「言葉にできない。」

図書館の新刊本コーナーに「言葉にできない想いは本当にあるのか」という本を手に取りました。
まず「タイトル」に惹かれました。
「言葉に出来ない想いは、本当にあるのか」でも良いものを、あえて途切れなく表している。
「できない」は「出来ない」でもよいのに、「想い」は「思い」でも良いのに、それぞれにこだわりを感じました。

作者の「いしわたり淳治」さんは作詞家だということで納得。
内容は短編が時系列を関係なく編集されたもので、肩の力を抜いて読むことが出来ます。230を超えるエッセイは、誰かの言葉を受けて、またご自身の気づきから記されたものですが、どれも機微を感じ、心にストンと落ちる文章の数々。読んでいる私の心を軽くしてくれるようなものでした。

なかでも「あるときから日本の音楽は、娯楽でなく傷ついた心の「薬」の側面が強まった気がする」という一文には、大いに同意した。
『大丈夫だよ、君は一人じゃない』とか『人と違っていいんだよ』とか、最近の若手バンドも、おしなべてそんな歌詞だといえるだろう。

昨日、初めてサマーソニックに行き、ビーチステージの「ORANGE RANGE」さんのステージを見たが、素晴らしかった。参集した2万人(位?)の心の傷口を優しくいたわったヒット曲。ありがたいと思った。
サマソニについては、後程別投稿にて。

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