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SONY(ソニー)Alpha 1 IIは期待外れ!?97万円の価値はあるのか?進化した点と惜しい点を徹底解説

ソニーAlpha 1 Mark II レビュー:完璧を目指した進化は、期待に応えたのか

カメラ界に新たな旗艦モデルが登場しました。ソニーの最高峰カメラ「Alpha 1」の後継機、Alpha 1 Mark IIです。6,500ドル(日本円で約97万円)という価格に見合う進化を遂げたのか、実機を使用して徹底的に検証しました。
2024年12月13日発売予定


Sony Alpha 1 Mark IIの主要特徴

基本性能

  • 初代Alpha 1からのプロ向け転送機能強化

  • Alpha 9 III譲りの人間工学的なボディデザイン

  • 握りやすさを追求した新グリップデザイン

通信機能

  • 2.5Gbpsイーサネット対応

  • 高速Wi-Fi通信

  • プロ現場での即時転送に対応

新型標準ズームレンズ(FE 28-70mm F2 GM)

  • 918gの軽量設計

  • キヤノンRF 28-70mm F2と同等の光学性能

  • 商業撮影・ブライダル撮影に最適

プロフェッショナル仕様

  • 信頼性の高いシャッターユニット

  • 高速連写性能

  • プロ現場を意識した操作性

市場での位置づけ

  • 報道用カメラ市場でのリーダーシップ

  • キヤノン・ニコンに対する競争優位

  • 軽量化と機能進化による市場優位性の確保

以下は2021年3月発売の「SONY α1」

期待と現実の狭間で

カメラマンとして20年以上のキャリアを重ね、数々の機材を使ってきた筆者は、初代Alpha 1の登場時、その革新的な性能に心を奪われました。その結果、手持ちの全てのカメラをAlpha 1に統一するほどの信頼を寄せ、日々の撮影現場で絶大な信頼を置いてきました。

しかし、今回のMark IIには率直に言って複雑な思いがあります。確かに手ブレ補正やAI性能など、確実な進化は遂げています。新しい15軸フリップスクリーンは、撮影の自由度を大きく広げてくれるでしょう。しかし、その進化は私たち熱心なユーザーが期待していた方向性だったのでしょうか。特に、同じセンサーを採用したという事実は、フラッグシップモデルとしての存在意義に一石を投じるものかもしれません。

6,500ドル(約97万円)という価格を考えると、この複雑な思いは更に深まります。その進化は、私たちの期待に、そして市場の要求に本当に応えるものだったのでしょうか。

何が変わり、何が変わらなかったのか

最も注目すべき点は、センサーが初代モデルと同一という事実です。解像度もダイナミックレンジも、そしてローリングシャッターの性能も変わっていません。ただし、新たに搭載されたAIプロセッサにより、被写体検出能力は大きく向上しています。人物や動物はもちろん、飛行機や列車まで自動で識別・追跡が可能となりました。

手ブレ補正の驚異的な進化

特筆すべきは手ブレ補正の進化です。5.5段から8.5段へと飛躍的に向上し、特に動画撮影時の効果は目を見張るものがあります。歩きながらの撮影でも、驚くほど安定した映像が得られます。

使い勝手を徹底的に見直したボディデザイン

a9 IIIをベースにしたボディデザインは、実用性を重視した改良が施されています。特に注目は新しい15軸フリップスクリーン。あらゆる角度からの撮影を可能にし、カメラの使用体験を一新させています。

革新的な新機能の数々

プリキャプチャ機能やノイズ低減のための新しいRAW合成モード、デュアルバッテリーチャージャーなど、実用的な新機能も搭載。しかし、これらの機能は本当にフラッグシップモデルにふさわしいものなのでしょうか。

見過ごせない課題

気になるのは、ソニーのファームウェアアップデートに対する姿勢です。新機能は新モデルにのみ搭載され、既存モデルへの機能追加は期待できません。これは6,500ドル(約97万円)ものプレミアムを支払うユーザーにとって、大きな懸念材料となるでしょう。

結論:完璧を目指した進化の先に

Alpha 1 Mark IIは、間違いなくソニーが作った最高のカメラです。しかし、それは同時に「完璧なカメラ」への途上にあることも意味しています。継続的なアップデートとサポートがあってこそ、真の旗艦モデルとしての価値が完成するのではないでしょうか。

現行モデルからのアップグレードを検討している方々へ。このカメラの性能は確かに素晴らしいものです。しかし、その投資価値は、あなたの撮影スタイルと優先順位に

高解像とスピードを高次元で両立する有効約5010万画素メモリー内蔵フルサイズ積層型CMOSイメージセンサー。そこから取り込まれた大量のデータの高速処理を可能にする画像処理エンジンBIONZ XRに加え、AI処理に特化した最新のAIプロセッシングユニットを搭載、最新世代のフラッグシップにふさわしいシステムへと進化を遂げました。被写体を高精度に捉えるリアルタイム認識AF、ブラックアウトフリーでのAF/AE追随・最高約30コマ/秒(*1)の高速連写、さらに最大1秒前までさかのぼっての撮影が可能なプリ撮影機能(*3)など先進的な機能の組み合わせにより、決定的瞬間を驚異的な解像度で撮影できます。また、アンチディストーションシャッターによる歪みを抑えた撮影も可能です。プロの信頼とニーズに応えるこれらの高い性能を、質量約743g(*2)の小型・軽量ボディに搭載しています。

sony公式サイト

ソニーAlpha 1 Mark IIを購入すべきユーザー

最新鋭の機能を詰め込んだソニーの新フラッグシップ、Alpha 1 Mark II。6,500ドル(約95万円))という価格に見合う価値があるのは、どんなフォトグラファーなのでしょうか。実際の撮影シーンに即して、具体的にご紹介します。

1. プロスポーツフォトグラファー
サッカーやテニスなど、激しい動きのスポーツを撮影するプロカメラマンにとって、このカメラは強力な武器となります。

具体例:

  • 週末のJリーグを中心に活動するスポーツフォトグラファーAさん(35歳)

  • 課題:選手の決定的瞬間を確実に捉えることに苦心

  • 解決策:

    • 進化したAI被写体認識で選手を確実に追跡

    • プリキャプチャ機能で決定的瞬間を逃さない

    • 8.5段の手ブレ補正で望遠レンズでも安定した撮影が可能

2. ウェディングフォトグラファー
結婚式という二度とない瞬間を記録する職業フォトグラファーにとって、信頼性の高い機材は必須です。

具体例:

  • 都内で年間50件以上のウェディング撮影を手がけるBさん(42歳)

  • 課題:暗い教会での撮影と、屋外での明るい撮影の両立

  • 解決策:

    • 広いダイナミックレンジで白飛びを抑制

    • 15軸フリップスクリーンで自由な角度からの撮影が可能

    • デュアルバッテリーチャージャーで長時間撮影にも対応

3. 自然・野生動物フォトグラファー
厳しい環境での撮影を行う自然写真家にとって、高い信頼性と優れた性能は必要不可欠です。

具体例:

  • アフリカや北極圏での撮影を専門とするCさん(45歳)

  • 課題:予測不能な野生動物の動きと過酷な環境への対応

  • 解決策:

    • 強化された動物認識AIで野生動物を確実に捉える

    • 高い耐久性と信頼性のボディ設計

    • 優れた防塵・防滴性能で過酷な環境でも安心

投資に見合う価値を見極めるために

このカメラは確かに高価です。しかし、上記のような使用シーンでは、その投資は確実に仕事の質と効率を向上させてくれるでしょう。特にプロフェッショナルとして収入を得ている方々にとって、この投資は十分な価値があると考えられます。

一方で、趣味の写真家や、特定のジャンルに特化していない方々は、より手頃な価格帯のカメラで十分な場合も多いでしょう。購入を検討する際は、自身の撮影スタイルと必要性を十分に見極めることをお勧めします。


参考:https://youtu.be/PEAJsrfii5s?si=AQnRhGtSZVX6Fj6m


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