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思い出したこと
ドーブルイ ビーチェル!
夜、小雨の中買い物からトコトコ帰っている時に、急に思い出したことがあるんだ。書かないと忘れちゃうから書いておくよ。
あれは夏だったな。ココに好きな公園ができて何度も通っていた時 だった。
公園からの帰り道、後ろから大音量で音楽を流しながら迫ってくる何かがあった。
自転車だろうな。たまにこういう人がいる。それにしても、激しく、うるさい。
ココはこういう光景は嫌いじゃないけど、今回は恐怖を感じるほどの大音量だ。
たぶん、また腕にタトゥをしたガッチリとした男が勢いよく自転車をこいでいるんだろう。
振り向くと、何か因縁をつけられるかもしれない。こんな時は知らん顔。知らん顔…
なかなか通り過ぎてくれないぞ…
恐怖は益々増していった。
これはココが早足で逃げるしかない。
ココの緊張はピークに…
顔を引きつらせながら早足で歩いた。
その時、
「えっちら…おっちら…」
んん!?
ココの横を大音量が通り過ぎる。ゆっくりと…
5、6歳ぐらいの男の子が、ちょっと大きめの自転車に乗っている。足は着くのか着かないのか、左右に身体が揺れる。ズンズンチャッチャ!!ズンズンチャッチャッ!!
えっちら… おっちら…
ココは吹き出しそうになるのを必死で我慢した。こんな可愛い光景があるだろうか。
大人になりたい男の子。可愛すぎる。
大音量はなかなか通り過ぎて行かない。
頑張れ、頑張れ!
それにしても親はどこ?
ココはキョロキョロと周りを見渡した。