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子どものことば銀行、対話で引き出し

コロナ禍で気付く息子の日本語力
我が家はただいまコロナで保育園閉鎖のため自宅待機です。
家族全員陰性でしたが、保育園が開くまであと一日休みです…
明日からまた仕事復帰でバタバタした日常に戻ります。

普段の日常と違う過ごし方。
少し遅めに起きたり、時間を気にせず子どもと関わって来た中で、
今まで自分が見落としていた
息子の中にある日本語力は、私が思っている以上に高いと言う事に
気付いたのです。

今回は息子の日本語についてですが、逆にバイリンガル育児で子どもを英語漬けにしているけど、日本語で話すのよね、とお悩みの方にも通ずる話です。
よく読むと、当たり前のような話ですが、それをあえて息子の例から考察します。

7才 英語脳の子どもに
日本語訳の動画を見せた時のリアクション

日本語を学んでほしくて
最近息子には、好きな英語の動画を日本語に変えて見せるようにしています。そのたびに息子からは不満の声。

「え〜やだよ〜。I don't wanna watch in Japanese!!」
との訴えられます。

ここで折れまいと…
「ママこの映画日本語で観てみたいなぁ、いーい?」と言い
「まぁ、じゃあいいよ」と優しい息子は渋々OKしてくれます。

そしてこの後、いつも起こることは
「ここは(このシーン)〇〇って言ってるんだよ」
「この後〇〇になるよ」と

ストーリーを熟知している息子によって、日本語の上から英語で翻訳されます、まさに

「英語教室開校!!!」

本人、日本語には興味なさそう…
母の意図している路線はそっちじゃなぁい…(;;)
英語の時のようにもっと日本語を繰り返して口に出してほしい。

思っていました。

しかし今回、息子が英語教室を開いていたのは、日本語に興味がないからではなく別の理由があると悟りました。

日本語を理解していると分かったシーン

普段、夫(英語圏)が一緒にTVを観るときの言語は「英語」です。
しかし今回、4才の妹が寝ていたのを機に少しバイオレントなシーンを含む日本のアニメを夫・母(私)・息子の3人で観賞しました。(鬼滅ですが)

英語訳が無いので、日本語のまま観ていると、息子が状況やキャラクターのセリフを英語で夫に翻訳・説明し出したのです。
横で聞いているとその内容は大よそ合っていました。

今初めてみた日本語のアニメの内容を説明できている…

もちろん全ての語彙を理解していないにしても、ストーリーから流れを推測して、父が理解困難なポイントだけピックアップした英訳が出来たのです。

子どもが「伝える」ために選ぶ言語

人は、対象の相手が知らないこと(互いに共有してない情報)を自分から伝えたい場合その情報差を埋めるために、何らかの方法をとると思います。
方法として、言語、動画をみせる、ジェスチャー、絵を描くなどの選択肢があります。

子どもは自分が知らない・知りたいと思う情報、教えたい・知ってほしいと思う情報を相手に求めるときまず言語化します。うまく伝われば、次も同じ言語・手段を使っていくと思います。

今回分かったのは、息子の頭の中には「いままで息子が吸収してきた抽象的な概念の日本語(もやもや日本語)」が存在しており、彼なりに日本語を理解・解釈していたのです。

それを日本人の私に、「具体化された日本語」で伝達する術まで到達していない息子。そこで彼が選んだアクションが、「英語で説明する」だったのです。

息子は、自分の頭の中にあるもやもや日本語の情報を相手(父や母)に伝えるために、それぞれが理解できる言葉に変換しながら彼なりに伝えようとしていたのです。

彼は「日本語を理解していない」のではなく、彼の中に備わっていた日本語の情報(もやもや日本語)を「日本語で」伝えられていないだけでした。むしろ彼はもやもや日本語を英語に変換していたのです。

子どもは情報差を埋めたい気持ちが強い

子どもは純粋で、無邪気で、吸収した事を「伝えたい!」と、いう気持ちが強く、一生懸命に理解してもらえる方法を見つけてアクションを起こします。それは、赤ちゃんの時から備わった能力であり、言語の発達過程で欠かせないプロセスです。

子どもは、自分が伝えたい内容を伝えて、相手のリアクションからその情報が理解されたのか、自分が間違った方法を使ったのか、など無意識に処理して、最終的に概念としての情報に言語や音声で色付けし、記憶に定着させます。

思春期や大人は、伝わらなそうなら「もういいや」ってなっていきますね。

知らないことをねぇねぇって母のそでを引っ張りっぱなしの子ども
頭の中は、「知りたい」「吸収したい」「この良くわからないやつ、なんなの」「これなんて書いてあるの」という欲求でいっぱいです。

良いのか悪いのか、今のうちの息子には「英語で伝えられる」という選択肢と、それに対してレスポンスがあったが故に、頭に入って来た日本語の情報を、日本語を使って伝達してこなかったのです。

日本で暮し、日本語に浸っていた息子は、7年間の人生の中で、頭にしっかり日本語の情報を貯金していたようです…
貯めるだけ貯めて、誰も気付いていませんでした。

そうして将来、英語脳(別の通貨)が使われるようになったら、日本語の記憶は英語脳に送金されるか、引き出されないままもやもやと休眠預金になってしまうか二択になってしまうかもしれません。

日本語シャワー終了、対話開始

次私がやりたいことは「今までの日本語を思い出してもらうこと」「新しい語彙や表現力に結び付けてもらうこと」。
息子の頭に残ったモヤモヤ日本語情報を引っ張り上げて、定着させ、そこから新しい知識を広げる事です。

そこから「もやもしていた意味が具体的に分かる」「日本語で説明できる」「日本語で相手のレスポンスを期待できる」ように繋げていきたいです。


具体策は……対話に尽きる!!!!です



ちなみに今回の表紙画像は、息子が卒園して保育園の先生からもらった手紙を見ている姿です。「なんて書いてあるの、よんで」と頼まれて私が読みました。

本人が、もらった手紙を読みたい!と思う気持ちもとっても大事ですね。
日常生活のなかにあるそういう小さいことから気を付けていきたいです。


<息子の日本語を引き出せなかった私の失敗例>
①家事や仕事に追われて、つい母親が言ってしまう言葉
「ちょっと待ってね」「後でね」で後回しにしてしまう
英語で話しかけてくるのでつい英語で対応してしまう

これらが彼から日本語のアウトプットの機会を奪った原因だと思います
母と話す日本語の時間、もっと大切にします…


まとめ

今回は、目に見えない7才の子どもの頭の中としっかり向き合いました。
生活の中で自然に貯まっただけのことばの情報はアウトプットすることにより、より具体的になり言葉として結びつくのです

子どもが生まれながらに備わっている言語発達の過程は、学習よりも周囲との「対話」が重要です。子どもが、自分の言いたいことを伝えたい意欲が高まっているときにその伝達手段となる言語をコントロールできるのは、やはり身近な大人ではないでしょうか。

私の場合は日本語ですが、幼児の時から英語を聞かせているのに
英語で話してくれないな…と思っている方へ

始めは子どもの頭の中に情報を沢山貯めましょう
大量のインプットがある程度進んだところで、対話しましょう。
子ども自身に間違いや気づきを何度も繰り返させましょう。
相手に伝わった、レスポンスがあった、と体感させてあげましょう。


(今回の記事、古い下書きで上書きしてしまい内容が消えてしまったため修正しながら投稿しました。自分でも気づかずに意味が通らない文になっていたらすみません)




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