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『サハラに死す』ラクダのサーハビーとGolden camel

こんにちは、ゆーつうです!

Golden camel's journeyというNFTコレクションを運営しています。

黄金のラクダが世界を旅するというコンセプトで、物語をそえてOpenSeaで出品しています。

「Golden camel's journey」
■Twitter
https://twitter.com/goldencamelNFT

■Opensea
https://opensea.io/collection/goldencamel-season1

このnoteでは、コレクション運営のことや、砂漠やラクダにまつわることを話していきます。

今日はラクダが登場する本をご紹介します。

サハラ砂漠とラクダ

前回の記事で2020年のモロッコ旅行でサハラ砂漠に行ったことを書きました。

サハラ砂漠ではラクダに乗って移動しました。

突然ですが、動物に乗ったことってありますか?

動物にまたがって乗る、というのは良い経験です。目の高さが2m50cmくらいになります。落ちたら死ぬ、という程ではないにしても、骨折くらいはしてもおかしくはない。

僕は小学生のときにポニーに乗馬した経験があるくらいでした。

動物に身体を預ける。人間同士のコミュニケーションもそうですが、愛情とか愛着がばしばし溢れ出てきます。

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後ろのラクダに乗りました。可愛い。

そして、大陸の厳しい環境に適応した動物というのは独特な魅力があります。

その立ち居振る舞いには、その環境でうまく生きる術みたいなのを感じるんですね。

砂漠に適応したラクダ。めちゃんこ心強いです。

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写真映えもするラクダたち。

『サハラに死す』のラクダのサーハビー

さて、そんなラクダと人との絆を感じられるノンフィクションの作品があります。

『サハラに死す――上温湯隆の一生』

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今から半世紀近く前の1973年、上温湯隆という21歳の青年がサハラ砂漠の単独横断に挑戦しました。

サハラ砂漠は古くから縦断はおこなわれていましたが、単独横断は人類史でも成し遂げた人がいないとされています。

上温湯隆もこれまで世界中を旅し、二度のサハラ砂漠の単独縦断をおこなっていました。

サハラ砂漠に強烈にひかれ、サハラ砂漠の横断を成し遂げねばならない課題だと感じた青年の手記をもとに本書は書かれています。

サハラ砂漠の単独横断がどれだけ危険か、出発前に現地の人から受けた忠告の言葉が語られます。

一人でサハラを渡るって?それは無謀だ。現地の人間でも、そんなことをした男は誰一人としていない。砂漠の神がそれを許さない。砂漠を甘く見た者は必ず砂漠に復讐されるだけだ-『サハラに死す』p43

そんな無謀なチャレンジをどうしておこなうのか?

SNSどころかインターネットもない時代。スポンサーがついているわけでもない。

母親への手紙や、本人が残した手記、当時に交流していた方の思い出から本作は構成されていますが、作品からは個人の人生の挑戦であることが伝わってきます。

もう一度トライしよう、サハラに挑戦しよう。僕は思いつめ、とり憑かれ、そして発作的に叫んでいた。サハラは俺の生と死のすべてなのだ。サハラから逃げた俺はあり得ない。それは人生の逃亡者だ-『サハラに死す』p197

ラクダのサーハビー

サハラ砂漠の単独横断は一頭のラクダとともに挑戦します。

砂漠においてラクダは不可欠な存在です。旅立ちの街であるヌアクショットでは、運命のラクダと出会うべく市場を丁寧に見て回ります。

その中で出会ったのがラクダのサーハビーです。

ヌアクショットの町よ、いざ、さらばである。心は一転して、あとは前進あるのみ。目指す彼方は、サハラ砂漠を横断し、七〇〇〇キロの東、ポート・スーダンだ。
「サーハビー、さあ、出発だ!」-『サハラに死す』p52

この本は上温湯隆のサハラ砂漠の挑戦の記録であると同時に、サーハビーとの友情の物語です。

砂漠という環境に適応し、コツコツと歩みをすすめるラクダは、頼もしい存在であり、唯一の友人でもあります。

えらいことになった。サーハビーがいなくなったのだ。昨夜、久しぶりに家で眠れたので、サーハビーもはなしてやった。少しは自由にしてやらないと、サーハビーの体がもたない。砂漠では誰でもそうする。ところが今朝、七時半頃起きて探しに行ったら、サーハビーがどこにもいない-『サハラに死す』p141

上温湯隆とサーハビーの結末に関しては触れませんが、特別な絆で結ばれていたことが伝わります。

砂漠におけるラクダというのが、どういう存在なのか。

過酷な環境に適応し、人間とともに歩むラクダ。

そうしたラクダの姿を感じられます。

サハラに死す

『サハラに死す』という書籍のタイトルにもなっている通り、上温湯隆はこの旅で命を落とします。

どうしてサハラ砂漠を横断しなければならないのか?

青春という言葉でしか表現できない無謀なチャレンジとその情熱に、大きな共感を抱きます。

砂漠は、昨日と今日、今日と明日ではまるで相貌が違う。この神秘、この不可解さ。だから、僕は惹かれるのかもしれない。-『サハラに死す』p152

上温湯隆が残した言葉の一つ一つにエネルギーが詰まっています。

僕にとっては岡本太郎の『青春ピカソ』と並ぶ青春ドキュメントです。

ぜひ、一度Wikipediaの項目を読んでみてください。

上温湯隆 - Wikipedia

黄金のラクダを描くうえで、サーハビーから受け取ったイメージは大きいなぁとよく思います。

上温湯隆の情熱と、サーハビーの愛くるしさにひかれることうけあいです!


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