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ヨゼフの草刈り

「教会の草刈りをしますが、明日来られますか?」。仕事をしていると、信徒会長さんから携帯に電話がきた。明日は祝日で仕事は休み。行ける旨を伝えて集合時間を確認し電話を切った。翌日、起きて窓から外を見ると、曇り空だった。昨日の時点での天気予報はあまり良くなかったが、幸いにも雨は降っていない。ジャージの上下を着て、帽子と軍手を持って、教会の駐車場に9時半に集合した。わたしのほかに3人集まった。教会の駐車場の敷地は結構広い。昔、信者が多かった時代には、これでも手狭なくらいだったのだろうなどと考える。近年は信者が減少の一途をたどっている。高齢者が多い。わたしは50代半ばだが、教会の中では若い方だ。ミサに出席していると、20代くらいの若い男女を結構見かけるが、彼らはベトナムなどから日本に働きにきている技能実習生だ。

駐車場の敷地には砂利が敷いてあるが、すみの方は砂利が薄く、雑草が伸びている。この草をきれいに刈ることになる。1人がエンジン式刈払機を始動させ、ベルトの金具につける。わたしともう1人が、2メートルほどの長さの竹竿2本の間にブルーシートを貼ったものを、刈払機の進行方向で待ち構えるような位置で、移動しながら壁のように立てかける。駐車場の敷地沿いに歩道があり、通行人が通るので、こうしないと刈払機が草を刈るときに子砂利や土などをはね飛ばすので危ない。気温は蒸し暑い。駐車場の敷地を一周し、草刈りは終わった。

ひんやりした教会に入り、食堂に行く。信徒会長さんの奥さんが来ていて、せんべいとコーヒーを出してくれた。お礼を言って皆でコーヒーをいただいた。信者の中で近頃、病気入院した人のことなどを30分ほど話してお開きになった。その後、入り口で十字を切って、聖堂に入った。正面右側の聖ヨゼフ像の前に行き、座席に座った。いつも持ち歩いている小さな祈祷書を出してページをめくる。

ヨゼフよ、あなたは、神によって、マリアの夫に、そしておん子イエスの養父に選ばれました。あなたは正しく、清らかな心で、賢明にイエスとマリアを保護されました。わたしもあなたにならい、人々とたがいに助け合って、明るい環境をつくるように努めます。困難にあうとき神の摂理に信頼し、死を迎えるとき、よい終りを遂げることができるように、わたしを助けてください。


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