アシンメトリーな日記:20日目
入院生活
徐々に記憶が戻ってきて、時間に追い付いていく感覚だった。
なんと僕は20日間も昏睡状態だったらい。
病院の先生は、
このままずっと昏睡状態という可能性もあるし
目を覚ましても、下半身不随になってしまう可能性があるという話を聞かされていたらしい。
だから起きただけであんなに喜んでいたのかと納得した。
いつもどおり夜に寝て朝起きるような感覚だったから、20日間も昏睡状態だったことにびっくりした。
痛くも痒くもない。唯一痛かったのは採決の注射だった。
車に跳ねられたとき、左の後頭部が地面と接触したから、左に障害が残ったらしい。
左耳が聞こえないのと顔面神経がマヒしているので、顔が左に引っ張られていた。そのことで左目も動かなく視点が合わなくてすべて二重に見えていた。
顔の筋肉が左に引っ張られているので、飲み物もまともに飲めない。
口元がマヒしてるので、こぼれるこぼれる。笑
どうしようもなくて、なぜか可笑しな気分だった。
苦労はまだ始まったばかりだった。
病院の入院生活は居心地が良かった。
色んな人がお見舞いに来てくれるし、何かと差し入れをしてくれる。
母親は泊まり込みで看病してくれた。
毎日、父親は仕事が終わってから、弟は学校が終わってからバスで祖父母とお見舞いに来てくれた。
ぼくは愛を感じていた。
とても穏やかな気持ちで安心できていた。
サッカー部の同級生や両親の知り合いも来てくれたけど、なぜか、多少様子が変だった。みんなはどこかよそよそしくて、暗くて神妙な面持ちをしてる。
檻に入れられ飼われているペットが、外の世界に出たときに感じる冷たいそとの世界の空気感のようにとても怖かった。
入院している人とお見舞いに来る人の温度差。
お見舞いに来てくれた人は、ことの重大さを察知していて、神妙な面持ちになってたんだろう。
そして僕は持ち前の明るさで、来てくれた人たちを笑わせて安心させてあげなければ、と変な使命感を持っていた。
今回はここまで、
それでまた、あす!