水道事業民営化、及び水資源について
最近、ナショナルジオグラフィックを見る機会が多くてアメリカにおける水資源についていろいろ閲覧したのですが、それを見ると本当に日本は恵まれていると改めて実感します。
アメリカ合衆国のカリフォルニア州においては水資源が偏在していて北部に半分以上の水資源がありますが人口は南部のほうに過半数が集中しています。これは歴史的に重大な問題であり、カリフォルニアでは少しでも干ばつが起きると途端に水が足りなくなります。
日本から出たことがない人から見るとアメリカというのは第二次世界大戦の戦勝国であり、世界で一番の大国であり、最も豊かであるというおおよその共通認識があると思いますが、貧富の差が激しく実情は非常に厳しいものがあります。特に地方都市で顕著で貧困街の治安は悪く、一日数ドル程度で暮らしている貧困層が非常に多いです。
カリフォルニアにおいての水資源は資本家に多くが奪われています。
というのもカリフォルニアではオレンジを始めとする農作物の生産が盛んですが水が不足していても生産量は年々増え続けています。しかし前述したように水は不足しています。これはどうしてでしょうか?答えは一つです。農園に水資源を奪われていて一般市民まで出回っていないのです。
カリフォルニアでは水道事業は民営化されていて民間企業が水の管理を行っていますが、水銀行という組織が存在し、それによって多くの水が独占的に管理されているのです。
資本家及び投資家は農園を商業的に経営し、利益を生み出すことに専念する。それ自体は資本主義社会としての基本ですが、その結果、市民生活が大いに脅かされていますが、そのことに関して政府は無関心です。
つい最近も日本において水道事業の民営化が決定されましたが、極論を言うと日本もいずれこのようになってしまう可能性は決してゼロではありません。
我々人間は水無しに生きていくことは不可能です。その水を利益追求機械の資本家、投資家に握られてしまうとどのようなことが起きるのか、それを体現したのが現在のカリフォルニアなのです。
あなた、そして私にもできることは少ないですが、水事業の民営化について意見を求められた時にどのような考えを返すのか、それがこの文章を読んで多少なりとも変わったのであれば、それは価値のあることだと私は考えます。