どうぶつの森プレイヤー
妻が「スイッチでどうぶつの森がやりたい」と言った。彼女は以前から「どうぶつの森プレイヤー」だ。ニンテンドーDSで始めて、スマートフォンのポケットキャンプをやってきた。「わかったよ」と言って、ニンテンドーSWITCHを買うことにした。日帰り出張で現場に行くとき、一緒に出かけた若い同僚にたずねてみた。「ニンテンドースイッチが欲しいんだけど、最近どうなの?」。車を運転しながら同僚が答えた。「なかなか手に入らないですよ。予約して抽選する感じです」。おもちゃ屋さんや電気屋さんに行って予約するのも、自分の歳だと「痛い」と周囲から思われるしな、と考え、Amazonで注文した。同僚から「高くなりますよ」と言われていたが、しょうがないだろう。
「ニンテンドーSWITCH・どうぶつの森セット」は注文して3日目に届いた。ちゃんと新品が届いた。その夜、妻がセットした。タブレットで見ることができるし、テレビにつないで映すこともできる。自分もみたいからと言って、テレビに映してもらうことにした。
たぬきのガイドにしたがって設定を済ませてから、島の中を歩き回る。キャラクターがとてもかわいい。川や海で釣りをする。岸辺に立って釣り竿を投げると魚がかかる。釣りあげて自慢するかのように前に見せびらかす。木に果物がなっている。揺すると落ちてくる。ももやなしを食べる。ポケットに入れる。おので木をたたくと、まきのような木材が出てくる。たまにハチの巣が落ちてくる。ハチが飛び出し刺される。顔が腫れる。お薬を飲むとなおる。お薬を飲まずに2回刺されると気絶するそうだ。海を泳ぐ。潜って貝やカニをとる。買ったり作ったりして家に家具をそろえていく。ベッドに寝て夢を見たり、切り株に腰かけて休んだりする。鳥のキャラクターの案内で飛行機に乗り、ほかの島を歩き回る。あちこちにどうぶつのキャラクターがいて、話しをして願いをかなえてあげると好感度が上がる。プレゼントをくれる。拾い集めたアイテムなどを換金してお金を貯める。自分の家を拡張する。ローンを組む。返済する。博物館に集めたアイテムを寄贈する。スカーフを頭にかぶり、ベールで鼻から下を覆って、イスラムの女性のような恰好をして歩き回る。次の日には黒い野球帽をかぶって歩き回る。顔は最初、肌色だったが、次の日には青くなっていた。「顔を青くしたの」ときくと「ハロウィンだからよ」と妻が言った。そういえばゲームの中の家の玄関先に、かぼちゃの置物やお化けかぼちゃのかかしが飾ってあった。
妻が遊んでいる「どうぶつの森」を時折ながめる。ゲームの中では、ほのぼのとした世界が繰り広げられている。部屋の隅で丸くなって寝ていた猫が寄ってきた。妻の足元に来て一声鳴く。ひざの上に乗りたがっているのだ。「おいで」とゲームのコントローラーを持った妻が呼びかけて、ひざをポンポンたたくと、猫はひらりと飛び乗った。