西側の論理が通用しない、ロシアの通常兵器調達方法とそのコスト。そして、対策について。
ロシアは、世界水準からみても、貧乏国です。ソ連時代から変わりません。GDPも大した事はありません。つまり、世界経済に与える影響は、本来少ないのです。有ろうが無かろうがどうでも良い国です。世界経済上ではですよ。
しかしながら、私、驚きを禁じ得ないのは、その様な貧乏国が、月間180万発のオーダーに耐えうる、榴弾の在庫を保持していた事です。ウクライナで、ばかすか撃っています。榴弾を。所詮、ロシア製なので、不発弾がさぞかし多いことでしょう。ウクライナの戦後復興の妨げになる要因の一つです。それはさておき、本年2月の開戦以前に、つまり、平時に、ロシア国内で、上記数量を退蔵していたとは考えにくいです。必要が無いので。
やはり、本年2月の開戦以降、国内で、増産したのだと見るべきでしょうが、月間180万発の榴弾を製造、ウクライナ戦線までの輸送費も含めて、どう少なく見積もっても、邦貨換算で、月間4000億円の費用がかかります。西側の論理では。ですが、ロシアは特殊な国です。そもそも費用の概念が無いのです。
政治犯、刑事犯、捕虜の労働力を使えば、人件費は ゼロです。榴弾の原材料は国内調達です。国家所有の鉱山、油井から産出された原材料ですから、当然、原材料価格はゼロです。鉄道も国家所有ですから、輸送コストもゼロです。つまり、請求書の発生が無いので、費用の発生も無いのです。人件費ゼロの労働力が、間断なく提供される限り、この仕組は、存続されます。ただ、歩留まりは最悪でしょう。やる気の無い人間が、労働力を提供しているのですから。強制労働ですので。10発製造して、5発は不発弾とか。それくらいなら、可愛いものですが、榴弾砲内で、筒内爆発を発生させ、榴弾砲そのものをスクラップにしてしまう代物が、発生する事も、十分に予測できます。
しかし、彼らはお構いなしです。ロシア語に、「能率」、「効率」という名詞は存在しません。粗製乱造で一向にかまわない。輸入部品を使わずに、国内原材料だけで、製造できる。とりあえず、戦線で、一定の戦果が確認できている榴弾攻撃です。とにかく、量産することしか、頭の中にありません。あとは知ったことじゃないのです。こんな奴らを相手に、戦っているウクライナ軍は、大変です。
それでは、どうするか。西側諸国のとるべき対策は。以下のとおりと、私、考えます。
1.来たるべき、WWⅢに備えて、西側諸国の兵器在庫を一掃すべく、モスボールした兵器を、ウクライナに集結させます。特に榴弾砲です。
2.対艦ミサイルで、ロシア黒海艦隊を、撃滅します。過剰飽和攻撃で。潜水艦は、各国の対潜哨戒機で、捕捉、一隻残らず、撃滅します。
3.脅威がなくなった黒海を、ウクライナの洋上補給基地化します。
4.黒海から、ロシアの補給路を、航空、海上兵力を使い、完璧に叩きます。
この時点で、ロシアの人的損耗は、計り知れないものとなり、榴弾製造に携わっていた人々も、戦線へ投入されるでしょう。つまり、榴弾の製造が滞る。ここで、ようやく、ロシアもジリ貧となるでしょう。
典型的な消耗戦です。根比べの一面もあります。
ロシアジリ貧状態までには、まだ時間がかかります。
年末までかかると考えます。
以上です。