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エンジニア人口を調べてみた

こんにちは、きんちゃんです。
エンジニアの皆さん、キャリアの設計してますか?
私はエンジニアの皆さんのキャリア支援活動をしています。

私の自己紹介です。

今の世の中、エンジニア不足が叫ばれており、転職求人倍率はすごいことになっていますよね。
機械・電気系は4.16倍。IT・通信系に至っては10.33倍です。もはや希少種です。(2023年3月DODA転職求人倍率レポートより)

ふと思います。
そもそもエンジニアは、日本にいったい何人くらいいるのだろうか?と。

求人倍率とか、採用人数とかはたまに話題になりますが、そもそも母集団としてどのくらいの規模なのか、気になりました。
気になると、調べたくなる。調べると、noteに綴りたくなります(笑)

国勢調査をあたってみる

統計調査といえば国勢調査が真っ先に思い浮かびます。令和2年(2020年)が最新のようです。総務省統計局の国勢調査のページにとんでいろいろ調べてみると、職業分類別の就業人口が集計されていました。
国勢調査の職業分類でいくと、エンジニアに該当するのは
大分類・・・専門的・技術的職業従事者
中分類・・・技術者
小分類・・・以下のとおり

機械技術者
輸送用機器技術者
電気・電子・電気通信技術者(通信ネットワーク技術者を除く)
化学技術者
金属技術者
システムコンサルタント・設計者
ソフトウェア作成者
その他の情報処理・通信技術者
建築技術者
土木・測量技術者
その他の技術者

となっています。
なお小分類には農林水産・食品技術者がありますが、エンジニアという括りからは離れるため除外しています。
総務省統計局のホームページでは1985年まで遡れました。
それ以上古い調査結果もあるのですが、職業分類が小分類がなく、エンジニアを抽出できませんでした。

造船、金属製錬、鉱山、情報処理技術者

小分類は時代とともに変遷しています。
個人的に気になったものをピックアップしました。

機械・航空機・造船技術者
1985年は機械技術者でしたが、1990年~2005年は機械・航空機・造船技術者という名称になっています。日本はかつて世界シェア50%を誇る造船大国だった時代があります。それを象徴していますね。

金属製錬技術者
1985年~2005年は金属製錬技術者、2010年以降は「製錬」が取れて、金属技術者となっています。製錬とは、金属の還元反応を利用することにより、鉱石から金属を取り出す加工工程のことを指します。
日本でもかつては銀山や銅山から採掘された鉱石から、盛んに製錬が行われていた時代がありました。
ちなみに1985年には金属製錬技術者と別に、鉱山技術者の名称が存在していました。3,933人でした。

情報処理技術者
いわゆる情報通信・IT関連では、1985年~2000年は情報処理技術者という名称一本でした。2005年には情報処理技術者の名称自体が消え、システムエンジニアとプログラマーに。2010年以降はシステムコンサルタント・設計者、ソフトウェア作成者、その他の情報処理・通信技術者の3本立てとなります。近年目まぐるしい業界だけに名称も変遷が早いということでしょうか。

エンジニアの就業人口推移をまとめてみた

1985年~2020年の国勢調査の職業小分類をもとに、エンジニアの就業人口をまとめてみました。
小分類ごとにまとめると煩雑ですので、以下の7つに括りました。
機械・・・機械技術者、輸送用機器技術者
電気・・・電気・電子・電気通信技術者(通信ネットワーク技術者を除く)
化学・・・化学技術者
金属・・・金属技術者
情報通信・・・システムコンサルタント・設計者、ソフトウェア作成者、
       その他の情報処理・通信技術者
建築土木・・・建築技術者、土木・測量技術者
その他・・・その他の技術者

国勢調査1985年~2020年 職業小分類
抽出詳細集計 表番号9-1-1を参考に著者作成

折線グラフは、エンジニア就業人口の合計、棒グラフはカテゴリーごとの合計を示しています。

元データも貼っておきます。

国勢調査をもとに著者作成(単位:人)

グラフからわかること

エンジニア人口は160万人から260万人程度で推移。全体的には増加傾向

全体の就業者数に占める割合はおおよそ3~4%程度。働いている人の25~33人に一人がエンジニアということに。肌感覚としてはもっと多いかと思いましたが・・・。

1985年~2000年は土木建築が、2005年~は情報通信がトップ

1985年から2000年まで土木建築がカテゴリー別のトップになっています。
最盛期の1995~2000年には90万人に迫ります。バブル景気崩壊と公共事業が盛んだった時代と一致しますね。
1985年、1990年をもう少し紐解きます。
1985年の機械・電気・化学・金属を合計すると69万人となり、土木建築の56万人を上回ります。1990年では69万人に対して、土木建築が71万人と逆転。
1980年代は自動車産業の輸出が活発になり、バブル景気による内需拡大で製造業が好景気でしたので、その時期と符合します。
2005年からは情報通信がトップになります。
インターネットの登場、携帯電話、スマートフォン、電子商取引の誕生などで一気に市場が拡大した時期ですよね。
エンジニアは時代を映す鏡だということがよくわかります。

近年の情報通信の伸びが著しい一方、機械・電気は1985年以降ほぼ横ばい

情報通信エンジニアが2005年81万人→2010年90万人(前回比111%増)→2015年100万人(同111%増)→2020年125万人(同125%増)と、著しい伸びを示しています。
2020年の125万人という数字はエンジニア全体の47%を占めています。
今の時代、エンジニアといえばIT・WEB系エンジニアを指すことが多いのも頷けますね。
一方、機械や電気は、1985年以降それぞれ28万人~38万人でほぼ横ばいです。エンジニア全体の数は増加傾向ですが、その増加分の大部分は情報通信であることがわかります。
機械系エンジニアの主戦場である自動車業界も、電動化の流れのなかで縮小傾向であると思われますので、機械系エンジニアの絶対数は今後も大幅に増えることはなさそうです。

まとめ

国勢調査によると、日本のエンジニア人口は、2020年現在260万人で就業者の4%程度ということがわかりました。
内訳でみると情報通信系が120万人、土木建築系が50万人、機械系が40万人、電気系が30万人。情報通信系が全体の50%近くを占めています。

情報通信系の増加は、ITエンジニアの不足問題と絡めて考えても面白そうですね。
国勢調査以外にエンジニアの人口を調べる方法をご存じの方がいらっしゃいましたらぜひご教示ください!
ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました!

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