感じるな、考えろ


「考えるな、感じろ」という言葉は世界的に有名なブルース・リーの名セリフ。物事の本質を捉えるためには考えるのではなく感じ取れ、という意味を伝える言葉である。



自分自身、競馬は考え方が大事だと常々言ってきているが、「考える」というのはまず大前提に「感じる」ことから始まる。
感じ取ったものから自分なりに考え、点と点を線で結ぶ。競馬ではこの“線で結ぶ”という過程がとても重要だと思い、自分はそう発信している。


何かを見て「感じる」ことは誰しもが平等にできるもの。知らないものを見た時に感じること、予想だにしないことが起きた時に感じること、予想していた通りのことが起きた時に感じること、etc.....。
感じるというのはある種、簡単な作業。だからこそ、物事の本質を捉えさせるためにブルース・リーはそう言った。




しかし、競馬において本質を捉えるためにはその中身を知っていなければいけない。

「競う馬」と書くように本来は馬同士の駆けっこという要素が強い競技だが、馬が駆けっこで速く走るためには天性の能力に加えてあらゆるトレーニングや育成が必要。
さらに駆けっこは一直線のコースだけで行うわけではないため、コーナリングに必要な技術を身に付け、しっかりと走れるようにするために様々な過程が存在する。距離に関しても同様に、生まれ持った適性+トレーニングによって適性距離を変化させる事ができる。

それらの過程があって、馬はレースで真っ当に駆けっこができるようになる。



ブルース・リーは、プレイヤーに対して「考えるな、感じろ」と言い、育成した。しかし競馬でいうプレイヤーは馬であり、馬に対して「考えるな、感じろ」と言ったところで何も意味はない。馬は本能でただただ走っているからだ。

それを育成する厩舎関係者や牧場スタッフなど、プレイヤーに携わる人たちがしっかりと考えて育成し、より良くしていく。
そして見ている我々もプレイヤーではないため、感じたことをただ発言するのではなくしっかり考えて発言する必要がある。


馬に携わる人たちも、競馬を見るファンも、大きなくくりで言えばプレイヤーではなく「サポーター」である。だからこそ、競馬の本質を捉えるためには1つのレースを見て感じたことをただただ自分の価値観にするのではなく、感じたものを自分なりに噛み砕いて考えていき、出た答えを自分の意見にしていくことが重要なのである。





タイトルでは「感じるな」としたが、あくまでも「考えろ」を強調するために付けた言葉であり「感じる」という作業はとても大切なこと。訂正するならば「感じたまま終わらせるな」といったところだろうか。



改めて、競馬は考え方が大事だ。




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