見出し画像

あなたの夢が走ります。

有馬記念枠順確定

21日夕方、公開枠順抽選会が終わり、有馬記念の出走馬16頭の枠順が確定しました。
noteの公開が久々になりすいません。今回は元競馬担当記者(大相撲やサッカーも担当)の高橋が記します。今週は有馬記念です。年イチでこの週に連絡をくれる人も多数。(元)競馬記者あるあるでしょうね。イクイノックスやリバティアイランドがいないことを忘れてしまうような、いいメンバーです。”大本命”は不在で「この馬は絶対に買わなくていい」という馬がいません。個人的に買う馬は一番下にあります。

ラストラン

出走馬の中でここを最後に引退を表明しているのは、タイトルホルダーとウインマリリンです。最後だから勝つなんてわけはないし、最後だから勝てない、というものでもありません。
 1984年のグレード制導入以降、有馬がラストランで有終の美を飾った馬は9頭。
1990年オグリキャップ
1993年トウカイテイオー
2003年シンボリクリスエス
2006年ディープインパクト
2008年ダイワスカーレット
2013年オルフェーヴル
2014年ジェンティルドンナ
2017年キタサンブラック
2019年リスグラシュー
トウカイテイオーとダイワスカーレットは、レース後に故障で結果的に引退レースとなったものです。名だたる名馬ばかりです。全部見た人もいるでしょうし、ネットでしか見たことがない人もいるでしょう。
「あの時は○歳でこんなことがあった年だったな」と、自分の人生を重ね合わせることができるのがいいところです。ちなみに僕はディープインパクトの担当だったので、ハーツクライの2着に敗れた2005年も現地で見てます。勝った2006年も含めてレース前から、上司から伝えられたのは「勝っても負けても1面でいくからね」。
”勝って1面はただの一流、負けて1面こそ本当の一流”とは誰が言ったのでしょうか。競馬の場合、負けて1面になるケースはあまりないですよね。

シャフリヤール

取材したわけでもないし、実際は分かりませんが、おそらくここがラストランです。出走馬の中に3頭いるダービー馬の中では、最も地味でしょうか。今年のダービー馬タスティエーラ、昨年のドウデュース、そしておととしのシャフリ。確かに最も地味だ。
個人的には追い掛けてきた馬です。昨年の英国アスコット競馬場でのプリンスオブウェールズSも見に行きましたし、今年の米国サンタアニタ競馬場のブリーダーズカップターフも見に行ってきました。ちなみに自費です。。。
昨年の英国はコロナ禍とコロナ禍の間、今年は円安ドル高と種類は違えどハードルが高いものでした。海外2つで100万円はかかってないけど、それくらいかかってる気がします。アスコットはロンドンだし、サンタアニタはロサンゼルスなので、なじみがある土地ではあるのですが、個人的には行ったことがなくいい機会と捉えて行ってきました。

BCクラシックを勝ったホワイトアバリオ(2023年)
サンタアニタ競馬場のパドックをスクーリングするシャフリ ヤール (2023年)
アスコット競馬場・プリンスオブウェールズSのパドックでのシャフリヤール(2022年)
厩舎の馬房から顔を出すシャフリヤール(2022年)

香港のはずが

米国→香港と転戦予定でした。しかし香港のレース3日前になって出走取消となりました。JRAが発表したリリースには最後に「現地主催者から、出走を取りやめる旨の発表があった。」とあるのみ。当初は不整脈の疑いが、と出ましたがこれは間違いで、香港の主催者「香港ジョッキークラブ」は「健康上の理由」とのみ発表しています。

香港ジョッキークラブのリリース

ざっくりと翻訳すると「健康上の問題がある可能性が確認されたため、2023年12月10日(日)にシャティンで行われるロンジン香港ヴァーズ(グループ1)の出走を表明する前に出走を取り消すと発表した。」とあります。本当にざっくりした内容でびっくり。
現地にいた藤原調教師、藤原助手(調教師の実弟)は頑として認めなかったらしいです。そらそうよ、ブリーダーズカップで走ってきてるんだから。しかし主催者が出さないと言っているので仕方ありません。

そして有馬記念

壮大なフリが終わり結論です。今回の有馬記念、シャフリヤールはちょっと期待できる出来とみています。心身ともに充実しています。多分。
3歳時のジャパンカップを見てください
最後の直線、外から来たコントレイルにひるんで内にささっています。しかし今はそんな姿はありません。香港から帰国後は、防疫上の理由で着地検疫→中山競馬場の国際厩舎へ。本来馬は、群れで過ごす動物。1頭で過ごすことはプラスではありませんが、むしろのんびりと過ごしているそうです。栗東トレセンから帯同馬を連れてくることも考えたそう。これは防疫上の理由で検疫中なのでかないませんでしたが、全く問題はありません。さらに取材可能な場所も限られるため、情報が少なく、地味さに拍車をかけています。
そもそも札幌記念で負けた後は喉の手術をしています。完全に空気の通り道をふさいでいたため、切開しました。馬の場合、程度にもよりますが、この手の手術はそこまで難しくありません。問題は術後です。1つは手術した部分からばい菌が入り熱発などにつながるケース。これは古馬になれば免疫力が高まっているため多くはありません。
もう1つは「息ができないのに競馬で走らされた」というトラウマがあるケース。これも米国で3着に好走しており心配はないとみます。
ちなみに米国で藤原調教師に「喉の手術したらやっぱりいいですか?」と聞いたところ「当たり前やろ! 息出来るんやぞ!」と食い気味に言われましたよ。だって息出来るんだから。水曜日には中山競馬場に見に行ってきました。取材に来ていたのは日刊スポーツ本紙記者の松田のみ。
ちなみに、21日時点で、米国での生の姿と日本での生の姿、両方見ているのは僕だけです。素人目にも分かることがありました。米国よりも断然出来がいい。藤原助手に聞きました。「めちゃ良くなってないですか!?」。
「高橋もずっと見てるんだから分かるやろ」とニヤリ。それが答えです。
中山のコース形態はいかにも合わなさそうですが、そこは気合でなんとかする!1枠2番も絶好。今回は来る!馬券も買う!
藤原助手は言ってました。「『アメリカも香港も、ここを勝つためにあったんや』と言いたいな」。
私の夢はシャフリヤールです。ペルシャ語で「偉大な王」と名付けられた黒鹿毛を追い掛けます。

最後にCM。
日刊スポーツの競馬サイト、極ウマ・プレミアムではニュース記事関連は無料で読めます。
有料ページでは新聞紙面の同じものが開催前夜のうちから読めます。


以下、レース後記入

3コーナーすぎから夢を見ました。思いのほか単勝オッズもついており、単勝2万円を握りしめていたので、震えましたよ。
ドウデュースもいい競馬だったし、ルメール騎手のスターズオンアースも神騎乗でした。タイトルホルダーも完全に出し切ったし、ジャスティンパレスもスタートの後手が響いただけで、悪い競馬はしていないですね。
武豊騎手ないけど、
”やっぱり競馬っていいですね”

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?