ごきげんな恋愛遍歴 EP.0 ~別れ、合コン、逆ナン編~
私は、24歳で結婚をした。
晩婚化が進む現代において、かなり早い方だったと思う。
私がこんなに早く結婚したのは、22歳の時点で恋愛を早く着地させたいと思ったからだった。
社会人1年目、心底大好きだった彼に別れを告げた。
大切なものをなくした喪失感を二度と味わいたくないと思うようになり、もう二度と恋愛なんてしたくないと真剣に思っていた。
槇原敬之がもう恋なんてしないなんて歌うから、この文章がふざけているように見えるが、真剣にそう思っていた。
最愛の彼と別れてから約3か月間の記憶は“ごっそり”ない。
記憶を辿るにインスタのストーリーズアーカイブを振り返ってみたが、そこにはとても元気な私の映像が残っている。
しかし28年も自分に寄り添って生きているとなんとなくわかるようになる、これは空元気だ。新卒の私が自分を偽って頑張って生きているのを見て、涙が出そうになった。
この時、私は公私ともにどん底に在った。
そんな憔悴しきっている私を見かねて、毎日のように友人が色んなところに連れまわしてくれたことだけが救いだった。
よくわからない酒を、よくわからない奴らと飲みまくった。
人間の記憶は(というより、記憶力の弱い薄情な女なので…の方が正しいかもしれないが)本当に面白いもので、彼に別れを告げてから3か月ほどで、正常な私に戻った。
ただ、この時意味する“正常”は、まっさらな0という意味ではない。いつまでも消えない心の傷を負ったマイナス1くらいの“正常”である。
少し肌寒くなってきた冬のある日、友人といつものごとく朝まで浴びるほど酒を飲んで、やっとの思いで自宅に帰ってきた私は、
名古屋の矢場町に借りた1LDKの広くて空っぽな部屋を見て、胸の苦しくなるほどの虚無感を覚えた。
家に誰もいないのは、本当にさみしく、本当に冷たかった。その冷たさを埋める相手を早急に見つけねばという思いに駆られ、この日を境に私はその時の人生の重点を恋愛に置いた。
引くほど。
まず、その時仲良くしていたひと全員に「彼氏がほしいと思っている」という情報をインプットした。この時大切なのは、紹介して~と言うのではなく、彼氏が欲しいと思っているという事実だけを伝えるのがポイントである。そのうえでその友人が重荷に感じないように伝えることに気を遣った。その気遣いが意味をなしてたのか知らんけど。
そして、何よりもとにかく出会いの場に出た。
恋愛を、あくまでも『楽しいもの』として認識しておきたかったので、恋愛をすることを楽しめる環境は何なのかをとことん考えた。
幸いにも、明るく活発寄りな性格なので(アラサーになって自分の性格をこのような表現をするのは”激痛恥ずかしい”でしかないが)飲みに出かけるのは苦ではなかった。
毎週2回は必ず合コンをした。
その時私がいたのは名古屋だった。
名古屋という地では、T●Y●TA系列が絶大なパワーを持っている。
クルマのことは全く興味がなかったので、何の車種がT●Y●TAなのかすら知らなかった。
勉強熱心な私は、合コン前に男性たちの職業や会社名を聞くと、その業務内容やプロダクトの詳細を知らべる癖があった。
男性たちに会う前にT●Y●TAで調べた。
トップヒットしたランドクルーザーの写真を記憶し、このフォルム・ビジュアル好きだという一点張りで話を進めたのを覚えている。
ランクルのどういうところが好きなの?と言われ問い詰められたが、特に好きでもないクルマの好きポイントなんて語れるわけがないだろ。白くていかついところが好きと言い続けた。そしたら俺も!って言われて意外と話が盛り上がってしまった。
ちなみに、この男性には会う直前30分前にさらっと予習した私の知識量とあまり変わらない知識量にガッカリしたのを鮮明に覚えている。
今度一緒にランクル乗って名古屋ドライブしようと言われたが、クルマにも名古屋にもそしてその男性にも興味がなかったので丁重にお断りを入れた。
普段クルマ乗るの?と聞かれた時にも、その時会社で乗っていたハイエースの話をしたのを覚えている。え~かわいい!と言われたが(ありがとうございます)、普通に考えてハイエース乗りまわしている女、かわいくないだろ。
飲み屋で横に座った男性に話しかけるなどもした。
いわゆる逆ナンといったやつだ。話かけるのは、2人で来ている男性に限定していた。(多くても最大3人まで)
あまり大人数だと、男性たちのノリに吞まれることがあるので、それは非常にめんどくさい。まともに恋愛として出会いたい私にとっては、ワチャワチャと飲み散らかす楽しみは二の次だった。
そして男性を見極める際、特徴でいうと、服にしわのない(もしくは限りなく少ない)男性に話しかけること。靴がきれいな男性を選ぶこと。そして当然だが左手に指輪がついていない男性を選ぶこと。を大切にしていた。
今思えば、なぜこの3つのポイントに行きついたのか忘れてしまったが、その男性たちは例外なしにハイスぺと言われる男性たちだった。
多分この逆ナン時代あたりで私の男性を見る目が養われたのだと思う。大概の人には、ぎゃ、逆ナン?!と突っ込まれるので、こんなことあんまり大きな声では言えないけれど。
もちろん話しかける時も、ガツガツ進んでいくのではなく、話しかける隙があるタイミングでそれとな~く話しかける。
「2人ですか…?」と気まずそうに話しかけるのが大切である。
大半男性は楽しく一緒に飲んでくれる。最初の10分ほどはクソほど興味がない話も、ばかみたいに笑って聞く。「めっちゃおもしろい、やばい!」と笑い続ければ、楽しく話を続けてくれる。
現在仕事でも活きているヒアリングスキルはこのあたりでついた。面白くない話をどこまで深堀出来るのか、自分との戦いだった。
この時、目の前にいる男性と合わないなと思ったとしても、そこでやめてはいけない。その友人やそのまた友人…と芋づる式につながることが出来るので、すぐに判断するのは得策ではない。
私はここで恋愛における我慢大切さを学んだ。我慢はいつか実を結ぶのである。。
長くなったので、次のnoteにつづく。