立ち編(完結)」
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NAPギルドをガチ勢が集まる怖い場所だと思っていた私はうっかり爆誕させてしまったサブも最初はNAP外ギルドに置いていた。デイリー任務のゾンビの巣窟はいつもどこからかやってくる謎のゲイリーとフレッドに助けられていたし、弱すぎて避難所攻撃もされなかったので特に困ることは無かった。しかし、ある日を境にゲイリーとフレッドは姿を現さなくなった。ギルドメンバーに名前はないけど巣窟ギャザーの時だけは無言で参加してくれる仲良しのゲイリーとフレッド。NPCの意味を理解していなかった私は数日の間ずっとゲイリーとフレッドが戻ってくるのを待っていた。
ゲイリーとフレッドがもう来ないと悟った私はNAPギルドの意味を実体験するためにNAPギルドへ入ることを決意した。そしてギルド対外宣言の中から1番ゆるそうな…クセの少なそうな日本人ギルドを選んだ。私がパズサバ生活で最も長く過ごすことになるギルド。本体も後からそこに連れていった。
無知を極めし者だった私はそこで多くのことを教わった。1番驚いたことはデッドライジングのゾンビにシールドが通用しないことだったかもしれない。シールドを無敵アイテムだと思っていた私はシールドを貫通するゾンビやばいって思っていた。巣窟を倒しても何もない地面から湧き続けるし、そこに避難所移動させたらなんかその避難所がゾンビの源泉みたいなことになるし、とにかくデカイ。あのゾンビはやばかった。かつてゼニスでテロップに促され、ハブに3時間かけて突っ込んでいったあのギルマスの行動がいかにぶっ飛んだ行動だったかもこのギルドで知った。
ギルド合併先のギルメンが心配だった私は2つ目のサブを作り、少しだけ合併先に置いた。相変わらずNAP外だったけど会話もあり楽しそうに過ごしていた。韓国マンは相変わらず暴れていた。私はギルド前哨の配置の仕方とか、スピーカーは安全なイベントとか本体側で学んだことを伝えていった。浄水争奪戦デビューは私がサブを作るよりも前に終えていたが様子を聞くと彼らは避難所を燃やしまくってポイント稼ぐものだと思っていた。浄水要素どこ行った。初心者ギルド同士の合併だったし、私も移民するまでルールなんて知らなかったから仕方ないけどとんでもないギルドにギルメンを託してしまったかもしれないとは少しだけ思った。きっと浄水輸送部隊もガン無視されて驚いていたことだろう。ルールを教えてもらってそれをそのまま伝えた。官職にしっかりした人がいたおかげで次から施設をちゃんと占拠するようになったらしい。
本体側のNAPギルド生活は平和だった。シールドをしなくていい。みんなシールドをしていない。ギャザーのレベルが高く、5分で成立する。片道20分とかかけて採集に向かっていたレベル6のタイルが近い。ギルチャに人がいる。全てのことに感動した。そして私のルールを理解した上でのパズサバ生活はここから始まった。[完]