「あの子」が見上げたMoon
GALA Blu-ray初回限定盤 ビジュアルコメンタリーにてMoonについての衝撃的な裏話が放たれてから早1ヶ月……
ちょっとこの事実に向き合うには、もう一度作品を見返したり、パフォーマンスを何度か見ないと消化できないなと頭を抱えたまま、仕事に追われ師走は過ぎてゆきました…
ようやく本腰を入れて考える時間ができたので、この話を受けて感じたことを書いてみようと思います。考察とかいう大それたものじゃありません。正解でもありません。正解は本人にしかわからないので…
勝手に「それってつまりィ…?!」て悶えてるいちオタクのいち解釈にすぎません。「そういう見方もあるんだなぁ」くらいの気持ちで読んでください🙏
(⚠️この先、Moonについてのネタバレを含みます。未見の方はご注意ください)
ー「Moon」ビジュアルコメンタリーにて。
深「この曲もやっぱりさ、ダテさんらしいよね!」
宮「まあこの曲の経緯としましては、ちょっと私情挟まっちゃうんだけど、(この曲をつくったころ)「大奥」をやってて…」
深「やってたやってた!」
宮「その「大奥」でやっていた役の子が歌ったらこうなるんじゃないかっていう。」
ヒ・・・・・・・・・・・・ ?!
なんか今すごいこと言ったが・・・・・・・・
え、定信のキャラソンだったってコト・・・・?!
(キャラソンではありません)
宮「引っ張ってきちゃってるっていうか…
だから世界観も和にしたりとか。
(牢に)囚えられちゃって…でも、そこから…」
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
いやその先も聞かせて????!!!!
もっとお話しして????!!ねえ?????!!
そ、そこから…?!そこから定信の…どういう気持ちにリンクするとか???!!
お、教えて…もっと拗らせたいから教えてくださ…(厄介オタ)
ていうか、定信のこと「子」って呼ぶのだいぶ刺さるんですけど…
そんな感じでビジュコメ初見はたいそうここで狼狽え、ふっかさんをいじり続けるひーくんに愛を感じながら終わりました。
GALA上演時には
「煙管、天才かよ!!泣」
「遊郭、似合い過ぎかよ!!泣」
「スーツと女性ダンサー、最高かよ!!泣」
などとその自己プロデュース力の大正解さに沸き散らかしていた宮舘担は、
Moonを見るたびに定信を、
定信を見るたびにMoonを思い出し
勝手になんか苦しくなるオタクと成り果ててしまったのでした…(主語がでかい)
Moon/宮舘涼太
だと思っていたら、
Moon/松平定信(「フジ大奥」より)
を含んでいたという事実。
このデカすぎる裏設定を消化するため、わたしは字幕という大変ありがたい機能に頼りながらその歌詞について1行1行向き合ってみることにしました(え?)
あ、歌詞に入る前に。
Moonの舞台は「遊郭」だとは思うのですが、
「遊郭」と「大奥」ってたしかにちょっと似ているなと私は思って。どちらも鳥かごのようなところで男性に選ばれるのを待つ女性たちのいる場所。
そのお勤めは基本、夜。
途中宮舘くんが女性ダンサーたちと絡むシーンは、話を聞いてからだと上様の愛を受けようと女性たちが画策する大奥のようにも見えてきます。
「和」というだけでなくそのあたりも世界観に影響しているのかなあと勝手ながら思いました。
では、あの椎名林檎のような天才煙管姿を思い出しながら歌詞を見ていきましょう。
(繰り返しますが以下は私の勝手な推察と感想と妄言であり確証も何もありません!あと、便宜上英詞を簡単に訳してますがこれも私の解釈込みです!)
はい、月食からの紅い丸窓、スパーン!
これはもう、早速ながら「倫子の瞳」だろうなと。
そして「突き刺すような」で思い出すのは、最後引導を渡されるあの1ミリの温情もないシーン。刀を喉元に当ててもなお気高く、冷たい瞳。つまりこれを歌う定信くんは、「ボロボロで江戸城を去ったあとの彼」なのかなと勝手に推察します。
思い出せば…幼少期の羽むしられトンボ@浜御殿。
将軍に選ばれず優しさコンプレックスだった彼に「賢丸は優しい子よ」と言ってくれた倫子。
彼女への執着と将軍の座を手に入れるという「大義」が、定信を狂わせていきましたね。
「この場所」というのはどこのことなんだろう…
定信がとらわれている闇のことでしょうか。
そういえば彼が猿吉と作戦会議していたお堂も、すごく薄暗かったな…。暗躍・暗殺という言葉が似合う所業を定信は繰り返していました。
で、サビです。
っていうかここの満を持して激しく踊りだす宮舘さん何億回見てもくっっっっそかっこよくない????!!!!!??!!!?!
と見返しては何度も思考停止になりましたが
ここは、「自分が将軍の座についていたなら、違う未来があったのでしょうか」という最後の問いかけも完膚なきまでに倫子から否定された定信が、
だったらもう立場も身分も思惑も政治も、何も関係なく何も見ないふりをできる闇のなかなら、ただの男女として一緒にいれるんじゃないか、長い夜を過ごせるのではないか
とか思ってるってことかなあと。
勝手に苦しくなりました。ツラァ。
このさ!!今宵はNo Ruleで「シー」の仕草するのエロす…色っぽすぎない?!?!?!(毎秒騒ぐオタク)
ていうかここは普通に考え出すとエロくなっちゃうのでそれぞれの解釈ということで(?)Ruleって言われるとやっぱり大奥の女性に手を出すというご法度が思い浮かんでしまうんですよね…
わたし、ここだ〜〜〜いすき!!!
だって、歌うますぎなんだもん!!!!!()
ここは普通に考えたらさっきの続きで遊郭の夜のアレコレ…っていう官能的表現だったりにもなるのでしょうが、歌い手が定信となると話が別すぎて、そしてすごくわかりやすくて、まさに「頂上」とは定信が目指していた場所に投影できますよね。同時に倫子がいる場所。徐々に城の上へ昇りつめて、たった数年で失脚。
そういう意味ではMoonって「倫子」でもあり、
家治が座する背後に燦然と輝いていた巨大な「徳川の家紋」にも思えてきます。
あと、彼が倫子に送った「花火」もちょっとこの歌詞に重なりますね。そういえば劇中で、何年も変わらず在り続ける「松」と刹那的な「花火」が贈り物として家治と定信の愛の対比になっていると考察されていて悲しくなった記憶も蘇ったりしました笑
そんな状況を何度でも繰り返したいって、
ど、ドMかな‥‥???
いや、何度繰り返しても諦められないってことだよね、ずっとずっと手に入れるまで月まで這い上がり続けるってことだよね…さすがの執着、ほんと定信、あんたって子は………泣
いや切なっ・・・・・・・
実際定信くんは毒お菓子のサブスクを贈りながらも、彼女を幸せにしたい、家治より一途に愛するという気持ちはあったはずです。
でもその頬に手を伸ばしても、もう彼女は自分を受け入れてくれない。触れようとしたら突き刺すような瞳で、容赦のない言葉で、拒絶されて負った火傷さえ愛おしくなる…って重すぎじゃない????!!すごく…サイコパス感あって…ゾクゾクする愛です。
(※普通に激しい恋心により火傷を負ったという解釈も全然ありますが、冒頭の時系列からもう彼女に拒絶されてる状態と考えての見方です)
そしてここで彼はその火傷とともに牢に囚えられます。実際はその重すぎる罪を罰で裁かれるシーンは本編になかったわけですが(歴史上もない)失望・失恋からの失脚、というのが彼の心理上、罰を受けているという状態なのかなと思います。
「もう何も見たくない」と牢のなかで苦しげに目を覆うあの大変たまらないシーンも、そう思うとすべて失ったあのボロボロの背中を思い出します。
ここも基本1サビと同じで、
なんにも見ない、なんにも考えなくていい闇の中ならただの男と女、からだもこころも素直になれる、というところかなと…
てかもう真っ赤な牢の中の宮舘涼太が良すぎて私の中の佐久間さんも
「涼太は閉じ込めれば閉じ込めるだけいい!!」
って叫びっぱなしで歌詞とか深く考えてる場合じゃないんだよね!!!!誰ですかこの天才演出考えたの????!!!(本人)
脳内きみで埋めていたい、はそのまんまですけど、
激重すぎて もうそらサイコパスにもなるね、定信…
遠くなって、近くなっては実際劇中でもそうでしたね。簡単には手に入らないほうが燃えるあたりもすごく彼らしいです。
実際定信は何もかもを失くして、
どんな罰も厭わないような罪を犯しまくって、
それでもその人生のなかで月に手は届かず、
一番ほしかったものは手に入らなかったわけですが…
ここでうしろのスクリーンには遊女と顔の見えない武士の襖が映し出され、手前では女性ダンサーたちと順番に絡む妖艶なダンスパートが繰り広げられます(最高)ステップも表情管理も天才なんですよね………(嗚咽)
ここは冒頭にもかいたとおり、THE遊郭っぽいようで大奥をも彷彿とさせますね。
深「あぁ!ふすまが!!バンバンバンバン!!
ふわぁ〜〜っ!!!消える〜〜〜〜…」
ここの急に荒ぶり出す深澤さんが大好き
(そのあとの振り覚えちゃってるのも笑)
ここがこの歌の、そして定信の、永久に囚われた想いの実質的なピークであると、私は思っています。
深澤さんのいうとおりふすまがバンバンバン!!となり、その一枚一枚に描かれているのが
遊女と武士
→歌舞伎役者と…武士?
(求む有識者!何かの演目かな?)
→明治か大正時代?っぽい男女
に変わっていき、最後の男女の影が月を背に重なっていくわけですが…
※観劇当時はここでネクタイつかんでパフォーマンスする宮舘さんの色気の暴力に息止まりすぎて襖の絵とか認識する余裕ZEROだったんですけど、ありがたいBlu-rayのおかげで確認できて𝑻𝒉𝒂𝒏𝒌 𝒚𝒐𝒖すぎ☆
この3組の絵は単なる襖の柄と見ることももちろんできるんですが、最後の男女が明らかに時代が少し進んでいることを考えると、
「自分が将軍の座に選ばれた世界線」でも「私の夫は家治公ただお一人です」と完全否定された定信が
何度か輪廻転生を経た「来世」で結ばれる希望を思い描いている
という描写なのかなと思いました。
・・・・いやどんだけ重〜〜〜!!!!!
重いけど、し、しつこいけど‥その愛が苦しくて切ないよ…もう、定信…!バカな男だねぇ……泣(誰)
というわけで、定信が歌っているならと個人的に解釈したこのMoonという曲は、
何もかも失った暗い闇(牢)のなかで、
それでも闇の中のまま、現実を何も見ず何も考えず脳内を倫子で埋め尽くして
生まれ変わってでも、
そのたびに手を伸ばしては落ちていくことを繰り返したとしても手に入れたいともがき、
ついにしがらみのない男女となった世で結ばれる
…という、定信の、妄想。(号泣)
いや、囚われ続ける強い願望というべきでしょうか。。
宮舘くんがドラマが始まる前に定信のことを「恋に狂っていく」と話していましたが、まさに狂愛。
狂いきってすべて失ったあともなおまだ彼女への愛と執着に溺れる、たとえ今世が終わっても一緒になれるまでずっと想い続ける、という、狂気もはらんだ燃えるような愛情をあの真っ赤なステージで非常に美しく表現していたと思います。
実際このあとの歌詞は、1番のサビを繰り返し
「Fall in Love with you」「Fall in Love So 深く」
とひたすら恋に堕ちていく歌詞がまぶされ、終わります。
そういう意味では、あそこで恋にも職にも引導を渡した倫子への、「まだ諦めずに愛し続けるよ、たとえ月のように届かない存在でも、何度生まれ変わっても、いつかあなたと重なるまで」というアンサーソングみたいなことでもあるのでしょうか。いや、宣戦布告??ラブレターという名の、果し状??(?)
いや〜〜〜とにかく純粋で、怖くて、重くて、かわいそうで、最高に定信〜〜〜〜!!泣
でもそういう、時空を超えても手に入れたいという強い執着・念のようなもの。常軌を逸した人間の想いを背負っていることが芝居から伝わったから、美香さんは「悪役ではなくヴィラン」と称してくださったのだと思います。
そんな実は一番怖い人間というのを、演じきった宮舘くんやっぱり凄かったなぁ。
またそんな役が(それ以外もだけど)みたいなと思ってやみません。
改めて、彼にとって忘れられないほどの経験だった定信の世界観を引きずりながらも、こんなにも私達が見たい宮舘涼太の大正解を魅せてくれたことに感謝です。
Moonが、これからも彼の初ソロ曲として、大切にされていきますように。何年先でもまた、定信として生きた宮舘くんの熱を思い出せますように。