FXってなぜ、勝てない?その対処法は?
結論)プロスペクト理論があるからです
プロスペクト理論に由来する行動をとり続ける限り、口座破綻し続けます。
プロスペクト理論を簡単に説明すると…
プロスペクト理論から生まれる行動パターンの例)
・10,000円の含み損を助けるために、さらに10,000円追加入金する
その20,000円をさらに救出するために、また10,000円追加入金する
その30,000円の含み損を助けるために追加入金してやがて放置しはじめる
・SLをずらして延命しようとする
・含み益の10,000円が9,000円に減るのがいやだから、いますぐ利確する
・154.30円でエントリーしたが、154.30円に戻ってきたので建値で逃げる
・急激な下げが続き、ここで売ったらド底を掴まされるかもしれない。
ド底で掴まされるのは嫌すぎるから、ならば逆張りで買っておこう
・ナンピンから死に至る病
ナンピン→追加入金→追玉→リベンジ → ハイレバリベンジ → 借金入金…
(1)確かにFXは二分の一ですが…
FXを、現時点から特定の期間で「上がるか下がるか」を当てっこするゲームとして捉えたら、確かに「上がるか下がるか」の確率は50%でニブイチとなるでしょう。
ならば、サイコロでも振って偶数なら上がる、奇数なら下がるで毎回トレードして問題なさそうです。
しかし、個人トレーダーの多くは裁量トレードです。
裁量トレードということは、必ずプロスペクト理論がかかわってきます。
プロスペクト理論がかかわってくる限り、ニブイチがもたらす結果には絶対になりません。
(2)プロスペクト理論から生まれる具体的行動は4つ
チキン利食い
含み損の最大化
建値の壁
逆張り
プロスペクト理論から生まれる具体的な行動は上記4つです。
いづれも、痛みや苦痛から逃れたい感情の作用が原動力となり発動します。
この4つの行動のために、FXの理論上の確率は二分の一でも、実績(結果)はそうではなくなります。
これは、含み損をかかえているときだけでなく、含み益をかかえているときにも作用します(チキン利食い・建値の壁)。
チキン利食い
10,000円の節目まできた含み益は、どうしても9,000円になるのが許せません。この「許せない」が、痛みと苦痛です。
この痛みと苦痛を取り除くためには、早めに決済してしまうのが一番です。
結果、プロスペクト理論で利益がなかなか伸ばせないのです。含み損の最大化
10,000円の含み損を抱えております。どうしても、この10,000円を失いたくないです。この「失いたくない」が、痛みと苦痛です。
この痛みと苦痛を取り除くためには、損切りラインずらしやナンピンして救出する選択が一番です。
結果、プロスペクト理論で含み損がどこまでも最大化されます。建値の壁
154.30円でエントリーしました。
しかし、一度上昇するも折り返しで再度建値に戻ってきてしまいました。
建値を割ることは気分悪いです。この「気分悪い」が、痛みと苦痛です。
この痛みと苦痛を取り除くためには、建値で決済して無かったことにするのが一番です。
結果、折り返し後に順行、目標到達してヤキモキします。
逆に、建値からさらにマイナスになれば嬉しくて小躍りするでしょう。
(ある意味、建値の壁が一番病的です)逆張り
急激に下げてトレンドが発生した時、一番の苦痛は、ド底で売ってしまう恐怖です。
この「恐怖」が、痛みと苦痛です。
この痛みと苦痛を取り除くためには、逆張りで買いエントリーするのが一番です。
結果、トレンドの波にもってかれてあっさり含み損となります。
(3)プロスペクト理論の結果、裏側で何が起きているのか?
結論) ペイオフレシオの悪化により、「破産」するしかなくなる
毎回のトレードで、リスクリワード1:1でエントリーしたとします。
例えば、15,000円を最大得失金額とした場合、15,000円得るか失うかです。
ところが、プロスペクト理論ではこの当初予定が崩れます。
1. チキン利食い → 9,000円で決済します。
2. 含み益の最大化 → 15,000円を超えて損を出します(∞)
3. 建値 → 実損はここでは無しとします
4. 逆張り → リスクリワード1:1でも勝率が50%未満の勝負が長く続きます
リスクリワードが1:1で始めたはずのトレードでも...
平均利益:9000
平均損失:15,000(∞)
となります。
ここで、平均利益:平均損失(ペイオフレシオ) = 0.6 となりました。
つまり、勝率50%で、ペイオフレシオが1を切って0.6となったいうことは、下図のバルサラの破産確率では、「破産100%」を示唆します。
どう頑張っても破産する以外にないのです。
(4)チャートは本当にニブイチか?!
実は、チャート自体もニブイチではありません。
下図の通り、DMA3を基準とした場合、DMA3を抜けて確定した方向へエントリーしたとします。
そうすると、結構な頻度で偏りが発生します。
この偏りが発生したところで逆張りを続けていたら、リスクリワード1:1だったとしても、常に勝率50%未満の結果を強いられます。
つまり、ペイオフレシオの悪化でこれまた破産するしかなくなります。
(5)FXの裁量トレードは、そもそもニブイチではない
プロスペクト理論と、DMA3を基準としてチャートを捕捉した場合、結果としてFXの裁量トレードはニブイチではなくなります(理論とのギャップ)。
つまり、プロスペクト理論どおりの行動を続けた場合、すべてのケースで破産する側に回ります。
これが9割のひとが勝ち続けられない理由であり、1割の人が圧倒的に利益を積み重ねる理由でもあります。
1割の人のように、むしろ、プロスペクト理論を知り尽くして、これをハックして悪用的に使いこなせば、1割の側へ回り込むことが可能です。
いいかえれば、このプロスペクト理論があるからこそ、FXが魅力的な金融商品といえます。
(6)プロスペクト理論をハックして1割側にシフトするために
1. 投資の本質を知る
投資の本質は、費用をかけそれ以上の価格で売り抜け利益をえることです。
逆に、費用をかけて費用以上の価格で売れないならば撤退です。
(撤退するかどうかの判断が常に付きまとう、これが費用対効果です)
通常は、商品の販売であり、事業であり、広告の運用となります。
FXは、それをチャート上で行います。
例えば、500万円の費用をかけて中古マンションをリノベーションして、1000万円で売り抜けば500万円の利益を得ることができます。
これがさらに追加コスト500万かかることを事前に知れば撤退です。
また、100万円の広告費用をかけてインフルエンサーに商品を宣伝してもらい1000万円売り上げれば900万円の利益が得られます。
つまり、投資の本質は、投じた費用1に対してリターンが1を超えてくると見込めるなら、投資する価値があると判断してそこに投資します。
この考え方で、本来、FXも費用を投じなければいけません。
ここでエントリーした場合、ここまで来たら根拠が崩れる箇所(これ以上保有していたらダメな箇所)までを費用として捉え、その費用に対してリターンが1を超えて見込めるのかどうか。
この費用対効果の判断を毎回繰り返して、リターンが1を超えてくるなら投じ続けます。
2. リスクリワード1:1で勝率60%なら、絶対に利益を積める
リスクリワード1:1とした場合、勝率が60%を見込めるセットアップがあれば、FXでは必ず利益は積み重なります。
例えば、10回戦では、10戦 6勝 4敗となります。
勝ち負けはランダムですが、10,000円を得失額とした場合、間違いなく20,000円が儲かります。
これを100回やれば20万円、1000回やれば200万円となります。
こうして考えれば、確実に利益は積み上がります。
したがって、リスクリワード1:1を崩さずに、セットアップを反復継続しさえすればいいのです。
しかし、プロスペクト理論がそれを阻みます。
プロスペクト理論がいつでもなんどきでも行く手を阻止しようとします。
3. 期待値1以上で試行回数を繰り返す
上記の2は、言い換えると1トレード当たりの期待値を、試行回数で理論値に近づける作業です。
勝ち額も負け額も同じであれば、勝率が50%超えていれば必ず、利益は積み上がります。
勝率60%以上のセットアップを組み立てるのはそれほど難しくないはずです。
4. その利益を1回の負けで吹っ飛ばすのがプロスペクト理論の4つの行動
2と3の考え方で、利益は絶対に積み重なることがわかっているはずです。
しかし、それを阻止しようとするのがプロスペクト理論です。
つまり、プロスペクト理論由来の行動をとり続ける限り、2と3が成立せず、結果、ペイオフレシオを崩して破産するしかなくなります。
いいかえれば、FXは、プロスペクト理論由来の行動との戦いですね。
チキン利食い
利食いは、必ずリスクリワード1:1に従わなければいけません。含み損の最大化
損切りも、必ずリスクリワード1:1に従わなければいけません。
※ここが一番苦労するところ。そう、プロスペクト理論です。
ナンピンで逃げたい
損切りラインずらしたい
ハイレバナンピンで何とか助かりたい
リベンジで取り戻したい
ハイレバリベンジで一発逆転を狙いたい
追加入金…
借金入金…建値の壁
意外ですが、良かれと思ってやっている建値決済もプロスペクト理論由来です。
建値レートは、テクニカル分析的には何の意味もありません。
ただ、自分が立てた建値レートというだけです。
どのトレーダーもだれも意識しません。
建値を割ると嫌だからという理由の建値ガードは、まさにプロスペクト理論の象徴です。逆張り
トレンド時の逆張りは、勝率が50%未満になる傾向が続きます。
DMA3 を設定すれば偏りは一目瞭然です。
ド底を掴みたくないという思いからの逆張りがまさにプロスペクト理論由来の行動です。
5. プロスペクト理論から出てくる行動を観察し客観視しながら制御できなければFXは絶対に攻略できない
自分の行動のどこが、プロスペクト理論由来かを常に監視して客観的に分析できるようにトレーニングし続けてください。
サインは、痛みや苦痛から逃れたいがためにやってしまった行動かどうか。
正しい行動は、感じる痛みや苦痛を、さらなる痛みや苦痛(多くの場合損切り)で手仕舞うことです。
そこをマゾ的に乗り越えてください(笑)
トレード中に判断できるのが一番好ましいです。
しかし、なかなか難しいでしょう。
それがまだ無理なら、記録を取り続けて事後に振り替えることが大事です。
つまり、どの行動がプロスペクト理論由来であったかを認識できれば次に進めます。
次に進めれば、だんだんと対策を取れるようになります。
結論、一番の対策は、勝率60%以上のセットアップを反復、リスクリワード1:1にしたがいSLとTPを設定する。
エントリーした後は、決済されるまでパソコンやスマホでチャートを観察し続けないことです。
決済の連絡をまってからチャートを見ると対処できます。
まとめ
FXを攻略したければ、プロスペクト理論由来の行動を体系的に理解してください。そして、プロスペクト理論由来の行動を監視し続け、潰すこと。
最終的に、プロスペクト理論由来の行動をとろうとしたならば、その行動をとらないように意図的に仕向けてください(死に体に鞭を打つ訓練)。
これが、プロスペクト理論のハックです。
ハックすると同時に、9割のFXトレーダーがチャート上のどこでプロスペクト理論の罠にはまっているかを想像してみてください。
例えば、トレンドが変わった場合、プロスペクト理論としては、ここでナンピンして平均取得単価はここに移るだろうな、であれば、ここで逆決済と新規エントリーが入って追い風になるよな、など9割とは反対の視点で動けるようになれるはずです。
こうなれば、自分のプロスペクト理論由来の行動を阻止できるだけでなく、9割側のプロスペクト理論由来の行動を利用(悪用)できるようになるはずです。
死に体に鞭を打てない人たちには、こちらからトドメを刺します。
それがいやなら、死に体に鞭を打てるようになってください。
これができるようになれば、おそらく、あなたはいままでと違ったFXの風景をみているはずです。
以上となります。
Good Luck !!
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