50年分の自分史~ユーミン万歳③~
皆様、よろしくお願いいたします。
さて2曲目に、この曲を持ってくることに軽く驚きました。コンサートで言うならばクライマックスを、2曲目にセットしてくるようなものかと。いや
ひょっとすると、年代によって影響度が異なるのでしょうね。
東京に住んでいると、この中央高速は西に「おでかけ」するときの重要な道です。たとえば富士五湖が、週末の観光目的地だったころ。
「どこかドライブしようか?」
「山中湖とか、忍野とか行く?」
「日帰りでも十分だからね。」
みたいな。
もちろん、この歌の主人公は「帰り道」に車で送ってもらっているのですが
それぞれに、この道を通る理由があって、その場所を景色から「舞台」にしたのはユーミンが最初だったということだと思います。
1976年のリリースだったレコードを買った私は13歳。中学校でブラスバンド部に入り、ユーフォニュームに苦戦していたころです。
低音部楽器はメロディを奏でることは少なく、裏メロとか、聞こえないくらいのパートを吹いていくんですね。読譜も苦手でしたが、この曲を聴いたときに「パーカッションになっておけば良かった!」とさえ思いました。
もちろん鈴木茂さんの「重要無形文化財」的なバッキングや、本当にキラキラとしか表現しようのないローズピアノも欠かせないのですが、2コーラス目から入ってくるストリングスや、サビのベースライン、ハイハットの刻みとシンバルトップをたたくタイミングのセンス。これがヘッドアレンジで演奏されていたとは、本当に驚くしかありません。
13歳の感想も、何千回聴いたかわからない今でも思うことは、アレンジ・アンサンブルのお手本ともいえるのが、この「中央フリーウェイ」の神髄だと、私は思っています。
もうひとつ、ずっと感じていたことはエンディング、3分過ぎくらいからのアコースティックギターのアルペジオが、二人を乗せた車のリアランプが
八王子インター出口の左カーブを緩やかに曲がっていく景色を思い起こさせる、実に映画的な音色だと思っています。