なぜ海外でスキー?南半球??
14歳の時に初めてヨーロッパに行った話は前回書ましたが、なぜ海外でスキーのトレーニングをするかと言う事について説明しつつ海外での生活についても少し書いていきます。
環境の面から説明をすると日本でスキー場がオープンするのはだいたい12月中旬からクリスマス前です。
しかも降雪の加減と言うのはある意味、いつの時代になっても神頼みの部分が多いですから標高が低い日本のスキー場では人工降雪機を設置しているスキー場でも気温が寒くならない限り雪を降らせることはほぼ不可能に近いです。
その点、オーストリアを中心とした氷河では年間365日を通じて滑れるスキー場も存在するほどヨーロッパではスキーが身近なものであり、なおかつ観光産業やスキー産業など国の重要な産業となっています。
以上のことからスキーは身近な存在であり、アルプス地方に暮らす人々の生活の糧でもあります。
同時に春から秋にかけてはカーレースのF1、秋から春にかけてはスキーというように世界中をツアーとして転戦するスキーワールドカップが興行として成り立っています。
※アルペンスキーは通称白いサーカスと呼ばれ、世界中を転戦する。
競技力向上の面では、上述したように日本では限られたスペースの中でコースをトレーニングに使うのはとても難しい状態といいますか、なかなか理解が得られることが難しいですがヨーロッパでは長いコースでトレーニングで使うことが可能であり、より実戦的かつレースに適した雪質の状態で練習することが可能です。
そのためスキー競技の特性上、競技力向上を考えるとどうしても滑走量を増やさなければいけなく、スキーシーズンでの結果を求めるとなると雪を求めていくしかなくなるわけです。
世界のトップ選手、それを目指すレベルになると私たち日本人が夏の時期には南半球が冬であり、フレッシュな雪、水を撒いて氷にしたレースに近い状態でトレーニングができるオーストラリアやニュージーランド、南米などでトレーニングを行うチームもいます。
※水を撒いて氷にしたスロープ
こんな感じで年間のスケジュールが逆算して考えていくと色々と組み立てることが可能ですがコロナパンデミックの前は簡単にできたことが現在では制限緩和になりつつあっても様々な制約が残って今の現状です。
ではニュージーランドとオーストラリアも何度か行ったことがあるので思い出を書いていきたいと思います。
日本からニュージーランドに直行便で行くと時差は3時間位ですので、とても楽ですがニュージーランドは特に大陸ではないので入国する際の審査がとても厳しくいろいろな問題も発生しやすい国です。
合宿をするとなればまた別の機会に詳細は書きますが、常に合宿はコストとの戦いでありコンドミニアムやアパートを借りての合宿が多くなっていきます。
合宿生活でホテルで3食を食べると言うことが普通の形ならば想像しやすいと思いますが、コストとの戦いである合宿では自炊をすることが多く、日本からいろいろな食材を持っていて調理をしていました
私の父と一緒に合宿に行った時は父が料理が得意だったので色々と作ってくれてとてもおいしかったことを思い出します。
私も選手と行ったときホットプレートなどを持っていきニュージーランドは羊が有名ですからジンギスカンや焼き肉を食べたり、いろいろな料理にも挑戦しました。
意外と合宿はすべてを管理されてるように思うかもしれませんが、どんなレベルでも自炊の合宿等もあるので読んで頂く方にしてみれば意外かもしれません。特にプライベーターならば尚更です。
※ミーティングを兼ねての夕食の様子
よくいろいろなメディアで他競技が合宿にシェフを連れて行ったり栄養士が帯同、と言う報道がありますが、それは本当に一握だけであり意外とみんな質素な生活をしています。
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