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バイリンガル育児、親が見極めるライン

アウトプットの環境は言語発達に影響している

〈日本語環境〉
2019年冬以後、コロナが蔓延し始め、小学校で午後のアフタースクールの利用が制限され、学校の後は祖母の自宅へ直行している長男。ということは、同世代のコミュニケーションは学校生活の時間のみ!!
コミュニケーションといっても、昼食は会話禁止です。主に授業の合間の短い休み時間が彼の同世代とのやりとりの場です。

家庭では、仕事から帰った私が宿題をみながら教えるのが精一杯。冬休みや夏休みは宿題1ページ終わらせるのに1日以上かかりました。

〈英語環境〉
日本語の機会は、少なくともまだ学校があります
でも英語で話す友達がいない長男
英語脳でも、アウトプットは基本家族間で必要なやりとりや好きなTVを英語で観ている時だけです。

アメリカに帰国した同世代のネイティブ友達(乳児時代)ならクリアしている「読む」「書く」まで追いついておらず、父が休みの日に少しずつ学習を進めています。

さて、そんな今の長男はたして「バイリンガル」と言えるのか?です

息子ダブルリミテッドバイリンガルになる

未就学児の時は気にしていませんでしたが、今の息子は「日本語」「英語」のどちらとも同世代の子ども達のレベルに到達していないんです。

私が最近焦っている理由はそこにあります。

「バイリンガル」には一応定義が存在しますが、各分野ではそれを区別し様々なバイリンガルの考え方があります。

言語発達のバイリンガリズムの一つで、「敷居理論」があります。

①両方の言語が年相応にないダブルリミテッド・バイリンガル
②どちらかの言語は年相応のドミナント・バイリンガル
③二言語共に年相応のバランス・バイリンガル

区別はただの言語能力の区別だけではありません。
ある程度の言語能力の発達は認知機能にも影響するという考え方です。
①→③の順に認知機能への影響力の高さを示しています。

ダブルリミテッド型の息子は、この敷居理論の通り、言語の発達の遅れが学校生活へ影響し始めており、授業についていかれないのです。

日本語と英語両方の4技能全てが中途半端な発達だからです。

恵まれていることに、首都圏の政令指定都市で1,000人規模の学校であるため、手厚く日本語をサポートして下さる講師の方にお世話になることが出来ましたが…。

このまま学年が上がって来たら、特別な入り込み指導や授業について行けない等で羞恥・劣等感から学校を拒否しかねません。
(あくまで母の想像ですが…)


ダブルリミテッドが引き起こす事例

私の住む市には、親が外国人で、日本の学校に来る子供が日本語についていかれず登校拒否となり、不良グループとして地域ではぐれて行く子たちが多くいる区があります。

それはもちろん、二言語間の問題だけが引き起こしているとは限らず、学習に付いていかれなくなると、より楽しくて楽な方へ行く傾向があるのは日本人でも同じことです。

思春期になると気持ちのコントロールやアイデンティティの葛藤も現れ、さらに親の思うようには行かないと覚悟しています。

だからこそ、親がリードできる今が言語の教育に絶対逃してはいけないタイミングなのです。

スポンジのように知識を吸収し、柔軟に学べるとされる「臨界期」(思春期までといわれている)。息子がそれまでにどちらの言語も中途半端に育ったら…(焦)

大人にとっての第二言語能力は、能力に合わせて生活や仕事を選択することができます。しかし、子どもにとっての言語が遅れることは将来に大きな影響を与えます。将来の選択が狭まることにもなりかねません。

時期が来たら、線を引く設定をしましょう

ある年齢に達したら、親はバイリンガル教育から引くか押すのか見極めて

子どもが発達段階に合った言語能力・認知機能に達していますか?
その目安として、年相相応の4技能(聞く、話す、読む、書く)のバランスを見極める事が大切だと思います。

一旦は片方の言語に集中させないといけない時期が来るかもしれません。

そして将来的に、片方の言語の基礎を習得させた後に、子ども自身がもう片方の言語を習得ではなく「学習」から得られる環境をサポートしてはどうでしょう。両方同時に…と、バイリンガル育児を頑張って来た親は、踏み出せない決断かもしれませんが。

でも、成功すればバランス型、しくじるとダブルリミテッド型です
まさにうちが後者です。
小学校1年生なら軌道修正ができると思い、うちに関して言えば、もう今から日本語のウエイトを重くする関わりにシフトしたいと思います。
(ウチはウサギと亀で言う亀のペースですので、早いうちに…)
日本語の学校に通うなら、そこでの共通語が優先ですね。

今回の話は、子どものバイリンガルの発達は同時に認知機能に影響するということを挙げました。
親は子供を多言語に浸し過ぎて、子どもの認知機能を落としかねないバイリンガル育児をしていませんか。
(この問題を抱えるのは国際結婚の家庭が多い傾向にあると思います)


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