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【新型コロナウィルス】日本の明らかな検査不足をWHO、アメリカ大使館などが批判

幅広く検査をしないという日本政府の決定によって、新型コロナウイルスの有病率を正確に把握することが困難になっている」
「現在一時的に日本に滞在しているアメリカ人は、無期限に日本に滞在する用意がない限り、直ちに帰国準備をすべきである」
「今日の日本の医療制度には信頼がおけるものの、新型コロナの感染増加によって、今後数週間にわたり、その制度がどのように機能するかを予測することが難しくなっている」
在日アメリカ大使館、日本の新型コロナ検査不足を指摘「有病率を正確に把握するのは困難」

日本の検査が少ないというのは、もはや2か月以上言われ続けており、海外からもたびたび疑問の声が上がっていました。
アメリカ大使館が日本は検査が少なく、実態が把握できていないという見解を示しました。

次は4月6日の記事です。

「(安倍総理は)1日のPCR検査体制を2万件へ倍増させる」

安倍総理、PCR検査体制「1日2万件」への倍増を明言

このように政府からは大幅な検査数の増加が常に発表され続けました。

2月18日には厚生労働省が1日3000件の検査が可能と発表。
3月18日の総理会見では、1日6000件の検査ができる体制があると発表。
4月2日に菅官房長官は1日9000件の検査能力があると会見。

となっていますが、実際はどうなのでしょうか。
厚生労働省の報道発表資料です。こちらは各自治体から報告があった数値なので、あくまでも参考数値ではあります。

4月8日/検査数は4544件、合計は61498件です。
3月18日/検査数は203件、合計は14525件です。
2月18日/検査数は36件、合計は1287件です。

ということで検査数自体は2月に比べれば増えています。
しかし、日本政府の発表している数値と比べると、その差は歴然としています。日本の検査数はあまりに少なすぎますし、海外の先進国などと比べてもとても少ないです。

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Data on COVID-19 testing

100万人の人口に対して、どれくらい検査をしているかを現しています。日本は117,8人にすぎません。日本はこの図では下から4番目、ベトナムの下になります。世界各国と比べても、いかに日本の検査数が少ないかは図を見ていただければ明らかでしょう。

医療従事者が医療崩壊の危機を訴えている状況の日本ですが、厳しい指摘があります。その記事の気になるところを抜粋していきます。
渋谷健司医師(WHO事務局長上級顧問)の言葉です。
※は筆者の意見や補足を記述しました。

日本の現状は手遅れに近い。日本政府は都市封鎖(ロックダウン)は不要と言っていますが、それで「80%の接触減」は不可能です。死者も増えるでしょう。対策を強化しなければ、日本で数十万人の死者が出る可能性もあります。

「ロックダウンは、「絶対に外出禁止」というイメージがあるようですが、必ずしもそうではありません。国によってさまざまなロックダウンのやり方がありますが、基本は外出の禁止」
※近所の散歩などは認めているケースも目立ちます。

「(日本が行う)外出の自粛」をベースとした緊急事態宣言によって、2週間で感染者数がピークアウトするとはとても思えません

大都市でのクラスター対策は破綻しています。これまでPCR検査数を抑制し、クラスター対策のみを続けていましたので、市中感染を見逃してしまい、院内感染につながってしまっています。今まさに院内感染から医療崩壊が起き始めています」

国は検査数を増やせば感染者が外来に殺到して医療崩壊が起こると言っていました。しかし、ここまでの流れは全くの逆です。検査をしなかったから、市中感染を見逃して、院内感染を招いているのです。

3密は一つの仮説です。クラスター対策の限界を認め、方針を転換しない限り、感染拡大は止まりません
世界で「3密」と言っている国はありません
※3密が感染しやすいのは事実ですが、これを避ければ感染が広がらなければ苦労はありません。他の国は経済を犠牲にして都市封鎖までしているのか考えてみてください。日本は早急に満員電車の対策をすべきと思われます。

「検査をするかどうかを議論する前に、感染者が急激に増えて軽症も含めた患者が殺到し、重症患者を救えなくなるでしょう」
「院内感染などで医療提供側が医療を行えなくなることです。院内感染で病院が閉鎖されると、救急も閉鎖され、新型コロナウイルス感染症以外での死亡者数が増えていきます。」
実際には、後者の医療崩壊が多発していくでしょう。今、医療の現場からは悲鳴が上がっています。これは検査をしてこなかったことの弊害

社会的隔離やロックダウンを繰り返しながら、「検査と隔離」を徹底して、感染拡大を抑えるしか方法はない
ロックダウンしないということは、それはもう、どこに行ってもいいというメッセージです
医療と社会の崩壊を目の当たりにして、ロックダウンに踏み切ったら経済はより甚大な被害を被ります。それでも多くの国ではロックダウンをやっています。それは、ロックダウンを後にすればするほど、被害は甚大になることが分かっている

「米国では何もしないと死者が100万人を超えるという推計が出たために、ロックダウン的施策に至りました」
「今は戦争や大災害並みの国難」
「今はとにかく外出をしないこと。そして、よく手を洗うことです。いわゆる「3密」を避けることも有効です。運動は距離を保てれば1日1回程度なら全く構わない。よく寝てよく食べて運動する」

クラスター戦略はほぼ破たんしていると渋谷医師は指摘しています。日本政府や専門家はあいまいにせず、しっかり説明をすべきだと思います。

日本の遅い対応、少なすぎる検査数などを見ていると、スウェーデンが取る集団免疫の政策に似ていることは、前の記事で指摘しました。
しかし、これは多くの犠牲が出るので、とてもとるべき戦略とは思えません。
渋谷医師の言うように、他の国と同様に移動を制限するロックダウンをしっかりしていくしかないと思われます。


歴史は戦国時代、三国志、太平洋戦争に興味があり、今は現代の政治の在り方に疑問を持ちます。サポートいただいた場合は、本などを購入して、少しでも有用な何かをお伝えできるよう努めたいと思います。ご支援よろしくお願いいたします。