
着物を忘れて目から火が出た
出前落語で着物を忘れた。開演15分前に着替えようと控室に入って気づいた。あれれ?着物がない?あ!家に忘れた!
目から火が出た。着物がない。もう帰るしかない。取りに戻るしかない。カエルかえる。洒落いうてる場合か。大失態。幸いなことに会場は地元で家まで車で12〜13分。大急ぎで車を飛ばした。まさに一目散。
その日の出前落語はカエルひとりだけ。他に高座にあがる人間はいない。もう開演を遅らせてもらうしかない。
お客さんは30人。近隣の顔見知りの人たちばかり。しかもほとんどが女性とあって会場は和気藹々で穏やか。お客さんに助けられた。
結局、車を飛ばして会場と家を往復。15分遅れの開演になった。汗をかきかきまずはお詫び。お詫び。お詫び。これまでの忘れもんの前科も山ほどある。思いつくまま忘れもん歴を白状する。どんだけ間抜けでどんだけアホか。どんだけ〜と叫びながらマクラにして笑っていただく。
高座にあがればもうこっちのもん。開演が遅れたこともすっかり忘れてマクラは延々とつづく。いつもより長いのとちゃうか。長い。長い。大サービス。すみません。
お客さんに甘えながらマクラで場づくりに励み、もうそろそろ開演が遅れたことなどすっかり忘れてくれた頃かなというのを見はからって本日の演目へ。無事復帰。よかった。本日も出前落語はやっぱり楽しかった。

大いに反省し持ち物チェック。開演15分遅れで何とか最悪の事態は免れた(と自分では思っている)。しかしそう何度も何度も落語の神さんは助けてくれんやろ。ええ加減にせえよ。いうてるに違いない。そのうち愛想尽かされるに違いない。書き出したからというて忘れんもんではなかろうが。気休めやといわれてもここはやるだけのことはやっとこう。というわけで出前落語の道具一式を書き出してみた。これで全部か。忘れてないか。楽しい。
極楽亭カエル