留学先へ渡航する際空港でスーツケースにつけられた”Priority”タグ ~通されたのはまさかのビジネスクラスだった。
以前どうやって留学先が決まったかという記事の(ある意味)続編です。
(今回はちょっと長いのでお時間のある時にゆっくり読んでください)
それまで海外経験は学校の修学旅行でシンガポールに行ったとき1回だけ。
飛行機もシンガポールと2回行った北海道の3回だけ。
色々と初めて尽くしの波乱の幕開けでございます。
留学の手続きは全部自分でやるよ。
大学の交換留学制度を使った留学とはいえ、大学がお手伝いしてくれるのは希望する留学先に推薦をあっせんしてくれたり、奨学金の情報を教えてくれるところまで。
留学先が決まったらそこから先の手続きはぜーんぶ自分でやります。
留学先の寮の申し込み
受けたい授業の受講登録
ビザの申請
奨学金の申請
渡航先までの旅程
などなど…。
大学の授業と並行して進めなければいけないことが沢山あります。
まずは奨学金の申請と同時に留学先のスウェーデンにどうやって行くかを調べるところから始まりました。
直行便の飛行機でひとっ飛びできると思ってた。
ところがなんと、スウェーデンまでの直行便がないことを知ります。
つまりどこかで乗り換えなければならないのです。
一人で海外に行ったこともないのに、一人で飛行機に乗ったこともないのに、乗り換えまでできるかな。トリプル初めて記念日。
乗り継ぎの場所は各航空会社のハブ空港によって異なります。
例えばムーミンで有名のフィンエアーだったらヘルシンキ・ヴァンター空港。ドイツのルフトハンザだったらフランクフルト空港、というように。
乗り継ぎ場所や乗り継ぎの時間によって所要時間も大きく異なります。
安ければ安いほど24時間から36時間近くかかる旅程もあります…
色々と検討した結果、一番乗り継ぎ時間が短くて最速で行けるフィンランド航空を選びました。この乗り継ぎ時間の短さがフィンランド航空の売りで、最短35分で乗り換えができるとうたっていました。
乗り継ぎに関して。余談ですが。
ヨーロッパ諸国の多くが加盟している”シェンゲン協定”の圏内は、パスポートチェックをせずに行き来することができます。
ただその代わり、一番最初に入った協定加盟国でパスポートチェックがあり、更にもう一度保安検査(X線検査)を受ける必要があります。
もちろんスウェーデンやフィンランドもこの協定に加盟しているので、私がパスポートチェックや保安検査を受けるのは最初に入国する協定加盟国となるフィンランドになります。
だからこの乗り継ぎ時間のうちに突破しなければならない関門が結構あり、単純にゲートを移動するだけではないんですよね~。
早くチケットを買わなければ…!
渡航時期は8月の下旬でまだまだ夏休みシーズン。
丁度北欧ブームで盛り上がっていたころなので、きっと混んでるんだろうなぁと思い、とにかくチケットを買わなければ…!と思ってインターネットで探し始めました。
その時は楽天トラベルで、エコノミーセーバーの片道旅券を購入。
片道だとちょっと高くなるのですが、まぁ仕方がない。
丁度そのタイミングで旅費をカバーできる奨学金が通ったので、それで賄えたのは大きかったです。
やっぱりアジア圏と違って10万以上しちゃうのが当たり前なので…
準備の時間はあっという間に過ぎていきました。
それから寮の申請や授業の登録は全てメールでのやり取り。
ビザの申請も英語に四苦八苦しながらなんとかウェブ上で申込みができました。
この時、ビザの申請をした際は大使館に呼ばれることはなく、全てウェブで完結したのがとてもよかったです。仙台に住んでるとわざわざ東京の大使館にまで来なければいけないのでね。
そんな風に、準備期間の4ヶ月は一瞬にして過ぎていきました。
瞬きした次の瞬間に私は成田空港にいました。
体感速度としては本当にそんな感じ。
重たいスーツケースを預け、チェックインを済ませていると、
なぜか私のスーツケースにつけられる”Priority”タグ。
…あれってビジネスとかファーストクラスとか重要な旅客につけられるタグじゃなかったっけ?
でも自分で手続きするの初めてだし、きっと今は”全てのお客様をPriorityでおもてなししよう!”キャンペーンでもやっているんだろうと思って特に気に留めませんでした。別に嫌な気分になることではないからね。
そこから保安検査とパスポートチェックを通過してあっという間に日本を出国しました。
スムーズに行き過ぎてちょっと怖かったなこの時。
出国した先で最初に見たのは化粧品と香水の香りに包まれた未知の世界。
パスポートチェックを抜けた先に待っていたのは煌びやかな免税店の数々。
現在は、
あの免税店の香り=これから海外へ行くんだなぁと感じさせてくれるもの
というふうに私の頭の中にインプットされています。
その頃は化粧とか興味なかったし、未成年でお酒も飲めなかったので特に買うものもありませんでした。ちょっと香水を試してみたくらい。
余裕をもって空港に行ったものの、思いのほか早く手続きが終わったので結構待ちぼうけしました。
あと出国した先にあるカフェやレストランの値段がとーても高い。
まぁ日本じゃないからしょうがないか…。海外価格。
ワクワクとドキドキの嵐の中、いよいよ搭乗!
特に飛行機は遅れることもなく、定刻通り搭乗が始まりました。
この時は英語に慣れてなくて、日本語のアナウンスを聞き取るのに必死だったなぁ(汗)
飛行機の入り口では外国人のCAさんがお出迎えしてくれました。
…あれ日本人のCAさんはいないの?!(実際は2~3名搭乗していました)
そこで搭乗券を見せると
「あ、その席ね!すぐそこだよ!!」
…え、すぐそこ?エコノミーは普通ビジネスの後ろだよね?
天井にある座席番号をたどると、そこで見つけたのは
何かプライベート感満載の一人席。
画面は大きいし、シートの幅は広いし、
なんならリクライニングまでしっかりある。
…なんだこのゴージャス角部屋感。
事前にフィンエアーのウェブサイトで見たエコノミークラスの座席情報と違うなぁ。
座席にはマリメッコデザインの可愛くてフカフカの枕とブランケットが置いてありました。持って帰りたかったけど我慢。
一人で考えていると、CAさんがあっという間に私のコートをどこかへ持っていってくれました。びっくり。
その間にも、数多くの乗客の人が
「なんでこんな小娘がここに座っているんだ」と思っているようないないようなそんな顔で通り過ぎていきます。
席に座りシートベルトをしめてぼんやり外を眺めていると、
離陸前に謎のドリンクサービス。オレンジジュース美味しい。
離陸して待望の食事!カトラリーが使い捨てじゃないやつが来た。
離陸してひと段落すると少し遅めの昼食です。
あの座席のテーブルの出し方が分からなくて、猫みたいに色んな所をひっかいてたら、CAさんがにこやかに、そして素早くテーブルをセットしてくれました。あなたは魔法使いですか。
テーブルクロスがひかれ、使い捨てじゃないステンレスのカトラリーが綺麗に置かれ、選べる立派なメニュー表をもらいました。
…これ本当にエコノミークラスなの?(ここら辺でようやく気づき始める)
どうやらなんか複雑な事情が絡み合って今ビジネスの席に座っています私。
食事が終わってからの私は即就寝。
フルフラットシートのおかげで爆睡でき、時差ボケを回避できました。
搭乗記は続くよ次回まで!
実はこの後乗り継ぎで大変な目にあうことをこの時の私は知る由もなく。
波乱の乗り継ぎ編は次回お送りします!乞うご期待。