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晩秋の札幌旅行と天文宇宙検定3級

11月になりとても寒くなった。寒さが骨身にしみるので、ももひきなどはいて過ごしている。月の半ばの週末に加えて、月曜日に仕事の休暇をとり、2泊3日で札幌に旅してきた。今回の目的は、日曜日に天文宇宙検定という資格試験の受験と、札幌に住む両親がこの頃、入退院したりしているのを聞き、顔を出そうと思ってのこと。両親のところへはもっと頻繁に行きたいのだけれど、なにせ札幌から車で5時間かかる地方都市に住んでいるので、なかなかままならない。天文宇宙検定というのは、文字通り宇宙とか天文の知識を試す年2回全国単位で行われている検定試験で、小学校程度の地学の知識を試す4級から、中学校程度の3級、高校程度の2級、大学程度の1級まである。地学の知識とは言っても、星空や天文学の幅広い知識が必要で、宇宙開発の時事問題にまで内容が及ぶ。私は春に4級を取得し、今回は3級を目指す。

テキストと問題集

土曜日の朝の便の都市間高速バスに乗って札幌を目指し、昼過ぎに到着する。札幌駅からさらにJRに乗り換えて手稲からちょっと過ぎたところにある両親の家の近くの駅に降り立った。そこから住宅地の中を歩いて両親の家に着く。重たいリュックサックを肩から下ろしてひと心地つく。先ごろ退院してきたばかりの父と、腰が痛くて1日おきに整形外科に通う母が迎えてくれる。父は思ったより顔色はいいが、声がかすれている。抗がん剤の副作用かなと言う。
風呂に入ったのち、食事をする。父は肝臓の治療に加えて、腎臓も悪いらしく、1日おきに透析に通っている。食事にも制限があり、昔のように酒も飲めない。私もあまり飲まずに過ごす。夜8時頃にはベッドが置いてある2階の部屋に行き、天文宇宙検定3級のテキストなどをながめているうちに眠ってしまう。
翌日曜日、母が作った朝食をとり、少し早めに試験に出発する。雨が降り、外は冷たい。傘をさして歩き始める。午後1時からの試験だが、9時過ぎにJRに乗る。試験会場の場所の下見もしないとならないので早く出た。札幌駅から10分ほど歩くと、試験会場のある北海道大学の正門に着く。大学の構内をさらに10分ほど歩く。構内は自然公園のような樹木が生え、遊歩道のように小道がある中に、学部の建物が点在しているという感じ。目指す試験が行われる地球科学研究院の建物があった。入口に「天文宇宙検定試験会場」という貼紙があるのを確認して、また正門の方に戻った。試験会場が開くまで2時間以上時間がある。北海道大学正門横にカフェがあったが、入りづらいので、自然と札幌駅まで歩く。

北海道大学の構内


改札口横に広い待合所があり、ベンチにこしかけて、ペットボトルのコーヒーを飲みながら、天文宇宙検定3級のテキストをながめて過ごす。待合所から改札口が見え、人が行き交っている。駅の待合所は、さまざまな人々が集まる小さな世界だ。ベンチに腰掛けた乗客たちがそれぞれの時間を過ごしている。スーツ姿の中年男性はスマホを覗き込み、その隣では、旅行客らしき女性がキャリーケースを足元に置いて観光ガイドを読んでいる。学生らしい若者はリュックを背負ったままイヤホンを耳に差し込み、リズムを刻むように指を動かしている。二人の男性が話しているが、アジアのどこかの言葉だった。喧騒と静けさが交錯する場所だ。サンドイッチの自動販売機が人気のようで行列ができていた。私も列にならび、BLTサンドを買って食べる。
12時になり、また10分歩いて北海道大学の正門に行き、さらに10分歩いて地球科学研究院に着いた。3級の試験は12時半から試験会場が開き、1時から10分間説明があり、1時10分から2時まで50分間の試験。問題は4択マークシート記入で60問。開始の合図とともに熱中して試験に取り組んだ。1問あたり1分もない時間配分なので、試験終了ぎりぎりまでかかって解答する。30人ほど、小学生や年配の方など、さまざまな年代層の人が受験している。
試験が終わってまっすぐ両親の家に帰り、親と試験の感触など少し話をする。試験の手応えがあまり感じられなかった。解答が全部間違っているような気がした。今日の試験の自己採点を始める。テキストとスマホの検索で正解を調べ採点する。そして自己採点ではなんとか合格のようだった。ほっとひと安心する。
月曜日、12月にまた来るからと言って、両親の家をあとにする。11時過ぎの札幌駅前発のバスに乗り、帰路につく。昼の12時にホームページで、昨日の試験の解答が公表になる。私は帰りのバスの中。スマホで公表された解答を見て、昨夜の自己採点をさらに採点する。1問間違って1問正しかった。昨夜の自己採点と点数は同じ結果。安心して夕方バスが自宅のある地方都市に到着するまで眠り続ける。とても疲れた。試験を受けたのもあるし、親の家とはいえ普段と枕が変わると眠りが浅い。それに住んでいる地方都市では車を主な移動手段として使うので、札幌に行くと電車に乗ったり徒歩で歩くことが多く、実際私の腕のスマートウオッチの歩数計は普段3千歩も歩けばたくさんなのにここ3日、毎日1万歩を越えている。
両親を理由にして、2ヶ月に1回ほど札幌に旅行している。今回は晩秋の旅だったが、これから冬になる。札幌は毎年豪雪に閉ざされる。両親には元気でいてほしいと願っている。あと、天文宇宙検定試験は自己採点はしているけれど、きちんと合格通知が来るまではやきもきして過ごすことになる。


#天文宇宙検定3級 #都市間高速バス #札幌 #晩秋 #北海道大学

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